「ULTRAMAN」神山健治×荒牧伸志インタビュー “ダブル監督体制”で目指すものとは | アニメ!アニメ!

「ULTRAMAN」神山健治×荒牧伸志インタビュー “ダブル監督体制”で目指すものとは

インタビュー

「ULTRAMAN」神山健治×荒牧伸志インタビュー “ダブル監督体制”で目指すものとは
  • 「ULTRAMAN」神山健治×荒牧伸志インタビュー “ダブル監督体制”で目指すものとは
  • (C)TSUBURAYA PRODUCTIONS (C)Eiichi Shimizu, Tomohiro Shimoguchi (C)「ULTRAMAN」製作委員会
■荒牧「僕自身にとっても緊張感がある相手でないといけない」

――荒牧監督はこのコンビ、今はどのように感じられていますか?

荒牧
2社コラボレーション体制が決まった時、神山さんとやりたいと思って僕からお声掛けさせていただいきました。
自分が監督として猿山のボスをやっていく中で「自分一人でやるには限界があるな」という事を感じていたんです。このチームや制作フローをもっと汎用化して柔軟にしていかないと、僕とだけしか作品作りができないチームになってしまう。だから誰か一緒にこのチームを見てもらわないといけない。
こういう場合、仲良しなお友だちと一緒にやっても意味がありません。僕自身にとっても緊張感がある相手で、僕の作ってきた仲間や制作フローを別の視点から本気で見てくれる人でないといけない。そう思った時に神山さんがいいな、と。

神山
ありがとうございます。

荒牧
直感的な面もありましたが、実際に一緒に組んでみると、アニメに対する距離感や向き合い方のようなものも非常に馬が合う感じがあり、やはり神山さんにお願いして正解だったと思います。また、神山さんにも面白がってもらえているようでよかったなと思っています。

■両監督に共通する「アニメに対する向き合い方」

――アニメに対する向き合い方というのは、具体的にはどういった事でしょう?

荒牧
何故アニメーションをやっているのか? という事です。こういう言い方すると邪な感じがあり怒られるかもしれませんが、僕がアニメ業界で映像が作りたいと思ったスタートポイントは、要するに「アニメで『スターウォーズ』みたいなものが作りたい!」という事だったんです。
アニメでも、特撮やVFXを用いた写実的な画作りで表現ができる、というところに面白みを感じていて、3DCGもその過程で出てきたので導入したという感じです。アニメを使って空間やリアリティをしっかりしたと表現した作品を作りたい、というのが僕の目指すところなんですが、そのスタートポイントが神山さんと似てるな、と最近感じています。それもうまくいってるポイントだと思うんですが、どうですか?

神山
僕も同意見です。傍から見ていた時から荒牧さんの作品はハリウッド的で目指しているところが明確だし、僕が頂点と思っているところと同じところを目指している、おそらく似ている方だなあと思っていたんですね。
僕は『攻殻機動隊』、荒牧さんは『APPLESEED』と、同じ士郎正宗先生の代表作を手掛けていますし、士郎先生もまた海外から高く評価されつつ、ハリウッド的なものを意識されていたんじゃないかな、と思います。
アニメで制作する以上、絶対に実写にはならないんですが、だからこそそこを目指しているんだ、というところが似ている感じがしました。一時日本のアニメもその方向を目指そうという潮流があったんですが。

荒牧
80年代、90年代ですね。

神山
それがだんだんアニメは独自進化を遂げ、誰かが描いたもの、素材そのものを楽しむようになっていった。空間の表現よりも、キャラクターの魅力にアニメの力点がシフトしていく中で、僕はまだまだレイアウトがしっかりしていて空間があってドラマがあって、そこには世界があるんだ、という作品を作ろうという意識が強くあります。

荒牧
芝居をちゃんとしていてね。

神山
そうです。だから荒牧監督に声をかけてもらって組むことになったのには必然性があったなと思います。

荒牧
形や方向性はもちろん二人それぞれ違うんですが、「これを実現したい」という理想とするビジョンは上手く共有できるな、と思っていました。

神山
今年『ブレードランナー』がまた作られましたが、あの映画に魂を惹かれてこの仕事をやっている人は世界中にいると思いますしアニメ業界にもかつてすごくたくさんいたんですが、時が流れてまだあの作品が頂点だと思っている人間、だいぶ減ったじゃないですか!

荒牧
(笑)。

神山
荒牧監督は日本でずっとそれを追い続けていた人ですし、僕も形は少しずつ変わってはいったけど「(『ブレードランナー』監督の)リドリー・スコットが作るような映像に、アニメだったらどうやったら近づけるんだろう?」という事をやっていた人間ですので、組んでみたら目指す方向が一緒だから「いける」と思えました。そこがアニメとの距離感、向き合い方という事なんじゃないかと思います。
そういうところが、荒牧監督と仕事していて夜遅くなって、仕事から離れた話もするようになると、改めて共有できているなと感じられているところです。

荒牧
神山監督の方が僕より少しお若いんですが、見てきた作品、好んで見る作品というのは共通しているように感じますね。僕たちは、キャラクターももちろんだけど、他の部分もこだわりたいんだよね。

神山
いい悪いではなく、キャラクター重視というのも今アニメに求められている潮流だと思います。一方で、キャラと同じくらいレイアウトにもこだわりたいんですよ。

荒牧
光と影とか、世界観とかにもね。
《石島英和》
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