たとえば、TV制作後、なんと30年が経過して制作された『機動戦士Zガンダム A New Translation』3部作(いわゆる『新訳Zガンダム』)を見ると、この「どこまで手を加えるか」について考えざるを得ない。 新作(HDによるデジタル制作)と既存映像(もともとは16mmフィルム)というハード面での越えがたい差に加え、レイアウトや絵柄の捉え方などの変化など、この企画は当初から非常に難しい問題を抱えていた。 完成した作品は、部分的に手を入れつつもTVの時の既存映像はかなりの量使われていた。それは『Zガンダム』という作品において、「基底現実」は「TVシリーズの映像である」ということを否応もなく示していた。