【インタビュー】声優・緒方恵美がアニメ業界の窮乏をクラウドファンディングを通じて伝える理由 3ページ目 | アニメ!アニメ!

【インタビュー】声優・緒方恵美がアニメ業界の窮乏をクラウドファンディングを通じて伝える理由

『幽☆遊☆白書』から『美少女戦士セーラームーンS』、『新世紀エヴァンゲリオン」、そして近作でも『ダンガンロンパ」シリーズなど第一線で活躍し続ける声優の緒方恵美が、活動25周年を記念したアルバム製作をクラウドファンディングでチャレンジした。

インタビュー
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■実際は血を吐いたほどのプレッシャーが押し寄せて

緒方
bambooさんが開始の時間のカウントダウンをしてクラウドファンディングをオープンする予定だったのですが、アクセスが集中してオープンできないという(笑)。

bamboo
まー、焦った焦った。その時に、これはとんでもないプロジェクトに関わってしまったなと思いました。そもそもクラウドファンディングってスタート時に集中するような仕組みじゃないんですよ。一部のお客さんにはご迷惑をおかけしましたが、campfireのエンジニアが待機していたこともあり思ったよりは早くに落ち着きました。ただ、正直あれほどのスピードで集まるとは思わなかった(スタートから90分で目標金額の1000万円を達成)。僕が仕込むプロジェクトは達成まで早いように組むので、初日に70%、3日かけて100%行くかなぐらいだと思っていたんですよ。それがあのスピードですから。日本探しても緒方キャノンに耐えられるサイトはありませんよ(笑)。それはみんなの愛情がなせる業ですね。


緒方
しかもbambooさんはご自分のアルバムの制作期間中だったにもかかわらず、そこしかスケジュールが合わないからといって、前段階のニコ生相談会からずっと、一緒にやってくれたんです。bambooさん、campfireのスタッフの皆さんの力と、そしてあれを観てくれたファンの皆さんの力です。

bamboo
まぁニコ生の相談会の時点で、僕としては勝ちが見えていたんですけど、お客さんの熱意というのもマーケティングとしては見なくちゃいけないので。あとは日本のプロジェクトがコケたら海外でもうまくいかないから、日本である程度の予算を獲得して良い形で海外にバトンタッチするようにしたかった。その意味では望んだ通りになって、やっぱり緒方さんってスゲェなと思いました。ランティスの担当がちょうど同じ方で、実際に「成功おめでとうございます」と言われましたし。やっぱりプロジェクトって関わった人をハッピーにしないといけないと思うんですよね。

緒方
bambooさんを信頼していなかったわけではないですが、クラウドファンディングというものがどのようなものなのか分からないので、本当に怖くて。普段の仕事でもこの25年、何かのチャレンジはやり続けてきてきました。そういうときはいつも起こり得る最低を想像して、これ以下にはならないと言う事を見越したうえで、気楽に頑張るというやり方だったのですが、今回は底が見えなかったので、恐ろしいことを始めてしまったのではないかと切り替えられない自分がいました。不安な顔を見せると周りも心配するので、なんとか大丈夫という顔を見せていたんですけれども、澱のようにどうしようと思いが湧いてきて…。ツイキャスでみんなに「あんなに不安そうな緒方さんの顔を見るのは初めて」と言われるほどに(笑)。
それが初日に90分で達成した時に、やっとホッとしたらみんなが「ずっと不安そうだった緒方さんがやっと笑ってくれたその顔が最高で、支援してよかった」と(笑)。本当に、ファンの人を不安にさせるのは最低だと思うんですけれども。

abesanbamboo
まー、それも込みでドラマだと思うんだけどね。

緒方
それはそうなんだけど、そういう顔って普段は見せないものじゃないですか。仕事の中でどんなに辛いことがあってもそんなことは絶対見せないし、ラジオでも平気な顔で喋るし。晒すのが絶対に嫌と言うわけじゃないけど、ここまでを晒しちゃうのは自分の美学的に嫌だと思っている所があって。それを晒しているという自分を自分で攻撃していたので血を吐いたんだと思うんですけど(笑)。

――アルバム『アニメグ。25th』についてもお聴きしたいのですが、注目ポイントはいかがでしょう?

緒方
私がこれまで出演してきた作品のオープニング・エンディング・挿入歌のカバーアルバムですので、楽曲自体がまずよく知られたものになっています。そして自分がプロデュースしているので、これまで予算面で遠慮して頼みづらかった方にも、ここぞとばかりに制作をお願いしているというのが特徴です。
あとは今回、仮歌をすべて自分で入れています。以前、『残酷な天使のテーゼ』の作詞家の及川眠子さんがtwitterで「作詞をするときに、たとえラララでも本人の仮歌だとイメージの膨らみ方がまったく違う」とおっしゃっていたんです。『残酷な天使のテーゼ』も高橋洋子さんご自身の歌声にイマジネーションを刺激されたところもあって、すごく早く書けたそうです。私が懇意にしている作曲家さんも「本当にそうですね」とおっしゃっていて、なるほどと。私はこれまでも仮歌を自分で歌いたいと思っていたんですけれども、レコード会社が気を遣ってくれていたんでしょう。一部だけでした。そこで、今回はお願いしたいアレンジャーさん全員にプロジェクトの目的と依頼する理由を書いたお手紙に書き添えたんです。「皆さんのご希望がありましたら私が仮歌を入れますので、デモのたたき台ができたら送ってください。そしたら私が節を入れて送り返します」と。そうしたら、みんなすごい喜んでくれて「いいんですか!?」「ぜひ!」みたいに返してくれたんです。なーんだ、みんなやりたかったんだと(笑)。するとその後の楽器のイメージの膨らみ方も全然変わってくるそうなんです。ほかにも楽器のダビングにも立ち会いますし、このアルバムでは今まで以上に濃密に、ひとつひとつの工程を丁寧に作ることができています。

――最後に、このクラウドファンディングを通じて緒方さんの提示に興味を持って下さった方にメッセージをお願いいたします。

bamboo
クラウドファンディングというのは、どれだけプロジェクトオーナーが熱を持っているかと言うのが重要なので、今回それを含めて理解をしていただいてご支援頂いたけたというのは、この業界まだまだ捨てたもんじゃないなと思います。引き続き、ご理解とご支援をよろしくお願いします。

緒方
日本で達成を頂戴した現在としては、CDを売ることよりも、まず先に立つのは、業界の皆さんが大変な思いをして努力しているけれども、どうにもならない状態で苦しんでいることを知ってほしいということです。この記事をきっかけにそれを知って、業界外部の方でもECサイトの方とかでももっと良いアイデアがあればまた新たに認知の輪が広がることもあるかもしれませんので、ぜひお力を貸していただければと思います。そして、私個人は、応援してくれたみなさんが、応援して本当によかったと思ってもらえるアルバムを、まずはしっかり創っていこうと思います。夢がいっぱいつまったアルバムを。楽しみにしていてください……!


Campfire【緒方恵美、声優デビュー25周年記念企画】国内&海外、同時に正規CDを届けたい
https://camp-fire.jp/projects/view/28110
(註:すでにプロジェクトは終了しており、緒方さんはアルバム製作に入ってらっしゃいます)
《日詰明嘉》
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