【特別対談】「夜明け告げるルーのうた」大ファンである斉藤壮馬が語る湯浅政明監督の魅力とは? 2ページ目 | アニメ!アニメ!

【特別対談】「夜明け告げるルーのうた」大ファンである斉藤壮馬が語る湯浅政明監督の魅力とは?

4月に公開を迎えた『夜は短し歩けよ乙女』に続いて、湯浅政明監督の最新劇場アニメ『夜明け告げるルーのうた』が5月19日に公開となる。カイのクラスメイト役である斉藤壮馬と湯浅監督に、本作について話をうかがった。

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■カイ役の下田翔大が急成長!現場での変化は一緒に演じる醍醐味

――今度はキャラクターについて教えてください。斉藤さんはご自身が担当する国夫にどんな印象を持ちましたか?

斉藤
最初にオーディションの連絡がきた時に、「なんとしてでもやりたいので、絶対にスケジュールを空けてください!」と事務所にお願いしました(笑)。国夫は、いつも主人公の横にいる明るい友人というポジションですが、それでいて町や家族のこともよく考えている面白いキャラクターだなと思いました。国夫が絶対にやってはいけないのは格好つけることだろうと思って、オーディションでは飾らずに「絶対に演じたい!」という気持ちをそのままお芝居に乗せました。子供の頃の僕は、どちらかと言うとカイくんのような内気なタイプでした。しかも、ちょっとよくないカイくんというか、斜に構えた子供だったんですよね(笑)。だから逆に、国夫のようなまっすぐなキャラクターをやらせてもらえるのが嬉しくて、「今の自分が国夫を演じたらどうなるんだろう?」とワクワクしました。


湯浅
へえ、子供の頃は割とひねくれていたんだ。

斉藤
はい(笑)。勉強はする子だったんですが、「先生のおっしゃることは論理的に間違っていますよね?」なんて言ってしまうような、大人からすると面倒な子供だったと思います(笑)。十代半ば特有の悶々とした気持ちが強かったんですよね。でもそんな若かりし時期や、まだまだ新人ですけど、これまで歩んできたキャリアがマッチングして、今回、国夫に巡り会えたのだと思います。

湯浅
斉藤さんもおっしゃいましたが、僕は役者さんにはあまり格好つけないでほしくて、演じている感じ出るのが嫌なんです。斉藤さんにはそういうのがなく、明るく爽やかで、軽く聞こえるのですがどこか少し思慮深い声が国夫にピッタリだと思いました。もしかしたら、どこかひねくれているところが思慮深さに聞こえたのかもしれませんね(笑)。国夫はスタッフの中でも人気が高いんです。遊歩のやんちゃなところも聞いてあげるし、大人たちの意見もきちんと受け入れて、その中で今を気持ちよく生きるためにバランスを取っている。すごく大人でいいヤツだな、と思います。

――アフレコの様子はいかがでしたか?

斉藤
カイ役の下田翔大くん、遊歩役の寿美菜子さんと僕の3人は、一緒に収録を行いました。下田くんは普段は声優の仕事をやっていないので大変だろうなと思いましたが、ディレクションが入るにつれて、どんどん声の演技が上手くなって。「こうしたらもっとよくなるんじゃない?」と言われて、素直に「やってみます」と言えるのは最大の武器だと思いますね。カイと国夫が神社で話すシーンがあるのですが、そこで下田くんが「笑いや息遣いをアドリブで入れてほしい」と言われたんです。でもそのディレクションに、下田くんはいまひとつピンとこなかったようで、音響監督の木村絵理子さんが「壮馬くん、1回やって見せてあげて」とおっしゃったんですよ。そこで、僭越ながら僕がお手本をやらせていただいたんです。するとその直後に下田くんのアドリブが変わって! こういう変化は現場で一緒に演じる醍醐味ですから、すごく楽しかったですね。

湯浅
最初は下田くん一人でアフレコをしていたのですが、お二人と一緒に始めたとたんに変わったんです。やっぱり二人のテンションに引っ張られるんですよね。それまでボソボソとしゃべっていたのが、急にテンション高く大きな声でしゃべるようになって、「前のを録り直さないと……」とは思いましたが(笑)。若い分、吸収力が高くて反応が早い。みるみる間に成長していって、中学生の流れる時間の早さを感じました。

斉藤
気持ちでやるというのは、こういうことなんですよね。ケンカのシーンにしても、僕が出方を探っていたら、下田くんのほうからガツンと叫んできてくれて。「だったら僕も」とガッ!と返すことができました。こういうのはナマの掛け合いじゃないと生まれてこないものですから、一緒にやれて本当に良かったなと思います。

――ルーを演じた谷花音さんの演技はいかがでしたか?

斉藤
先に花音さんが収録を終えていたので、アフレコの時に音声の一部を聞かせていただきました。花音さんのお芝居は別のアニメーション作品でも聞いたことがありましたが、ルーもホントにお上手で。可愛らしさと、ある種の得体の知れなさみたいなところのバランスが絶妙でしたね。

湯浅
ルーはすごく天然で可愛い女の子ではあるんですが、実際には何十年、生きているのかも分からないような生き物です。だからしっかりしすぎてもいけないし、単純になりすぎてもいけない。大人が演じたら、しっかりさは出ても単純さがあざとくなるし、幼い子がやると単純さは出ても思慮深さをコントロールできません。そういうところで、花音さんはうまくバランスを保てる方でした。幼くて弱そうに見えるんだけど、ちゃんとしっかりもしている。長く生きたから出てくる気丈さと、可愛らしさの両方の塩梅がとても良かったです。


――ルーのデザインがすごく可愛いですよね。湯浅監督らしいポップさを持ちながら、今までに見たことがない人魚のビジュアルだと思います。

湯浅
それはねむようこさんのデザインの力が大きいです。何度かやり取りをする中でポツンと、今のルーの原型となる絵が出てきて「ああ、これだな」と思いました。いつもはもっと相談を繰り返すことが多いのですが、今回は「これだ」というルーがきたので、そこからはねむさんのその絵を基本にしてキャラクターが出来上がっていきました。面白いデザインを作ってくれましたね。

(次ページ:湯浅「言うべきことは、言ったほうがいいと思うようになった」)
《奥村ひとみ》
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