朝日新聞社は4月25日、同社が贈る「第21回手塚治虫文化賞」の受賞作・受賞者を発表した。年間のベスト作品に贈る「マンガ大賞」には、くらもちふさこの『花に染む』が選ばれている。「手塚治虫文化賞」は、日本のマンガ文化の発展、向上に大きな役割を果たした手塚治虫氏の業績を記念し、朝日新聞社が1997年に創設した賞である。手塚氏の志を継いで、マンガ文化の健全な発展に寄与することが目的だ。これまでに藤子・F・不二雄の『ドラえもん』ほか浦沢直樹の『MONSTER』、井上雄彦の『バガボンド』、岡崎京子の『ヘルタースケルター』、石川雅之の『もやしもん』、村上もとかの『JIN-仁-』、岩明均の『ヒストリエ』、原泰久の『キングダム』、羽海野チカの『3月のライオン』、あずまきよひこの『よつばと!』などが「マンガ大賞」に輝いている。第21回の選考は俳優の杏、作家の桜庭一樹、マンガ家の里中満智子らが担当。年間のベスト作品に贈る「マンガ大賞」には、弓道を通じて親しくなった宗我部花乃と圓城陽大を中心とする恋愛関係を描いた、くらもちふさこの『花に染む』が選ばれた。また斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者に贈る「新生賞」には、『昭和元禄落語心中』の雲田はるこが選出。落語を巡る愛憎劇に高座の巧みな描写を織り交ぜた清新な表現がその理由となっている。さらに短編、4コマ、1コマなどを対象に作品・作者に贈る「短編賞」には深谷かほるの『夜廻り猫』が選ばれ、マンガ文化の発展に寄与した個人・団体を対象とする「特別賞」は、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』を40年連載し完結を果たした秋本治に贈られた。「第21回手塚治虫文化賞」の贈呈式は5月31日16時より、東京・築地の浜離宮朝日小ホールで開催される。
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