本作は、15歳でプロ棋士となった主人公・桐山零のプロ棋士としての日々、そして橋向かいの三月町に住む3姉妹家族・川本家との交わりを中心に描いたコミック作品『3月のライオン』(羽海野チカ/白泉社)が原作。羽海野チカによって描かれるイラストは、パステルカラーが中心で柔らかい。アニメでもそのタッチは生かされており、高い評価を得ている。
川本家のごはんは基本的に、長女のあかりが作っている。ほぼ毎話美味しそうな晩ご飯が登場するのだが、今回はその中でも登場回数の多い「カレー」に関するものを再現する。
■第1話:豚こまカレー、サラダ
1つめは、第1話の晩ご飯。将棋の練習の帰り、アイスとプリンを買って川本家へ向かった桐山。この日の晩ご飯は、豚こま切れを使ったカレーと、ポテトサラダ。次女・ひなたによって、この日は仏様のご飯もカレーになった。「お母さん、おばあちゃん、今日のカレーは豚こまですよー」と話しかけるひなたに癒される。
まずはポテトサラダを作る。レンジで加熱したじゃがいもの皮をむき、バターを加えてマッシュする。そこに加熱したにんじん、りんごを加え、塩コショウとマヨネーズで味を調えて完成。きゅうりは見受けられなかったので、今回は入れずに作った。
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ゆで卵とレタス、トマトと一緒に盛り付ける。
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続いてカレー。食べやすいサイズに切ったにんじん、玉ねぎ、じゃがいも、豚こま肉を炒め、水を入れて沸騰させ、弱火で20分ほど煮る。あとはカレーのルゥを入れて溶かし、グリーンピース(缶詰のものを使用)を加えれば出来上がり。
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作ってみると分かるが、あかりの普段の料理は、材料がうまいこと使い回されている。このあたりも、いつも妹たちにご飯を作っているからなせる業なのだろう。
■第7話:からあげ&温泉卵カレー
2つめは、第7話の晩ご飯。あかりがいない日に、ひなたが片思いしている高橋勇介が晩ご飯を食べにくることになってしまった。料理慣れしていないにも関わらず、豪華なご飯じゃないと、とごねるひなた。そこで、失敗も少なく豪華に見えるよう考え、あかりが提案した特別カレー。
まずは唐揚げ。鶏モモ肉を酒、しょうゆ、にんにくに漬け込み、片栗粉をまぶして油で揚げる。
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続いて温泉卵。鍋にお湯を沸騰させ火を止め、卵を入れて15分ほど放置する。あとはこれらをカレーにトッピングする。
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カレーの詳細については特に説明がなかったので、今回は1話と同じカレーを使用。唐揚げと温泉卵をプラスしたことで、ボリュームも豪華さもぐっとアップ。中学生男子という食べ盛りの高志も大満足だったのが頷ける。
3月のライオンには、他にも様々な料理が登場するが、どれも普通の家庭で作られたあたたかさを感じる。ものすごく豪華、ということはないけれど、ちゃんと、生活している中での料理であり、相手への思いやりや愛情が込められている。
料理は毎日のことだからこそ、実はこれが一番大事なことのように思う。ぜひこのアニメや漫画を見て、川本家の仲間になったような気持ちで、本作のいろいろな料理にチャレンジしてみてほしい。
【月乃雫】
アニメ、料理ライター 兼 料理研究家。「ダ・ヴィンチニュース」やこの「アニメ!アニメ!」、企業の会報誌などで原稿を書いたり料理をしたりしています。