『ドラえもん』の初代スネ夫役などで著名な声優・肝付兼太(本名:肝付兼正)氏が、2016年10月20日に肺炎のため逝去した。80歳だった。肝付氏は1935年の鹿児島県生まれ。国産アニメの黎明期から声優として活動しており、『オバケのQ太郎』や『パーマン』、『怪物くん』といった藤子不二雄作品の常連としてだけでなく、『元祖天才バカボン』の本官さん役、『ドカベン』の殿馬一人役、『銀河鉄道999』の車掌役、『おそ松くん』のイヤミ役など、長年にわたり数々の有名作に名を連ねてきた。独特の枯れたような甲高い声色で、個性的な脇役に命を吹き込んできた名優として知られている。2012年の第6回声優アワードでは、功労賞を受賞した。代表作として名高い『ドラえもん』では、ナルシストで口達者という嫌味なお坊ちゃんながら、ここ一番では持ち前の器用さで活躍する骨川スネ夫を好演し、1979年から2005年の声優陣一新まで26年にわたって務めあげた。同作での演技は、2005年の第14回日本映画批評家大賞・田山力哉賞ほか、2006年の第11回アニメーション神戸・特別賞、2007年の東京国際アニメフェア・第3回功労賞など、アニメ業界全体で高く評価されている。ジャイアン役を務めていた故・たてかべ和也氏とは公私共に50年以上の付き合いがあったことでも知られており、2015年6月にたてかべ氏が死去した際のスネ夫としての呼び掛けは、弔問客の涙を誘った。『ドラえもん』の降板後も『それいけ!アンパンマン』のホラーマン役ほか、RPG『キングダム ハーツ』シリーズの新作が出るたびに『ピノキオ』のジミニー役として出演するなど、70歳を超えてなお精力的に活動していただけでなく、東京アニメーター学院の声優科講師など、後進の育成にも力を注いでいた。2011年11月より開設したTwitterアカウントでの活動報告も盛んだったが、病気療養前の2015年10月に書き込んだ「演技ワークショップ」の告知が最後のツイートとなった。
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