ゲームシステムを取り入れつつ、オリジナルストーリーが展開されるバトルアニメーションとなっている。その『モンストアニメ』が3月より新章(15話~)に突入、現在30話(7月8日時点)まで配信済みだ。新章では作品全体を刷新。アニメーション制作のスタジオ雲雀とウルトラスーパーピクチャーズ、監督の市川量也、脚本の加藤陽一などはそのままに、それまで作画だったモンスターをフルCGにするなど、より迫力を増したバトルを繰り広げている。
また新章へ移ったタイミングで劇伴をMONACAの神前暁、広川恵一、高橋邦幸が担当。スリリングなバトルシーンをはじめ、幅広い音楽で作品を彩っている。
この度、アニメ!アニメ!では、新たに音楽創作で作品加わったMONACAの3人にインタビューを敢行。本作におけるMONACAチームの役割や作曲時の工夫、そして曲作りにおける考えなどを聞いた。
[取材・構成=細川洋平]
モンストアニメ(アニメ モンスターストライク) 公式サイト http://anime.monster-strike.com/
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■ 「カッコよく、スタイリッシュに」な音楽で
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神前暁(以下、神前)
ウルトラスーパーピクチャーズの平澤(直)プロデューサーからお話をいただいて、というところです。作品は15話から新章になるんですけど、そのタイミングで「作品全体年齢感を上げたい」という意図があったようで。話し合いでも大胆な変化を出したい、とおっしゃっていました。音楽としては「カッコよく、スタイリッシュに」という命題をいただきました。
最初は私に話をいただいていたんです。が、カッコいいものを作ると言えば高橋(邦幸)と広川(恵一)の2人かなと思って声をかけてチームでやっています。
高橋邦幸(以下、高橋)
僕は17話からの参加ですが、「やってもらうかも」と聞いていたので、「ぜひやりたい!」という気持ちでした。
―― 一方、広川さんは新章の最初(15話)から参加していますね。
広川恵一(以下、広川)
はい、僕はMONACAではロック担当みたいな部分もありますから。エレキギターやロックドラムの入った音楽を求められているのだろうと。主にそういうところを担当しました。
―― 3人は楽曲メニューから割り振って担当を決めていくのでしょうか。
神前
こちらからお願いすることもありますし、メニューを見て、やりたい人が手を上げるということもあります。でも3人ともカラーが全然違うので、自ずと担当は決まっていきます。広川はバンドものや打ち込みの尖った音が得意ですし、高橋はTVドラマやバトルもののアニメのような今っぽい尖ったオーケストラ系が得意。そういうものはやっぱり彼らに任せます。僕は残ったところ、隙間を……(笑)。
高橋
いやいや! メインどころですよ(笑)。
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―― 劇伴を作る際、最初にメインテーマや柱になる曲を作ってから作品の雰囲気を作っていくことが多いかと思います。3人の場合はどのように進められたのでしょうか。
神前
ゲームに入っていた曲のアレンジの一曲が実質メインテーマになった感じです。やっぱりみんなが知っているメロディーですし。
高橋
まずはその曲ありきでしたね。最初から存在感もある曲だったので。
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―― ユーザーが親しんでいる曲がある中で、アニメ用に新しく曲を作るにはどのような工夫をしましたか?
高橋
アニメ自体もバトルシーンが多いので、そこはゲームっぽくテンションの下がらない様にすること。それから戦うのは人対人なので、ロボットや兵器をイメージさせるミリタリー系の曲はやめようと意識はしました。やっぱりバトルは気を遣いました。
広川
アニメ本編が1話10分くらい、その中に起承転結があるので日常パートもシーンの切り替えが多いんですよね。だから曲頭からどういう曲か分かるようにコンパクトに展開する必要があります。
神前
本編の使われ方も大胆に気持ちよく切り替わって行く感じだよね。
高橋
そうですね。僕の曲は尺の長いものが多いですが、それぞれの曲の中にいくつも明確な展開を入れて作るようにしました。出来上がったものを観させて頂いて、「よく合わせてくれているなあ!」という気持ちになりました。
神前
さすがといった感じで、セリフの決め所とかうまくポイントで合わせてくださっていますね。