ー18歳までメタルをよく聞いていたとおっしゃっていましたが、好きなアーティストはいますか?
Evan
ヨーロッパのパワーメタル(※1)が好きで「ブラインド・ガーディアン」(※2)とか「ラプソディー・オブ・ファイアー」(※3)とか。それこそシンフォニックパワーメタルですね。あとは北欧のブラックメタルも好きでした。デスヴォイス(※4)なやつとか。『シュヴァルツェスマーケン』の劇伴でも私がデスヴォイスで歌っています(笑)。
※1メタルの1ジャンル ※2 ドイツのパワーメタルバンド ※3 イタリアのパワーメタルバンド
※4 ダミ声やガナリ声
ーEvanさんの楽曲もシンフォニックメタルサウンドが非常に印象的なことが多く、なるほど、と納得しました。PCゲーム版『シュヴァルツェスマーケン』でまさにそのような曲が流れているなと思ったのですが、ゲーム版にも関わられているのでしょうか?
Evan
はい、どちらも担当しています。アニメとゲームはBGMがリンクしているので、ゲームのためだけの曲もいくつかありますが、同じ楽曲が流れることもあると思います。
ー歌モノのボーカルはもちろんEvanさんが?
Evan
はい。中盤にメインテーマのモチーフがあってその上にデスヴォイスを乗せています。
ーデスヴォイスも?
Evan
僕です(笑)。その時、喉を痛めてしまって、しばらく声が「ボォ~~ボォ~、ヴェ~ヴェ~」としか出なくてメチャクチャでした(笑)。
ーこれまでも、水樹奈々さんの『アヴァロンの王冠』や茅原実里さんの『ありがとう、だいすき』のアレンジや、ほかにも作曲などを手がけていますが、こだわりなど教えていただけますか?
Evan
基本はプロデューサーのオーダーに答える、というところですが、いつも出来る限り求められている以上の物を出そうとしています。自分の持っているオリジナリティも入れ込みながら、あまりプロデューサーの希望から離れすぎると良くないので、その範囲以内でストライクが出来たらベストです。例えば水樹さんの『アヴァロンの王冠』では、最初にコンペがあってデモを出したんです。最終的に藤田淳平さんのキャッチーでポップスなメロディーに決まりました。そのうえで「編曲はEvanにデモみたいな感じでやってほしい」と言っていただけました。思いっきりオーケストラ調にしました。
■『シュヴァルツェスマーケン』はどうしてもやりたかった
ー『シュヴァルツェスマーケン』に参加が決まった経緯を教えていただけますか?
Evan
まずオファーが会社に来ました。ロボットアニメにすごく興味があったし「自分の曲調に合ってるんじゃ?!」という思いもあって、どうしてもやりたかったんです。デモと、馬に乗っている写真付きのプロフィールを送りました。
ー馬……?
Evan
いや……(笑)、あまり自分の写真を持ってなくて、どうせだったら目立つものがいいだろうって送っちゃったんです(笑)。そうしたら「いいね!」って思っていただけたみたいで(笑)。
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Evan
そうです。ロボット的なものが出てくるし内容も聞いておもしろいと確信しました。全力でやりたい! と思えるものでした。担当させていただけたのはすごくうれしいです。
ー『マブラヴ』シリーズは今までにもいくつかあると思いますが、『シュヴァルツェスマーケン』のBGMのイメージはどう掴んでいったのでしょうか。
Evan
楽曲制作にかかる前に『マブラヴ』シリーズの全てのサントラをいただいて全曲聴きました。ただ「今まではこんなBGMでしたけど、意識しなくていいです」とは言っていただきました。
ー『シュヴァルツェスマーケン』の楽曲イメージをどうお考えでしょうか。
Evan
『シュヴァルツェスマーケン』は他の『マブラヴ オルタネイティヴ』シリーズ同様とてもダークです。最初の打ち合わせで「シリアスなものを作って欲しい」と言われました。
実は前のサントラ(『マブラヴ オルタネイティヴ』)は岩崎琢さん。実は、僕がすごく影響を受けた方です。彼がやった作品を引き継ぐのはすごく光栄なことだと思いました。岩崎さんが手がけた『るろうに剣心』の音楽を聴いて、感動しました。作曲家を志すきっかけになった方なんです。