継続的な海外展開が重要 TIFFCOMで 海外コンベンションの主催者のクロストーク | アニメ!アニメ!

継続的な海外展開が重要 TIFFCOMで 海外コンベンションの主催者のクロストーク

イベント・レポート

 
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10月20日~22日まで東京・台場のグランパシフィックLE DAIBAにて国際的なマルチコンテンツマーケット『Japan Content Showcase 2015』が開催された。同マーケット内にあるTIFFCOMでは10月20日に『世界に広がるジャパンカルチャーイベントとジャパンコンテンツ戦略』と題されたセミナーが行われた。
「もしもしにっぽん」を主催するアソビシステム代表の中川悠介氏をモデレーターに迎え、JAPAN EXPO(フランス)よりビュ オン・ファブリス氏、HYPER JAPAN(イギリス)の丸茂和博氏、J POP SUMMIT(アメリカ)の吉田猛氏、AFA(ANIME FESTIVAL ASIA)(シンガポール)のショーン・チン氏、それぞれ世界で日本文化を紹介する巨大イベントのオーガナイザーがパネラーとして登壇した。

アソビシステムは『もしもしにっぽん』というイベントを通じて世界各地へ日本のポップカルチャー(ファッション・音楽・アニメ・食など)を発信している。「Kawaii」を掲げ世界に開かれた原宿系の最先端を行くメディアのひとつであることは間違いない。

フランスでのジャパンカルチャーイベントといえば、日本のメディアも大きく報じる世界最大級のイベントJAPAN EXPOだ。2015年で開催は16回を数え、総来場者数は24万人強という。2016年はさらなる拡充を目指し、来場者数25万人超えを目指している。
日本から数多くのアーティストを招き、アニメ、ゲーム、ファッション、食など総合的に紹介。1万5千人を収容できるスペースでのコスプレ大会や弓道などの実演も行っている。

イギリスでは丸茂氏がスタートさせたというHYPER JAPANが夏と冬の2回開催されている。来場者数は合わせておよそ15万人。
長くイギリスに在住している丸茂氏がJAPAN EXPOを訪れた際、母国・日本を紹介するイベントのオーガナイザーがフランス人であったことに衝撃を受けたという。以来、自分でやらねば、という思いと「日本のカルチャーを正確に知らせたい」という強い思いからイベントを企画、現在に至るという。

アメリカはサンフランシスコで開催されているJ POP SUMMITが紹介された。第6回目の2014年まで屋外での完全無料イベントとして行われていたが、来場者の収容が困難となり、2015年からは屋内イベントへと姿を変えた。
オーガナイザーである“ニューピープル”は日本のコンテンツをアメリカへ紹介したり、アメリカのコンテンツを日本へ紹介している会社だ。最近で知られる仕事はブルーボトルコーヒーの日本進出だろう。そのニューピープルがオーガナイズするJ POP SUMMITは屋内イベントへと変容したことで、今後は出展者とアーティストがコラボするためのコンサルティングや、サンフランシスコにあるシリコンバレーのTECH(テクノロジー)カルチャーの盛り上げにも力を入れていくとのことだ。

最後に東南アジアへ日本を紹介するイベント、AFA(ANIME FESTIVAL ASIA)だ。2008年にスタートしたAFAはシンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアの各都市で開催されるフェスティバルとなっている。
東南アジアにおける日本のポップカルチャーをまとめて紹介したい、という思いがこのような複数箇所での開催を実現させた。その名の通り、発端はアニメであったが、今では他のイベント同様、ファッションや食など日本文化の紹介の場となっている。2015年は4月~5月にバンコク(タイ)で7万人が、9月にジャカルタ(インドネシア)で6万人が来場した。12月にはシンガポールでの開催が決まっている。

このように世界各国で日本文化のイベントは行われている。しかし、イベントを開催すれば来場者が大挙して押し寄せるというものではない。
フランスは数十年前に放送された日本のアニメが社会的なインパクトとなっており、もともと日本文化を取り入れやすい風潮にあった。今では「Kawaii」という言葉が日常的に使われているほど浸透している。
だが、イギリスでは日本のアニメへの関心はまだ成熟していないと丸茂氏は語る。アニメイベントとして立ち上げたHYPER JAPA』もアニメだけでは出展数がカバーしきれず、不足要素は「日本の食」で補った。それが好評となり、今ではイベントの主要なひとつになっているという。

アメリカは広大な国土のため、各州で日本文化への関心の寄せ方が全く異なると吉田氏は語る。ニューピープルの本拠地・カリフォルニア州を初めとした西海岸は日本のポップカルチャーを受け容れる土壌にあるとのことだ。
東南アジアで日本のアニメが受けているのは、日本のストーリーにアジア的な遺伝子を含んでいるからではないか、とショーン氏は見解を示した。また、AFAでアンケートによると、「日本が好き」と答えた来場者は100%で、そのうち60%が「定期的に日本のアニメを視聴している」と答えたという。AFAの来場者というところからも好意的な数字になることは予想できるが、飛び抜けて高い数字に「さらなる成長の余地がある」とショーン氏は見ている。

オーガナイザーはどのように日本のコンテンツを発掘しているのか、というテーマには、全員がTIFFCOMといったマーケットを活用していることを挙げた。可能な限りアンテナを張り巡らせていると語った。だが、マーケットに参加していない日本の巨大コンテンツは多数あり、それらは事実上、世界から認知されないままだ。
ファブリス氏はマルチプロモーションの重要性を説き、日本のアーティストに対して「海外進出を一度で終えず、継続的に丹念に海外に出てイベントやライブをやってほしい」とコメントした。
中川氏は日本のコンテンツホルダーに「声がかかるのを待っているのではなく、自分から積極的に世界へ行ってほしいと思います」と呼びかけ、セミナーを締めくくった。

ものの価値は一定のものではない。場所が変われば見え方も変わる。中川氏が述べたように世界へ動けば、思いもよらなかった結果が生まれるかも知れない。日本全体にとっても、自国のコンテンツの価値を再発見するいい機会ともなる。
コンテンツを歓迎するマーケットは世界で開かれている。あとはコンテンツホルダーが踏み出すかどうか、そこだけではないだろう。
[細川洋平]

[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]
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