『報奨金-アレトゥリオン物語』は、デンマークのアニメーション・インスティチューション、The Animation Workshopの学生3名の卒業制作ショートアニメーション『The Reward』から発展した。地元でSun Creature Studioを設立した彼らはKickstarterキャンペーンに参加した。 シリーズ第1話(パイロット)の主役とストーリーを決定するファン投票とクラウドファンディングをし、ベッカー3,920名から142,987米ドル(達成率124%)を集め、『The Reward: Tales of Alethrion - "The First Hero"』を完成させた。フランス出身のプロデューサーも加わり、7名になったSun Creature Studioのクリエイターたちは、架空の国Alethrion(アレトゥリオン)で謎の地図に描かれた宝物を探す荒くれたちの冒険ストーリーやデザインの開発をベッカーらと共におこなう。 現在ベッカーは6,700ほどになり、ネットファンは延べ47,000。7分x10話のウェブシリーズ、コミックブック、ゲームなどへのクラウドファンディング、パブリックファンディングも求めながら、インターネット・ブロードキャスター、テレビ局、出版社からも資金調達したいと、ピッチした。
■ 企画開発を支援する、ヨーロッパの助成制度
北欧の小国デンマークはアニメーションの産業歴は浅いながら、アニメーション製作ではフランス、スペイン、英国、スウェーデンに次ぐ(2010年~14年の期間に劇場公開長編アニメーション19本製作/出典:「Focus on Animation」)。狭い国内市場や業界の枠を軽々と越えて、クリエイターはクラウドファンディングやネットコミュニティとのシナジー、国際共同製作に積極的に乗り出す。 行政側も、若手クリエイターの起業やグローバル展開できるアニメーションのプロジェクト起ち上げを支援する。とりわけ国際共同製作の奨励、ピッチで優良なパートナーを見つけるためのパイロット版や脚本などの開発初期費を助成する。EUのオーディオビジュアル産業支援プログラム「Creative Europe/MEDIA」も国際共同製作と開発初期への助成に力を入れる。