7月18日から26日にかけて「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015」が開催された。最終日の26日にはクロージング・セレモニーが行われ、アニメーション部門の最優秀作品賞には朴美玲監督の『夢かもしれない話』が選ばれた。「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」は2004年にスタートした若手映像クリエイターの登竜門だ。世界に先駆けてDシネマ(デジタルシネマ)にフォーカスした映画祭として知られており、今年で第12回目の開催を迎えた。アニメーション部門の最優秀作品賞に輝いた『夢かもしれない話』は、事故に遭ったおじいさんの走馬灯を描いたノスタルジックな作品である。暗闇で出会ったカエルに導かれ、これまでの人生を次々と遡る様子が描かれている。朴美玲監督は今回の受賞について「とても驚きました。同時に大変嬉しく思っています。本当にありがとうございました」とコメントを発表した。アニメーション部門の審査委員長で東京造形大学特任教授の和田敏克さんは「この10年でのデジタルの普及により、アニメーションは非常に身近な存在となり、世界の映画祭で色々な作品が上映されるようになった」と近年のアニメーションを取り巻く状況について説明した。今回の審査については「ノミネート作品はどれもレベルが高く、どの作品が受賞してもおかしくなかった」と激戦だったことを明かし、「このSKIPシティ国際Dシネマ映画祭から、世界に向けて次の作品を作ってくれるような作家に期待したい」とメッセージを伝えた。なおアニメーション部門の奨励賞は塚原重義監督の『女生徒』と木畠彩矢香監督の『息ができない』、審査員特別賞は水尻自子監督の『幕』が受賞している。そのほか長編部門のグランプリにはエルネスト・ダラナス・セラーノ監督のキューバ映画『ビヘイビア』、短編部門のグランプリには藪下雷太監督の『わたしはアーティスト』が選ばれた。主催者の上田清司埼玉県知事は「県ではこの映画祭で発掘された監督たちをバックアップする様々なプログラムを用意している。SKIPシティから映画界のトップリーダーになるような人材をしっかりと支えていきたい」と今後の意気込みを語った。[高橋克則]
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