米国最大の書籍チェーンのバーンズ&ノーブル(Barnes & Noble)は、同社が運営する全店舗でグラフィックノベルとマンガの販売スペースを従来の2倍に拡充すると発表した。併せて、両ジャンルのプロモーションも強化する。グラフィックノベルは単行本スタイルのアメリカンコミックスで、リーフと呼ばれる雑誌スタイルの冊子が専門店やスタンドで主に販売されるのに対して書店で扱われている。一方、マンガは日本のマンガや日本マンガスタイルの作品だ。大半はグラフィックノベルのかたちで出版されるが、個別のジャンルとして分けられることが多い。今回バーンズ&ノーブルは発表にあたり「グラフィック」と「マンガ」を併記しており、日本のマンガの書棚も大幅に増えそうだ。バーンズ&ノーブルは全米に約650店舗、そしてネットショップを持つ巨大書籍チェーン。2011年のボーダーズ(Borders Group)の経営破綻後は、米国の書店チェーンで一強となっている。その影響力は大きい。スペース拡大についてバーンズ&ノーブルは、グラフィックノベルとマンガの需要増大に対応するためとしている。グラフィックノベルとマンガの売上は過去10年間で大きく伸びており、ここ数年は特に顕著だという。これは出版社のジャンル強化、デジタル配信の進展、イベントでの盛り上がり、映画化による関心の増大、ネットやSNSを通じた話題の広がりによるものだという。バーンズ&ノーブルは両ジャンルの強化として、書棚の増設の他、新刊タイトルの取り扱い拡充、在庫の充実、来店客の目につくディスプレイも実施する。これで従来のファンだけでなく、新たなファンを書店でも獲得する戦略だ。7月にはスペース拡大に合わせたプロモーションイベントを3つ実施する。ひとつは大手レーベルを取り上げる「DC Comics Days」、もうひとつは女性ファンにフォーカスした「Fangirl Friday」、そして最後は日本マンガをテーマにした「Manga Mania」である。ここでも日本マンガ重視が窺える。ポップカルチャー情報の専門誌ICv2によれば、2014年の米国のコミック/マンガ市場は9億3500万ドル(約1120億円)、前年比で7%増加し過去最高である。これは2004年頃に比べておよそ倍になる。一方、日本マンガは2000年代後半より、売上を減らしてきた。しかし、2013年に売上げが反転し、2014年も堅調とみられている。バーンズ&ノーブルの新たな戦略が、北米における日本マンガの転機を示しているのか、今後の動向も注目だ。またバーンズ&ノーブルは売上の好調なマンガ作品として、『進撃の巨人』『NARUTO-ナルト-』『暗殺教室』『フェアリーテイル』『青の祓魔師』『東京喰種トーキョーグール』『ベイマックス』『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』『終わりのセラフ』などを挙げている。[数土直志][/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載記事
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