世界で注目されるプロデューサーが語った“アニメーションの未来” C・メレダンドリ氏がアヌシー映画祭基調講演 | アニメ!アニメ!

世界で注目されるプロデューサーが語った“アニメーションの未来” C・メレダンドリ氏がアヌシー映画祭基調講演

アヌシー映画祭の基調講演(KEYNOTE)を、イルミネーション・エンターテインメントのCEOで創設者であるクリス・メレダンドリ氏が務めた。

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6月15日からフランスで開催されているアヌシー国際アニメーション映画祭は、ヨーロッパだけでなくアジアや北中南米など世界各国からアニメーション製作会社が参加する。見本市の出展はもちろん、作品上映やセミナー、ワークショップなど様々なところでその姿をみかける。
しかし2015年にとりわけ大きな存在感を放っているのは、「怪盗グルー」シリーズでお馴染みのイルミネーション・エンターテインメントである。大作『ミニオンズ』の公開を控えているほか、会場の各所で映画祭を積極的にサポートしている姿が感じられた。

なかでも映画祭のメイン企画の基調講演(KEYNOTE)を、同社のCEOで創設者であるクリス・メレダンドリ氏が務めたのが注目された。メレダンドリ氏は、世界的なアニメーションスタジオをふたつ立ち上げたことで知られている。ひとつは20世紀フォックス時代のブルー・スカイ・スタジオ、「アイス・エイジ」シリーズなどが代表作だ。そしてもうひとつが2007年に自身の会社として設立したイルミネーションである。
絶えることない大ヒットと、常にチャレンジする姿勢。世界のアニメーションビジネスで最も注目されるプロデューサーである。基調講演の会場には、大勢のアニメーション業界関係者が集まった。

基調講演は「アニメーションの未来:FUTURE OF ANIMATION」とタイトルされたが、まず語られたのは自身の経験である。子供の頃からディズニーやスタジオジブリの作品を繰り返し観てきたこと、ロサンゼルスに移り20世紀フォックスに入社、そしてそこでいくつものヒットを得る。
典型的なサクセスストーリーだが、必ずしも順風満帆だったわけでない。時には大赤字をだし誰からも相手にされなくなったこともあるという。
なかでも印象的なのは、常にチャレンジのスピリットを持っていることだ。ブルー・スカイ・スタジオの成功の絶頂期に突然会社を辞め、イルミネーションを設立したのが最たるものであろう。

メレダンドリ氏は、ビジネスマンであると同時に強いクリエイティブを目指している。ここで初めて講演のタイトルにつながる。
アニメーションに未来はどこにあるのか?メレダンドリ氏はこれにふたつ答える。「映画とは映画館を離れても、強く印象に残ることが大切。それは年齢や言語、国を超える」、そして「全ての成功した映画は多くの才能が揃うことが必要である」と。これは過去50年間変わらない真実で、アニメーションの未来もそこにあるのだ。

メレダンドリ氏は講演後のトークセッションでも、「チームで仕事をすること」「優れた才能を集めること」の重要性にたびたび言及した。パートナーを組むマック・ガフがフランスのスタジオであることについては、米国国内の人材獲得はとても競争が激しいがグローバルにはたくさん優れた才能がいることを挙げる。また、成功に理由について聞かれると「私はクリエイティブ豊かな人たちに恵まれた」と話す。
そして最後は、「アイディアこそが映画の本質」と強調し、それを実現するのはどのように良いチームを作るかにかかっていると結んだ。
[数土直志]

[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載記事]
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