ミュージカル「アラジン」無期限ロングラン開幕!自由賛歌でリアルなファンタジー   | アニメ!アニメ!

ミュージカル「アラジン」無期限ロングラン開幕!自由賛歌でリアルなファンタジー  

高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 ■ チケット一般発売日になんと21万枚以上がソールドアウト、日本でもメガヒットの予感

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連載第124回
高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義   
[取材・構成: 高浩美]

■ チケット一般発売日になんと21万枚以上がソールドアウト、日本でもメガヒットの予感

制作発表時から大きな話題を呼んだミュージカル『アラジン』。チケット一般発売日になんと21万枚以上がソールドアウト、現在、2016年5月31日までのチケットが販売中である。ブロードウェイで開幕し、もちろん、メガヒット、そして世界最速での上演である。
タイトル通り、1992年に公開された劇場版長編アニメーション『アラジン』を基に制作されたミュージカルである。脚本はミュージカル『エルフ』で脚光を浴びたチャド・ベグリン。音楽は多くのディズニー作品に関わったアラン・メンケン(作曲)と故ハワード・アッシュマン、ティム・ライス(ともに作詞)による名曲『ホール・ニュー・ワールド』等アニメーションおなじみの楽曲に加え、さらに映画未発表曲とメンケン&ベグリンによる新たな楽曲が追加される。演出・振付は日本でも公演が行われた『モンティ・パイソンのスパマアロット』(振付)『ブック・オブ・モルモン』(共同演出・振付)で一躍売れっ子演出家となったケイシー・ニコロウが担当。装置デザインは『アイーダ』『リトルマーメイド』、そして2012年に『ワンス』でトニー賞最優秀ミュージカル装置デザイン賞に輝いたボブ・クローリー。

このミュージカルのテーマは実に深い。アラジンは好青年だが、貧しさ故に盗みを繰り返す、”負のスパイラル”に陥っている。ジャスミンは王女故に規則と家に縛られて自由がない。ランプの精・ジーニーは陽気な楽天家に見えるが、ランプの持ち主、”ご主人様”には服従しなければならない。現代にも通じる部分がここにある。
アニメもその現代的な設定で大ヒット、ミュージカル版ではアニメよりキャラクター造型や心理描写、それぞれの関係性を一歩踏み込み、丁寧に描く、とのこと。また『アナと雪の女王』の訳詞を手掛けた高橋知伽江がこの『アラジン』の訳詞も手掛ける。日本中のディズニーファンが、ミュージカルファンが、エンターテインメント業界関係者が注目する舞台である。

■ とにかく、ゴージャス、登場人物たちの人間模様や関係性も意外と奥深い。

幕が開く前の心躍るオーバーチュア、期待感120%、幕が上がれば、ディズニーミュージカル最強のエンターテイナー・ジーニーの登場だ。早くも客席から拍手が起こる。幕開きのナンバー『アラビアン・ナイト』だ。ここはアグラバーの様子や登場人物たちの紹介のシーン。スピーディーにテンポ良く、観客は『アラジン』の世界に魅せられる。貧しいが心優しい青年・アラジン。母を亡くし、天涯孤独の身だ。盗みを繰り返すが、盗むものはパンとか小銭が入った財布、といった”小物”ばかり。アニメ版では目がくりくりした猿・アブーが相棒だが、ミュージカル版は同じ年頃の3人の若者が登場する。
誰に対してもはっきりと物を言い、意見もするカシーム、ちょっと怖がり、ロマンを忘れない、ダンスが好きな気のいいオマール、頭の中は食べ物のことでいっぱいの”ぽっちゃり”バブカック。3人もまた貧しいが笑顔だけは忘れない。アラジンの大切な友だ。基本的なストーリーラインは劇場版アニメと同じなのだが、アニメ版にはいないキャラクターを登場させて物語全体に奥行きを与え、テーマを増幅させている。アニメやコミックを舞台化する際、わかりやすくするために登場人物を”整理”したりすることもある。が、ミュージカル『アラジン』はそうではない。また、アラジンの3人の友人は企画段階で考えられたキャラクターだったが、映画版ではカットされており、今回ミュージカル版で”復活”、制作側の主張とこだわりが感じられる。

また、宮殿に住む王女・ジャスミンは現代的で自己主張が強い。結婚したら夫とは”対等”でいたい、国も”2人で”治めたい、家事は2人で協力しあってやりたい、と言い放つ。求婚しに来た王子はあきれ果てて”二度と来るもんか”と捨て台詞を吐いて立ち去るがジャスミンは意に介さない。国王は娘の幸せを願うよい父親ではあるが、娘の考え方についていけない。こういったキャラクター設定がファンに長く支持される所以であろう。
そしてお約束の”Boy Meets Girl"。宮殿を抜け出したジャスミン、市場でひょっこりアラジンと出会う。アニメ版を彷彿とさせる場面とミュージカル版のオリジナルなシーンが上手く混ざり合って、納得。見た目がもう”邪悪”な大臣・ジャファー。アニメ版同様に”腹黒さ”満点だ。アニメ版ではオウムのイアーゴがそばで口うるさくしゃべっていたが、ミュージカル版では人間になっており、時々毒舌を吐く。それなりに”上司”に従い、悪知恵も働かせているが、隙あらばきっと裏切るんだろうな、という”匂い”がなんともいえないアクセントに。王国を手中に収めたいジャファーは魔法のランプを手に入れたいが、ランプは砂漠にある魔法の洞窟の中にあり、自分には入る資格がなかった。該当者を探していたが、それがアラジンであった……。
《高浩美》
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