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林 明美インタビュー‐後編‐「日本アニメ(ーター)見本市」 『そこからの明日。』での挑戦を語る

日本アニメ(ーター)見本市」は、第8弾『そこからの明日』で監督を務めた林明美さん。「アニクリ15」『ナミダの向こう・』に続く演出だ。林明美さんにアニメーター、演出としての考えを伺った。

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――もともとアニメーターということで、絵に手をいれたりはするのでしょうか?


演出をやっていても、レイアウトには手を入れてしまいますね(汗)。とくにTVシリーズだと絵描きさんのレベルがバラバラで画面のコントロールをあるは程度しなければならないですし、作監さんにはキャラクターの修正に専念してもらいたいので。

――レイアウトと言っても、30分アニメだと300カットぐらいはあるわけですが、それ全部ご自身で直すのでしょうか?


場合によってはほぼ全部直します(笑)。レイアウトの取り方というのは個人差がありますし、癖や好みもあるので。私が演出を担当すると背景の役割が大きい事もあり、美術さんの負担を考えると画面を統一するためにはレイアウトでコントロールしないと行けない事が多いです。でもさすがに300カット近くも直すのはキツいっ・・・……(笑)。
TVシリーズである作監さんと組んだときに、終わってから「林さんの仕事つらい」と言われてしまったことがありまして…(汗)「林さんのラフよりいいものを描かないと思うと出せなくなる」と。わたしは演出、ラフを描くときは芝居や表情、間のコントロールなどに重点を置いて、とくにキャラは似せる事はしないのですが、そのやり方でプレッシャーをかけているつもりは全然なかったんです。作監さんが悩んで中々出せなくなってしまったという……。アニメは共同作業なんで役割分担が難しいです。

――今回作画監督に戸田さやかさんを選ばれたのは?

戸田さんはもともとガイナックスの出で、どういう絵を描くのかも知っていましたし、多分こういうテイストの作品は合うだろうな、と。ちょうどタイミングも良かったのでお願いしました。キャラの原案は描きましたけど、設定のフィニッシュやコスチュームは信頼してすべてお任せしました。本人は「表情」にはすごくい気を使いました」と言っていたので、知らず知らずのうちにまたプレッシャーを掛けていたかもしれませんけど(笑)。

――今後どのような作品をつくっていきたいですか?


今回、背景さんと「背景は紙で立体で作ったらおもしろいかもね」と話していたんですけど、この企画は時間的に難しくてできなかったんです。なのでクラフト的なものをセルアニメに合成したりとか、そういったモノも出来たら面白そうです。でもどんなジャンルのものであれ、何度も観たくなるような作品作りをして行きたいです。
あとは、イメージにないものをやってみたいですかね。

――逆に言うとジャンルは何でもやっていきたいという?


ええ、自分が面白そう!と思えればw
でも一番大事なのは“誰と”どんな仕事をするか、だと思っていますケド。

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《animeanime》
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