舞台版「魔王 JUVENILE REMIX」現代社会の様々な問題や疑問を考えさせる良作 | アニメ!アニメ!

舞台版「魔王 JUVENILE REMIX」現代社会の様々な問題や疑問を考えさせる良作

高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義  ■ 「何よりも原作の『精神』、『魂』、『普遍性』を表現しようと試みた、新たな2.5次元への取り組みである」

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高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義  
[取材・構成: 高浩美]

■ 「何よりも原作の『精神』、『魂』、『普遍性』を表現しようと試みた、新たな2.5次元への取り組みである」(鈴木勝秀)

今回舞台化される『魔王 JUVENILE REMIX』(まおう ジュブナイル リミックス)は、2007年から2009年まで『少年サンデー』(小学館)で連載された作品だ。原作は伊坂幸太郎、漫画は大須賀めぐみ、英語版タイトルは『MAOH JUVENILE REMIX』である。
伊坂幸太郎の小説『魔王』を少年漫画向けにアレンジ、さらに同じく伊坂の小説『グラスホッパー』を絡めながら物語は進行する。都心開発計画に揺れる街で、自警団『グラスホッパー』を率いるカリスマ・犬養。その集会で安藤は謎の死を遂げる。その死に疑問を持った弟・潤也。兄の死の真相を知るべく、そして復讐するために特殊能力を武器に勢力を集めて兄への想いを秘めて立ち上がる……。

ところで『少年サンデー』は小学館。ところが『魔王』は講談社、『グラスホッパー』は角川書店から発表されているという珍しいパターンである。しかも他の作品も連想させるキーワード等が登場する。伊坂幸太郎ファンにとっては楽しい作品であろう。
演じるのは*pnish*の面々にD-BOYSの池岡亮介を主演に迎え、その他、味方良介、Ry☆(ギルティ†ハーツ、AiZe)、影山達也、細見大輔、ラサール石井という顔ぶれ。*pnish*は”芝居をやりたい”という情熱をベースに、”同世代の男性だけのユニット”を作るべく結成された。メンバーは佐野大樹、森山栄治、鷲尾昇、土屋裕一である。演劇活動だけでなく、ライブや客演、映像等で幅広く活動している。この*pnish*のリーダー・佐野大樹、ゲスト出演の池岡亮介、ラサール石井からコメントが届いた。

蝉役: 佐野大樹コメント
「原作:伊坂幸太郎 漫画:大須賀めぐみ『魔王 JUVENILE REMIX』この作品に演出 鈴木勝秀さんと共に色々と足掻きなから戦いながら作って来ました。とてもエンタメであり、役者の熱量、想いが舞台上でぶつかっています。2.5次元を超えて、2.75次元くらいになったと僕は感じております(笑)」

安藤潤也役: 池岡亮介コメント
「AiiA 2.5 Theater Tokyoという大きい劇場、且つ*pnish*さんの本公演に主演として出させて頂くこと、非常に光栄です!気合いを入れて安藤潤也を演じます!!作品は今の時代に通ずるところもあるのでそこをしっかり伝えられたらと思います!」

辰美役: ラサール石井コメント
「今回は、通常の漫画やアニメ原作の舞台とは一線を画す、スズカツワールド(スズカツ=脚本・演出:鈴木勝秀)なスタイリッシュな演劇に仕上がっております!最初は戸惑うお客様もおられるかとは思いますが、演出効果、役者の熱量・演技力で気付けばのめり込んでいるかと思いますよ!お楽しみ下さい。」

また、今回の見所について演出の鈴木勝秀は「伊坂氏の小説をリミックスした大須賀氏の漫画を、さらにリミックスすることによってできた舞台版ストーリーと新たに生み出されたキャラクター。そこにリアリティを与えた、俳優という生身の人間によるドラマ。そして、そのドラマに荘厳さ、重厚感を与える、シューベルトの『魔王』を元にしたオリジナル音楽、陰翳を重視した照明、モノトーンを強く意識した衣裳、舞台美術。この作品は、何よりも原作の『精神』、『魂』、『普遍性』を表現しようと試みた、新たな2.5次元への取り組みである」とコメントしている。
リミックスのかけ算、というものであろうか。幾重にも増幅され、世界観を構築し、舞台にのせる。演出の鈴木勝秀は『欲望という名の電車』等の翻訳劇を数多く手掛け、オリジナルでも『MYTH』等幅広く演出活動をしている。どんな世界が繰り広げられるのか期待値は高い。
《高浩美》
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