世界最大級の国際アニメーション映画祭として知られるアヌシーが、今年も6月15日から20日までフランスで開催される。映画祭の華となるコンペティションには日本作品もあり、注目を集めそうだ。 一方、コンペティション以外でも日本作品が話題になりそうだ。そのひとつが細田守監督の最新劇場映画『バケモノの子』である。映画祭は企画「Work in Progress」のなかで『バケモノの子』のメイキングを取り上げる。
「Work in Progress」は、現在制作中の作品を紹介する特集だ。期間中、本作のゼネラルプロデューサーを務める日本テレビの奥田誠治氏が、最新のメイキングを披露する予定である。 細田監督は2007年に『時をかける少女』で、アヌシーにて審査員賞を受賞している。『サマー・ウォーズ』も映画祭に公式出品、『おおかみこどもの雨と雪』も公式上映された。また細田監督の評価はフランスでとりわけ高く、『バケモノの子』は2015年12月23日にフランス公開が決定している。
本来であれば、『バケモノの子』のコンペティション出品を期待したいところだ。しかし、映画の日本公開は7月11日、映画祭は6月中旬と、映画出品にはスケジュール的に厳しいとの判断があったとみられる。 一方で、アヌシーの特集企画は現段階でほとんど発表されていない。映画祭は「Work in Progress」の2プログラム、『バケモノの子』と米国アカデミー賞受賞のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットの新作『The Red Turtle』を先行発表したかたちだ。『バケモノの子』が、今回の映画祭の目玉のひとつとなっていることが分かる。