「攻殻機動隊 ARISE」「進撃の巨人」トーク プロデュースの視点とは?@ゆうばり国際 | アニメ!アニメ!

「攻殻機動隊 ARISE」「進撃の巨人」トーク プロデュースの視点とは?@ゆうばり国際

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で「攻殻機動隊ARISE」と「進撃の巨人」という注目作品におけるCG技術の現状をキーマンが存分に語った。「CGアニメ大航海時代」のひとつだ。

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ゆうばり国際ファンタスティック映画祭では、フルCGアニメの現状を業界のキーパーソンによるプレゼンテーションとメイキング映像で解き明かすセッション「CGアニメ大航海時代」が開催された。3回目の本セッションでは「攻殻機動隊ARISE」と「進撃の巨人」という注目作品におけるCG技術の現状をキーマンが存分に語った。

セッションは、「進撃の巨人」の制作プロダクションであるウィットスタジオの和田社長のプレゼンテーションから始まった。第18話「巨大樹の森」の女型巨人の疾走シーンが、予めCGで動きを検証した上で制作されたことが明かされる。
「大きな物体(巨人)をどうやって立体的に動かすかということを考えまして、今回やらせていただいたのが、まずはCGで立体的な動きを作って、これをアニメータにパスしました。そして、この動きを超えるものを手書きで描いてくれというお願いをしました」

続いて、第25話「壁」でエレンの巨人が覚醒し、女型巨人に襲いかかるパートでのCGの使用例が提示された。
「進撃の巨人の企画開発の段階で、アクションシーンが組み合わさったプロモーション映像を作成しました。そのアクションシーンが組み合わさった映像で何をやったかというと、これまで見てきたようなCGとの連携というものを徹底的にやらせていただきました。進撃の巨人が作品として勝つためには、やはりアクションシーン。そしてそれをCGとの連携によって追求し、たどり着いた場所が、25話のアクションシーンというところになっています」

現在、次回作の仕込みを行っているところで、さらにCGとの連携を深めたアクションシーンを追求していくという。「手描きを残した上でCGをどのように取り込むのか、そこに、ここ2、3年はウィットスタジオとしての勝機があるだろうと思っています」として、プレゼンテーションを締めくくった。

かつての優れたアニメーターのみが可能だった臨場感あふれる動きが、CGによって作成した動きをベースに手描きアニメを作成することで、より容易に短時間で作成することが可能であるならば、CGのアニメーションへの応用は今後ますます増えていくことになるだろう。高度な描画が求められる一方、制作期間はそれに見合って増加しているわけではない。「進撃の巨人は1話あたり4週間から5週間で制作しています。正直、これまでにない厳しいスケジュールでした」と和田。CGの活用は、そうした過酷なスケジュールを乗り切る上で大きな助けとなったという。
《animeanime》

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