舞台「曇天に笑う」オリジナルキャラクターも登場し、物語に奥行きと新しい発見を生み出す | アニメ!アニメ!

舞台「曇天に笑う」オリジナルキャラクターも登場し、物語に奥行きと新しい発見を生み出す

舞台『曇天に笑う』、舞台だけのオリジナルキャラクターも登場し、物語に奥行きと新しい発見と解釈を生み出し、原作の良さを増幅させる。

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(C)唐々煙/マッグガーデン
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連載第107回 
高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義  
[取材・構成: 高浩美]

■ 原作やアニメの物語をなぞるだけのストーリー構成を避け、舞台でしか観ることができない新たな『曇天に笑う』

『曇天に笑う』が舞台化された。2014年のアニメ放映も好評のうちに終了し、2015年の2月に上演される、という早さだ。唐々煙原作、「月刊コミックアヴァルス」(マッグガーデン)2011年3月号~2013年6月号まで連載された。

1878年、明治維新以降のこと。日本国内は士族反乱などで犯罪者が増加した。彼らは監獄に送り込まれるも脱獄は後を絶たなかった。そこで政府は脱獄出来ない「獄門処」を設置、重罪者をここに放り込んだのである。その護送の最終段階となる”橋渡し”を担当するのが湖畔の大津にある「曇神社」の曇三兄弟であった。
この時、空は300年に一度の長期の曇天になっていた。この時に現れて人々に災いをもたらすという「大蛇(オロチ)の器」を求めて右大臣直属の部隊・犲(やまいぬ)が始動することとなった……。

今回の舞台版、アニメ版の構成・脚本を手掛けた高橋悠也(QueenB)がこちらでも脚本を手掛ける。しかも舞台版だけのオリジナルキャラクターを登場させるという。
このオリジナルキャラクターを登場させる意図について高橋悠也は「オリジナルキャラクターについてはいくつかの意図があります。まず、単に原作やアニメの物語をなぞるだけのストーリー構成を避け、舞台でしか観ることができない新たな『曇天に笑う』を描ける点です。次に、様々な立場のキャラクターを登場させることで、『曇天に笑う』の世界を多角的な視点で捉え、物語に深みを与えられる点です。既存のキャラクターはもちろんのこと、オリジナルキャラクターの視点で物語を体験することで、『曇天に笑う』の世界の中で新たな発見と解釈を楽しんで頂けるのではないかと思っています。そして、登場人物たちの対立構造を多元化させることで、物語の疾走感が増し、意外性のある展開を生み出すことができたと思っています」とコメントしている。

原作にもない、アニメ版にもないキャラクターがオリジナルキャラクターにからみ、影響を与えることによって生み出す相乗効果、観客は舞台上にいるオリジナルキャラクターによって今まで気づかなかった側面を知る可能性が生まれる、ということだ。
どう捉えるかは観客次第ではあるが、『曇天に笑う』というコンテンツを多元的に展開、その際に”オリジナルキャラクター”という変化球を繰り出す。そういう工夫によって作品世界に深みをもたらす。こういった試みは大いに歓迎したいところだ。

舞台『曇天に笑う』
(C)唐々煙/マッグガーデン
撮影:清田征剛
《高浩美》
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