AnimeJapan 2015
http://www.anime-japan.jp/
■ AnimeJapan 2014を振り返って、課題はファミリーに来てもらうこと
2014年は目標10万人を掲げて、結果11万人を超える動員を実現、さらにそれだけの動員のなかで大きな事故もなかった。傍から見れば大きな成功だ。
しかし、ふたりの総合プロデューサーからは、反省の声も上がった。主催者としてAnimeJapan 2014をどう見ているのだろうか。また2014年から浮かび上がった課題とは何なのだろうか。
―2014年は非常に来場者も多くて大成功との印象があります。そのなかで良かった点、あるいは改善したい点はありますか?
廣岡
課題は、まずファミリー層の来場者向上です。さきほど、「このイベントは何のためにあるか」という質問の際にもお答え致しましたが、将来を意識するという意味では、家族で来てしっかり楽しめるという所は注力したいと思っています。前回もファミリーゾーンはあったのですが、正直申し上げて大盛況だったとは言えない結果となりました。
「アニメのすべてがここにある」という表題を掲げているなかで、前回来ていただいた親子連れがしっかり楽しめたのかな? という思いがあります。あるいはファミリー向けのコンテンツを中心に出展されている企業の方が有意義に思ってくれたのかな?と考えると、十分じゃなかったと思います。
今回は1ホールの半分のエリアを完全に区切って、入口も専用に設けた形で名称も「ファミリーアニメフェスタ」としました。小学生以下も入場無料と致しましたので、先ほどあった収益の面で言うと、正直、このエリアは完全に赤字なんです(笑)。
―ビジネス的な合理性だけを考えれば成り立たないわけですね。
廣岡
ここでファミリーのお客様にたくさん来て頂き、しっかり楽しんで頂く事が次につながるはずです。このエリアの存在自体前回と大きく違うところです。
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左)廣岡祐次氏、右)池内謙一郎氏
―反省点がまず挙がりましたが、良かった点はどうですか?
池内
良かった点ではビジネスセミナーです。普段はアニメを扱うことの少ない会社の方々に「アニメとコラボするための事例」を紹介するセミナーを用意しました。ビジネス向けとして想定していましたが、思った以上に一般のお客さんが聴講してくれました。
クリエイター体験講座も沢山の方に参加して頂きました。アニメの制作には、作画や脚本、企画の立案などいろいろありますが、それらのプロのクリエイターを招聘しワークショップを開いてもらう企画です。
最初は参加者が集まるか不安もありましたが、どの講座も盛況でした。ワークショップで使用する宿題も設けましたが、それもちゃんと提出してもらい、大きな反響がありました。次回へ持続していけるなと実感しました。
廣岡
後は、就職希望のための相談コーナーがありまして、2日間、希望者に対し様々なプロダクションとメーカーの社員が2対2の面談方式で各1時間半相談に乗るという事をやり、これが予想外に人気ブースになりました(笑)。つまり業界に対して興味を持っている方は非常に多いんだという実感がもてましたね。ただ面接する人間に余りに負担がかかるため、今回は実施致しません(笑)。
―面白いのは、そうした試みと最新作の紹介、華やかなステージとが全部横に並んでいます。
廣岡
それが良いところだと思うんです。いろんなものが3日間に集約されている、これは他のイベントにはない強みだと思います。そして実行委員会では業界の様々な会社が結束していますよね。
これはアニメ業界全体の強みでもありますが、ほかの業種だったらライバル会社、同業他社がこんなに集まってひとつのものをつくりあげることはあまりないと思います。
そうしたことを考えると、みんなが業界に危機感を持っているのかもしれない、あるいはみんなで一緒に盛り上げていこうよ、という前向きな気持ちを持ってつながっている。それはほかにない強みだと思います。前回はそれが結果として来場者の目標10万人を超える11万1250人という数字に繋がったんだと思いますし、結果として多くの方に賛同してもらえたのではないかなと思います。
―各業界に国際見本市はありますが、AnimeJapanほど手づくり感があるのは少ない気がします。
池内
やはり作る人たちの熱がないと出来ないイベントですね。実行委員会各社の担当者の皆さんには感謝しております。
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AnimeJapan 2014の会場の様子