舞台「私のホストちゃん」 お客様の指名でラストやランキングが変わる、だから面白い | アニメ!アニメ!

舞台「私のホストちゃん」 お客様の指名でラストやランキングが変わる、だから面白い

舞台「私のホストちゃん」の第2弾が12月4日から上演している。前回に引き続き松岡充が主役、プロデュースに鈴木おさむと豪華な顔ぶれだ。

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舞台「私のホストちゃん」
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高浩美の
アニメ×ステージ&ミュージカル談義
[取材・構成: 高浩美]

■ お客様の意志によってストーリーや登場人物を操作して一緒に作品を作りあげる、RPG要素を取り入れた舞台は確実に増えていく

昨年好評だった舞台『私のホストちゃん』、今回は第2弾。ストーリーは全く異なるが、ラストの”ホストランキング”は健在。観客が投票し、リアルなランキングに出演者はかなり戦々恐々、その結果でエンドも変わる。また、実際に観客を口説く、といった観客参加型の舞台だった。

バカバカしい、と言ってしまえばそれまでだが、この”虚”と”実”を巧く取り混ぜた企画は演劇としても新鮮。チャレンジャーなスタッフの姿勢は脱帽ものだ。
今年、2014年には、新たに『私のホストちゃんS』と称してモバイルゲーム、そしてドラマ(テレビ朝日)もオンエアーした。今回の舞台は、ストーリーや場所は異なるが、リアルランキングは健在。また貢いだポイントの上位3名のお客様には、なんと”秘密の場所”で”名刺のお渡し””ホストが実際に飲み物を作って2人で乾杯””オリジナル接客””お見送り”という美味し過ぎる特典が用意されている。
プロデュースに鈴木おさむ、脚本・演出は村上大樹、と前回に引き続き続投、主演は松岡充。

昨年の手応えをプロデューサーの吉池ゆづるは「お芝居の客席で『えー!?』『きゃー!』『うわー…』など、まるでバラエティ番組を観覧しているような声が飛び交う光景を初めて目の当たりにし、想像していた以上のお客様のリアクションの大きさに驚きました。それだけお客様1人1人がこの作品に「参加」している意識が強いことだと思いますので、新しい形のライブ・エンタテイメントを提供できたという手応えを感じました」と語る。
ランキングが順々に発表される瞬間の観客とキャストのリアクション、観客にとっては贔屓にして投票した”ホスト”が上位にいけば単純に嬉しいし、せっかく貢いだのに思ったより上位に食い込めなかったり……なかなかに悲喜こもごもな空間で新鮮だった。手法は昨年と変わらないが、ある意味”生きの良さ”がウリの作品。
吉池ゆづるは続けて「今回は歌もダンスもますますパワーアップし、2014年の時事ネタもふんだんに盛り込んだ、年末の公演にふさわしい、エンタテイメント要素満載の仕上がりとなりました。お客様にはお祭り感覚で楽しんでいただけると思います。そしてなんといっても、主演の松岡充さん演じる"華音"と、その日のランキング1位のホストによって飾られる華々しいフィナーレは、必見です!」と太鼓判を押す。

今年も様々なゲームを元にした舞台が多かった。ゲームであることの特性を踏まえ、舞台化する。ダブルエンディングやマルチストーリー分岐等、”ひとつのタイトルにひとつの物語”が当たり前な演劇に風穴を開けた功績は大きい。
そんなゲームの舞台化の可能性については「舞台版『私のホストちゃん』では、原作がお客様が操作するゲームだったこともあり、出来上がった物語を一方的に上演しても、この作品を舞台化する意味がないないと思っていたので、お客様の指名の数と売上によって、フィナーレや配役が変わる、というお客様参加型システムを導入しました。ライブ・エンタテイメントがより重宝され、SNSの普及によって個人がメディアとなって”リアクション”を求めるようになったこれからの時代こそ、お客様がお客様の意志によってストーリーや登場人物を操作して一緒に作品を作りあげる、RPG要素を取り入れた舞台は確実に増えていくと思います。そういう意味で、ゲームの舞台化はもちろん増えていくでしょうし、逆に舞台にゲーム性をもたせる、つまり舞台のゲーム化も増えていくのではないでしょうか」と語ってくれた。

舞台にゲーム性をもたせる、ライブならではの発想ではないだろうか。ライブは一期一会なもの。舞台上でハプニングが起こり、それをアドリブで俳優が場をつなぐ、といったことはよく耳にする。それが観客にとっては面白かったり、”美味しかったり”する。それがライブならではの出来事なのだが、ある意味、そこを逆手にとった発想ではないだろうか。
想定外の”ホスト”が投票で上位に食い込む、逆に”絶対に上位”と思われた”ホスト”がまさかの上位落ち。それが単なるハプニングではなく、観客がそこに参加出来るところに意味があり、面白さではないだろうか。今年の『私のホストちゃん』、どんなどんでん返しが待っているのか、毎回、ドキドキものであろう。
《高 浩美》
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