舞台「私のホストちゃん」 お客様の指名でラストやランキングが変わる、だから面白い 3ページ目 | アニメ!アニメ!

舞台「私のホストちゃん」 お客様の指名でラストやランキングが変わる、だから面白い

舞台「私のホストちゃん」の第2弾が12月4日から上演している。前回に引き続き松岡充が主役、プロデュースに鈴木おさむと豪華な顔ぶれだ。

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■ 恐怖の『グデングデング熱』に『ホスタップ細胞』耳が聞こえないホスト作曲家?
ラストはリアルランキング、1位になれば本気で大喜び!

まず、開演前に出来れば着席しておくことをおすすめする。開演時間きっかりにフレッシュなホスト達の”紹介タイム”、題して”青田買いタイム”。チラシの上の段の”2軍ホスト”たちのアピールタイム。ここでお気に入りをチェックしておきたいところ。
ちょっと自虐的な歌詞で歌って踊る。それからなんと服を脱いで博多のお祭りシーンに。ここから物語が始まる。

華音(松岡充)と士郎(富田翔)が博多にやってくる。かなり”訳あり”でホストになる。博多の繁華街・中洲にあるホストクラブ『ギャラクシー』。主要登場人物が登場し、ホスト勢揃いでオープニング。『私のホストちゃん』のテーマソングが流れて、いかにもド派手な幕開き。もう”お約束”なシーン。
前回もそうだったが、センスがちょっとギラギラの、ちょっとドン引きしそうなどぎつい感が、ホストっぽい。舞台上はホストクラブ、そんなお店に足しげくかよう女性たち。初めての接客が上手くいって、ここで源氏名”華音”をもらう。

全体として、昨年よりミュージカルっぽいシーンが増えてショーアップ、見所が多く、”これでもか”というくらい。
VIP席口説きタイムは各ホストが工夫を凝らし、観客を”ホストの世界”へ。ここは大きなスクリーンいっぱいに映し出されて、恥ずかしさを軽く飛び越えてしまう。画面に”キラキラ”の縁取りで昔の少女漫画チックで笑える。

松岡演じる華音は不治の病に侵されていて余命半年という設定。そんな折、浮動豹(なだぎ武)が蚊に刺される。”蚊”といえば、今年の夏、日本を恐怖に陥れた、あの”デング熱”のパロディ”グデングデング熱”になる浮動豹。その”グデングデング熱”のワクチン開発に成功した天才リケジョ・犬童響子(村岡希美)。天才リケジョといえば、今年、世界を賑わせた、あの細胞の話を思い出す。そんな仕掛けがあちらこちらに散りばめられ、前回の歌舞伎町ホストクラブ『バニラ』の面々もやって来るし、もう、なんでもありな賑やかさ。リ
ケジョ・響子が華音の病を直す薬を作ってくれるかもしれない……というストーリーを軸に、様々なサイドストーリーが絡み合って進行する。

1幕終わりでまさかの『ギャラクシー』大爆発(!)。2幕では、まず、最初に2軍ホストたちのリアルランキング、上位3人発表。初日は3位蓮(塩川渉)、2位彗星(株元英彰)、1位翔(鶏冠井孝介)。リアルに喜ぶ姿が微笑ましい。『ギャラクシー』炎上をチャンスに華音の提案で屋台ホストを営業。なんともたくましいホストたちなのである。
バカバカしく、でたらめな展開に大笑い。バカを真面目にエンターテインメントにする、という心意気、キャスト・スタッフが一丸となって取り組む。
響子がつくる『ホスタップ細胞』(!?)とか、耳が聞こえないホスト、名曲を作曲(もちろん他人の曲)とか、記憶喪失とか、もうなんでもあり、気楽に観た方が面白い。ラストは華音を助けに行こうとホスト仲間が立ち上がる。”誰が真っ先に行くのか”で大もめ。そこで、観客お待ちかねのホストランキング発表タイム!観客の投票でランキングが決まる。
初日の上位3人は3位深雪(染谷俊之)、2位時桜(荒木宏文)、1位夕妃(廣瀬智紀)であった。1位の夕妃はキンキラマントに白いスーツに着替えて大喜び、ホストみんなで歌って踊る。”華音を早く助けにいかないと!”等という野暮な突っ込みはなし。
それから客席を通ってホスト上位10人がはけ、それからなんと赤穂浪士のいでたちで再登場。ホスタップ細胞のレシピを盗んだ訳あり男・草壁を”討伐”に、ここでまたまた”お約束”草壁、吉良上野介の格好で登場、そして刀を振り回して討伐、であるが、ここで怒濤の展開が……禁断のキスシーンがなんと2度も!ここは観客絶叫!客席から「キャ~」「エ~」の連続。この瞬間の1位のホスト役と松岡の熱演は要チェック。

華音の病もホスタップ細胞のおかげで無事に治り、めでたし、めでたし、の予定調和であるが、次回の舞台の”ブリッジ”が……そう、『ギャラクシー』を炎上させた神楽木ユミ(佐藤真弓)がある事実を暴露、驚愕の華音……。甘王(オキャディー)の”次回あるかも”なニュアンスの予告。本当に次回があるのか、ないのかはさだかではないが、続きが観たくなるエンディング。
ホストたちの熱演、徹底的な”おばか展開”で文句なくエンターテインメントな作品。ひょっとしてシリーズ化?まさかの次回も期待してよいかも。

『私のホストちゃん~血闘!福岡中洲編~』
12月5日(金)~12月14日(日)
日本青年館 大ホール
http://www.hostchan.jp
《高 浩美》
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