AA
ヴァンガードが子供に愛される理由はどこにあるのでしょうか?
木谷
ひとつはカードゲームのゲーム性があります。それまであった子供向けのカードゲームとはルールが違うんです。もうひとつは、プレイヤーがよりリアリティを感じられる世界観を作り出したことだと思います。
たとえばカードゲームショップが、作中に初めて登場したのはヴァンガードなんです。
実際に自分たちが行くようなカードゲームショップがアニメの中にも登場する。キャラクターたちのいる世界をより身近に感じるわけですね。
カードゲームショップはお客さんに大会を開いてくれたりとか、インフラ部分をやってくれてるんです。
ずっとカードゲームを育ててくれたショップに対してリスペクトが表現できればと思い、作品の中にショップを登場させたのですが、作品の方も子供たちに愛されるようになりとてもうれしく思っています。
AA
最初はゲームとコミックとテレビアニメの同時で展開して行きました。今回は映画になります。映画はひとつの目標だったと考えてもいいですか。
木谷
目標でしたね。目標でしたけども、映画をやると目標達成感が出ちゃうんです。なので今回の映画は到達点じゃなくて通過点にしなければいけないなと思っています。
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AA
ヴァンガードはいま海外にすごい勢いで出ています。たとえば今回の映画を海外で公開するということは、視野に入っているのでしょうか。
木谷
ぜひやりたいですよね。現時点では具体的な計画はないですけど、やりたいです。ヴァンガードは東南アジア、アジア、アメリカをはじめ海外でも人気がありますからね。
AA
実際どのくらい人気があるのですか?
木谷
言葉で説明するのは非常に難しいですね。カードの出荷ベースで行くと、英語版で14億円ぐらいですね。アメリカだけで、たぶん7億円から8億円分を出荷しています。
海外市場は国内の4分の1ぐらいの規模にはなっているんです。国内分の売上の中には、実は東アジアで売れている分もあります。東アジアでは英語版でなく日本語版のシェアの方が大きいんです。日本語版は、香港とかでも人気があるんですよ。
ヴァンガードの海外市場は、国の数で行くと40ヶ国です。大会をやっている国は、日本語版と英語版含めて18ヵ国から20ヵ国といったところです。
AA
アイチと櫂はとても魅力的なキャラクターなのですが、これは世界共通で魅力的なのですか?
木谷
いや、それはわからないですね。地域によって魅力を感じるところも違うと思うんですよ。
少し話は変わります、地域性というところでおもしろかったのが、2期シリーズのサーキット編で、シンガポールのマーライオン風のモニュメントを登場させたんです。その映像をマレーシアやシンガポールで流したら、「お~っ」となり、大変盛り上がったんです。
やっぱり好きな作品の中で、自分たちの国のことを描いてくれると、みんな楽しいんじゃないですか。今の4期もキャラクターたちが南米とかヨーロッパで活躍したという設定になっています。明確な国にはしてないんですけども、きっと南米やヨーロッパのファンの方に喜んでいただけると思います。
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『劇場版カードファイト!! ヴァンガード』
(C)劇場版ヴァンガード製作委員会