■ 初役・松本のユーリスモール、入団2年目の久保・エーリク、同じく2年目田中・エーリク、とフレッシュな顔ぶれで作品に新しい風を吹き込む翌週の火曜はユーリスモール・松本慎也、エーリク・久保優二。松本は『裏切りは僕の名前を知っている』ミュージカル『黒執事』など、いわゆる“2.5次元”舞台には出演歴がある。久保は入団2年目の新人。松本は佇まいからすでに“ユーリスモール”、内に深い闇を抱えるキャラクターをクールに表現、その憂いが時折感情的に表面化する“温度差”、ここを緩急つけての演技が光る。ラストは清々しく吹っ切れたユーリスモールに。対するエーリク演ずる久保優二は松本よりやや長身で、闊達で素直さが際立つエーリク。幕があいてしばらくは堅さが目立っていたが、後半は確かな芝居で今後が楽しみな俳優、ベテラン松本を相手に臆することなく渡り合っていたのが印象的。松本・ユーリとフェンシングをするシーンは、その闊達さが生きていた。オスカー役は仲原裕之、『銀河英雄伝説』等の外部出演もある気鋭の俳優。時折、ふと翳りを見せつつも、ちょっと頼もしい“兄貴”風で2人を見守る優しい雰囲気、“1歳年上”らしさが出ていた。翌日はエーリク・田中俊裕。こちらも入団2年目である。“活発な普通の少年”といった風情で共感出来る。そんな少年が全寮制といった特殊な環境に入り、戸惑いながらも持ち前の負けん気で周囲と摩擦を起こしながらも少しずつ成長していく様を好演。荒削りなところもあるが、エーリクのキャラクターそのままに成長していく感じが微笑ましい。先のベテラン3人と違って、こちらの2つの組み合わせはフレッシュな印象。千秋楽にはどう変化しているかが楽しみである。配役の組み合わせ、バランスは絶妙で、どのバージョンで観ても“こういうのもあり”と納得出来る。“このキャラクターはこうである”と型にはめず、個々の俳優の微妙な解釈や工夫・個性で、作品世界を幅を持たせて提示。次の『トーマの心臓』はいつになるかわからないが、また違った組み合わせで観たくなる。演出はスタジオライフ創立からほとんどの作品を手掛けている倉田淳。『トーマの心臓』5月24日~6月22日紀伊国屋ホール7月11日~13日梅田芸術劇場シアタードラマシティ/http://www.studio-life.com『トーマの心臓』原作=萩尾望都 小学館文庫 (C)萩尾望都
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