Nはあきれ顔でこう答えた。「でも、フラウ・ボゥも子供三人とお風呂に入っている時に、おっぱいの話題って出てこなかった?」Nに言われて、僕は。第22話「マ・クベ包囲網を破れ!」 の1シーンをすっかり忘れていたことに気づいていた。「ああ、あったね。カツとレツが、キッカとフラウ・ボゥの胸を比べるセリフがある。でも、意外にあのシーン忘れられているんだよね。劇場版に入っていないからなのかなぁ」僕が取り繕うと「子供の世話と、おっぱいがセットになってるのに、どうしてフラウ・ボゥは、おかあさん系モテキャラ路線にならなかったのか? あなたの理論(笑)で説明できる?」とNは追い打ちをかけてくる。ぐぬぬぬ……となりかけた僕だったが、そこはすぐに反論を思い付いた。「いやいや、それは因果関係が逆なんだよ。まず、キャラクターづけが大切。ミライは包容力があるキャラで、その“包容力”がより象徴化して、おっぱい→おかあさんキャラと進化したわけ。それに対して、フラウ・ボゥは子供たちの面倒は見ているけれど、決して“包容力”キャラじゃない。“隣の幼なじみ”属性は、“おふくろさん”属性にはチェンジしない。だからフラウ・ボゥはミライほどにはもてなかったわけよ。しかも、ミライの心を射止めたスレッガーは、母親を亡くしていると言っている。キグナス氷河や神隼人の系譜にもちゃんと載っているよ」 とりあえずややこしくなりそうなので、『機動戦士ガンダム記録全集』に、スレッガーと母親のスナップ写真を描いた安彦良和さんイラストがあり、母親は実は生きているとキャプションがついていることについては、僕は黙っておいた……。「つまり……母を亡くしたイケメン・マザコンと、おっぱい推しのおふくろさんキャラは、コインの裏表みたいなものなのね」
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