■ 対決する宿命、銀河の歴史は容赦なく名将たちを、人々を飲み込んでゆく『銀河英雄伝説』は見せ場が多く、どこが最大の山場なのかというとそれは見る人の感性によるのだが、今回の物語は間違いなく見せ場のひとつであろう。宇宙歴796年、難攻不落のイゼルローン要塞はヤン・ウェンリーの手により無血奪取され、以降、銀河帝国軍に対し、その無敵ぶりを見せつけている。もちろん、帝国軍がそのまま引き下がる訳がない。その攻略方法は「要塞をもって要塞を攻める」という驚くべきものだった。シャフト技術大将が提案したものだが、この作戦の指揮には勇将ケンプ大将、副将にはミュラー大将が任命された。一方の自由惑星同盟軍はイゼルローン要塞のヤン大将を政府の命により本星ハイネセンに還してしまう。果たしてイゼルローン要塞は・・・。ここを「前篇」と「後篇」に分けてのシリーズ完結、河村は「一人一人の想いは それ程すれちがってはいないのに…本当は手を結ぶ事が出来る ヤン と ラインハルトが最終の決戦に向う 前夜の緊迫感を楽しんでください!!」と語れば、間宮は「激突前夜では様々な思惑によって、銀河に大きな変化がもたらされます。それは時として小さな波紋であり、又、大きな嵐です。変化というのは過去の事を思い出させ、未来の事を想像させる、そういうものだと思います。そんな不安定な空のない銀河の空模様を、楽しんで、一喜一憂して観て頂ければ幸いです。」と言う。銀河の歴史のうねりはいやおうなくヤンやラインハルト達を飲み込んでいく。貴水は「素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんと創り出す『銀河英雄伝説』。オーベルシュタインが結局最後に訴えたい事は何なのか、それはこのシリーズ全てを演じ終えた時に感じる事なのだと思います。皆様、この宇宙の旅の果てにあるものを一緒に見つけに行きましょう。最後までオーベルシュタインに正面から挑んでいくつもりです。応援よろしくお願いします。」と締めてくれた。さて、今回の公演、オープニングは通路から同盟軍が登場する。そして自由惑星同盟、銀河帝国、フェザーン自治領の関係性を視覚的に明確に提示。フェザーンのドン、アドリアン・ルビンスキー演じる西岡徳馬は、両国を手玉に取る狡猾さをにじませて好演、河村ヤン、間宮ラインハルト、貴水オーベルシュタインはもはや貫禄の出来映え、安心して観ていられる。いつもながら映像には関心させられているのだが、今回は驚くべきチャレンジをしている。帝国軍の兵隊が侵入するシーンでは、スクリーンに兵隊が侵入する様が映し出され、そのスクリーンが緞帳のごとく上がっていくと、リアルに兵隊に扮した俳優陣がそこにいる。そして戦闘シーンが繰り広げられるのだが、これが見事にシンクロし、違和感なく映像からリアルにすり替わるのである。立体感もあり、作り手側のこだわりが感じられる。戦いのシーンは間違いなく見所ではあるが、心理描写のシーンも見逃せない。ラインハルトは時折、今はなきキルヒアイスを思い出す。幻影のように登場する彼との会話はラインハルトの深い悲しみと孤独感を感じさせて泣けるシーンとなっている。またオーベルシュタインとヒルダの会話はオーベルシュタインの心の奥底が垣間見えて冷徹なだけではない、血の通った一人の人間の想いを感じさせる。制作と俳優が一致団結して「これでもか」と大作に挑んでいるこのシリーズ、カーテンコール後の「Searching for the light」の合唱は出演者の「この作品に参加出来て幸せ」感が全面に出て泣ける。来年の2月の後篇が待ち遠しいが、終わってしまうのも惜しい気がする。『銀河英雄伝説 第四章 前篇 激突前夜 』11月29日~12月2日東京国際フォーラム ホールC/http://www.gineiden.jp/zenya/<ニコニコ生放送 有料配信決定>舞台『銀河英雄伝説 第四章 激突前夜』12月1日(日)昼公演 河村隆一スペシャルコメント付き配信日時: 2013年12月14日(土) 21:00~価格: 1500pt (1pt=1円)/http://live.nicovideo.jp/watch/lv159332397舞台『銀河英雄伝説 第四章 激突前夜』12月1日(日)夜公演 間宮祥太朗スペシャルコメント付き配信日時: 2013年12月21日(土) 21:00~価格: 1500pt (1pt=1円)/http://live.nicovideo.jp/watch/lv159332734
「銀河英雄伝説」“皇帝”ラインハルトの気高さを見よ! 金髪と蒼氷色の瞳、身に纏う衣装… その魅力をスタチューフィギュアで表現 2024.2.18 Sun 18:30 『銀河英雄伝説』がスタチューフィギュア「DIGSTA」に登場。シ…