近年、マンガやアニメによる地域活性化が、注目されることが増えている。その範囲は地域イベントやコラボレーション商品、さらには聖地巡礼と呼ばれる旅行にまで及ぶ。そうしたなかでエンタテイメントコンテンツで存在感の大きなKADOKAWAが、マンガ・アニメがもたらす地域活性化について語った。9月6日午後、京都・みやこめっせ(京都市勧業館)にてビジネスセミナー「京都から世界へ! マンガ・アニメがもたらす地域活性化」が行われた。「京都から世界へ! マンガ・アニメがもたらす地域活性化」と題した基調講演で、KADOKAWA代表取締役専務兼角川書店代表取締役社長の井上伸一郎氏が登壇した。セミナーは9月7日と8日に同じくみやこめっせにて、開催される京都国際マンガ・アニメフェア2013の一環である。京まふは、西日本のマンガ・アニメの産業振興、活性化を目指したものだ。ファン向けのイベントに加えて、コンテンツ事業者と他産業とのマッチングなども行う。京都という地域も、地域活性化という点で意味がある。伝統的な文化資産を持つ観光地である京都が、マンガ・アニメとつながることは大きな意味を持つだろう。井上伸一郎氏の話は、まず聖地巡礼の市場規模の概要から話が進められた。まず、同社とも縁が深い、アニメの関連するアニメの聖地巡礼を見通す。井上氏によれば、その市場は100億円規模に成長している。それでもまだまだ発展途上にあるとし、今後の拡大を見込めるという。KADOKAWAでの最新事例として、『氷菓』が挙げられた。『氷菓』は原作ではモデルになったのが、岐阜県高山市であることが細かく書かれてはいない。しかし、アニメ化に際しては、舞台背景をより緻密に描いた。この結果、地元で開催される飛騨生きびな祭には2500人が訪れた。祭りの訪問客は例年4、500人で、多くても800人程度である。しかし、平日で雨にも関わらず2500人が足を運んだ。『氷菓』による集客効果が表れた。十六銀行の発表では、『氷菓』の波及効果は21億円と試算されている。聖地巡礼で共通しているのは、これまでは観光地ではなかった地域が成功しているという点である。もともとが観光地だと発想が固定化しやすいという面もある。しかし、アニメで描かれた風景の中に身を置くことで追体験したいという観点から、既に意味を付加された風景よりも価値を持つということでもある。そして継続的にさらなる話題性を投下すること、参加者が自分で作り上げることを促すことも大切だと井上氏は力説する。日常と非日常を混在させ、その風景を読み替えることが聖地巡礼であるという。いかにそのコンテンツのなかに、ユーザーを参加させるかといった拡張現実としての作品のあり方が問われてくるとした。[真狩祐志]京都国際マンガ・アニメフェア2013/http://www.kyomaf.jp/
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