日本の劇画作家がテーマ アジアの巨匠が生み出した映画「TATSUMI」 エリック・クー監督インタビュー | アニメ!アニメ!

日本の劇画作家がテーマ アジアの巨匠が生み出した映画「TATSUMI」 エリック・クー監督インタビュー

インタビュー

エリック・クー監督
  • エリック・クー監督
[2011年掲載記事の再掲です。]

日本の劇画の父、辰巳ヨシヒロの半生が描かれた「劇画漂流」、そして同氏の短編作品群が長編映画にまとめられた。エリック・クー監督による『TATSUMI』である。本作は辰巳の半生を原作そのままのタッチのアニメーションで描く異色作である。
『TATSUMI』は、カンヌ国際映画祭ある視点部門公式出品、東京国際映画祭公式出品、さらにドバイ国際映画祭優秀賞受賞と国際的に高い評価を受ける。辰巳ヨシヒロ自身の原作「劇画漂流」のへの評価もあり、現在、最も注目されるアニメーション映画のひとつだ。
シンガポールを代表する監督が、日本の劇画作家をテーマ選んだのは作品に対する深い愛情である。エリック監督が、映画『TATSUMI』と原作について語る。
[取材・構成:数土直志]

(エリック・クー)
1965年、シンガポール生まれ。映画製作会社Zhao Wei Films主宰。オーストラリアのシティアートイン スティテュートで映画製作を学び、兵役を終えてからTVCM製作の仕事のかたわら、短編映画製作を 開始。
95年の長編処女作『Mee Pok Man』がヴェネチア国際映画祭とベルリン国際映画祭で上映され、 08年『My Magic』ではインド人父子家族の普遍的な愛を描き、第61回カンヌ映画祭最高賞パルムドー ルに初ノミネートされる。

■ TATSUMI作品との出会いと映画化の決意

-- アニメアニメ(以下AA)
本作のテーマともなっている劇画作家である辰巳ヨシヒロさんの作品の出会いについて教えてください。
監督は、20年以上前に作品出会われたそうですが、当時、作品はそれほどポピュラーでなかったと思います。

-- エリック・クー監督(以下クー)
私はもともとコミックを雑誌や新聞に描いていました。その時に出版社が、私にグラフイックノベル(単行本形式のコミック)を描いてみないかと持ちかけてきたのです。ところがそれは100ページ以上の量で、3か月後にあるブックフェアまでに全部仕上げるというものです。
当時私はアメリカンコミックスをたくさん読んで、それに影響を受けていました。その時に、友だちから辰巳先生の短編集を貰いました。いまから25年も前になります。
私はいまでもその作品を覚えています。その本はカタラン社から発売されていました。10作品がまとめられており、私は何度もそれを読みました。特に「グッドバイ」と「男一発」に強い衝撃を受けました。そこから影響を受けて新しいアイディアが思い浮かびました。
そのおかげで、3ヶ月しかなかった出版社のオーダーを2ヶ月で完成することが出来ました。

-- AA その時の印象はどのようなものだったのでしょうか?

-- クー
辰巳の作品は、非常にインパクトがあり、オリジナルで、これまでに見たことのないものです。それはアメリカンコミックスのなかでは決して出会えないものです。
私はその後、短編映画や長編映画を撮るようになりましたが、いつでも辰巳先生のストーリーが念頭にあるのです。

-- AA そこから映画化につながったのですね。

-- クー
何度も短編集を読んでいましたが、その後、辰巳先生が自叙伝の『劇画漂流』を書かれました。それを読み、そこで先生の人生を知り、辰巳先生をトリビュートする映画を作りたいと強く思うようになったのです。

《animeanime》
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