毎年夏に米国で開催される日本アニメ・マンガの大型イベント アニメエキスポが、今年も7月4日から7日までロサンゼルス・コンベンションセンターで開催されている。毎年のイベントの目玉のひとつが、日本からの豪華なゲスト陣となっている。2013年は、その中に異色のゲストが招かれた。ピーエーワークスの菊池宣広専務である。華やかなアーティストや声優、監督やアニメーターが多い中で、アニメ製作の裏側で活躍する人物だ。7月5日には、菊池氏をメインゲストに招いたパネルが開催され、P.A.WORKSの会社やその代表作などが紹介された。パネルはまず、同社の作品のPV紹介からスタートした。『花咲くいろは』や『true tears』、『CANAAN』、『TARITARI』といった同社らしいライナップ、『Another』などもある。「レイトン教授」シリーズは参加者にやや意外な印象を与えた様子だ。また、『Angel Beats!』では歓声が沸き、同作の根強い人気を感じさせた。しかし、P.A.WORKSの近年の作品を特徴づけるのは、アニメとその作品の舞台となった地域との連動であろう。実際に存在する地域を登場させることで作品にリアリティを与え、さらにそれが地域の活性化につながる。所謂、聖地巡礼的な動きである。菊池氏は作品のプロデュースに加えて、こうした作品舞台のコーディネートに大きな役割を果たしてきた。そこで続くトークでは、作品と地域とのつながりが中心となった。ここではまず日本地図がスクリーンに掲げられた。地図では東京とピーエーワークスの本社のある富山の位置関係、富山の土地柄を紹介する。ピーエーワークスの作品の舞台に富山県や石川県が多いのは、取材が楽だからとも話す。しかし、それが結果的に、地域活性化につながっていったわけだ。地方に本社があるという地域活動が、さらに地域振興に実際に変化していったことが興味深い話である。トークのハイライトとなったのは、『花咲くいろは』だった。こちらは作品のロケ地となった湯涌温泉が、作中の湯乃鷺温泉街で行った架空の行事“ぼんぼり祭り”を再現して、実際の祭りになった例が紹介された。現実をアニメに移し替えるのでなく、アニメから現実を変える逆方向の面白い例だ。聖地巡礼(ピーエーワークスでは舞台探訪と呼ぶ)は、米国では一部の人が言葉として知っている程度だ。しかし、その構造はあまり知られていない。今回は、現地の人がそうしたことを直接知るよい機会になったに違いない。最後の菊池氏が『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』の米国発売決定を伝えて、パネルは幕を閉じた。[数土直志]アニメエキスポ(AnimeExpo)2013/http://www.anime-expo.org/
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