3月19日、東京都内の明治記念館で、デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'12/第18回AMDアワード年間コンテンツ賞の授賞式が開催された。会場ではすでに発表されていた優秀賞10作品の中からグランプリにあたる大賞/総務大臣賞、そしてAMD理事長賞も発表された。大賞には劇場アニメ『おおかみこどもの雨と雪』が、AMD理事長賞には電子書籍用ファイル・フォーマット規格である「EPUB 3」が選ばれた。デジタル関連の広い分野をカバーするAMDアワードらしい対照的な受賞である。『おおかみこどもの雨と雪』は、「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会/スタジオ地図による長編劇場アニメである。審査委員会は本作の選考理由として、長らくアニメ映画で国民的に受容されるのはスタジオジブリ作品のみと言われてきたが、本作が興行面でもクオリティでも、そうした見方を覆したとしている。また映像表現でも、非現実的で荒唐無稽な表現もリアルな光景とした、自然の風景や家の中の細部など細密に描かれる部分と見事に融合したと高く評価する。受賞者として挨拶に立った細田守監督は、「作品を通してアニメーションの可能性を考えた」と話した。そうした思いは大賞で広く評価されたかたちだ。さらに監督は「世界の人の心に届くような作品をこれからも考えていきたい」と、アニメーション映画における普遍性を目指していく。AMDアワードと細田監督は、相性がいいようだ。細田作品は第12回でも『時をかける少女』で大賞/総務大臣賞、そして細田守監督がBest Directorを受賞している。さらに第15回では『サマーウォーズ』が優秀賞に輝いた。AMDアワードはアニメーションや映画、映像作品だけでなく、デジタル分野を広く対象にしていることを考えれば驚くべきことだろう。AMD理事長賞の「EPUB 3」は、国際的な標準規格に日本と台湾でしか用いられない縦書き対応の実現が大きな評価を受けた。このほかアニメ関連では、アニメーションによるPVの制作で話題を呼んだメルセデス・ベンツ「NEXT A-CLASS」キャンペーン」が優秀賞に選ばれている。また、推薦作品には、アニメとして『AKB0048』、『中二病でも恋がしたい!』、『PES:Peace Eco Smile』、映画として『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』、『009 RE:CYBORG』、『TIGER & BUNNY -The Beginning-』、『魔法少女まどか☆まぎか』、『ONE PIECE FILM Z』が挙げられている。さらにネットワークコンテンツでもdマーケット アニメストアがあった。AMDアワードは、一般社団法人デジタルメディア協会がデジタルメディア業界の発展を目指し、優秀なデジタル・コンテンツなどの制作者を表彰するものだ。今年で18回目を迎えた。AMDアワード /http://www.amd.or.jp/award/
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