10月31日、東京・都内で今年11月に予定されている「海外マンガフェスタ」の記者会見が開催された。会見には、イベントの実行委員長であるフレデリック・トゥルマンドさん、事務局長の森永祐一郎さん、それにイベントのアーティストアレイに参加する谷沢直さん、ソニア・ジャジェさんのふたりも登壇した。「海外マンガフェスタ」といっても、馴染みの薄いイベントかもしれない。イベントは今回初めて開催されるものだからだ。ヨーロッパや東アジア、北米など海外のマンガ、コミックス、バンドデシネ(BD)と呼ばれるような世界の作品を一堂に集めるものだ。会場は2012年11月18日に、東京ビッグサイトで開催されるCOMITIAの一角(西棟アトリウム)を使う。COMITIAの入場料を払えば、誰でも入場可能だ。イベントの大きな目的は、海外の優れた作品の紹介である。パリの大学の日本語学科を卒業したフレデリックさんは開催の動機について、自分の好きなBDは日本ではなかなか出版が出来ないため、いかに紹介すればいいか考えた結果だと説明する。フランス・パリには日本の文化を紹介することで成功したジャパンエキスポがある。それとは逆に日本で海外作品を紹介するイベントをやることで認知度もあがるのでないかと話す。実際に今回はフランスとベルギーの4大BD出版社、米国からはマーベルが参加する。また、小学館集英社プロダクションのような海外作品翻訳をする出版社などの関連企業も多彩だ。日本のマンガは80年代のアニメの広がりをもとに、フランスに比較的容易に入っていけた。しかし、その逆はきっかけがなく、ゼロから作らなければいけないと、フレデリックさんはイベントの意義について語った。フレデリックさんは、普段は大使館の別分野の職員であるという。その一方で、BD出版を自ら始め、いまはイベントも運営する。自国、そして日本、海外の文化を深く愛している様子が感じられた。気になるイベントの内容だが、幾つかのパートに分かれる。一番話題を呼びそうなのは、国内外の大物作家によるトークだろう。トークは2部構成、第1部は大友克洋さんと『ムチャチョ』などで知られるフランスの作家エマニュエル・ルパージュ、第2部は浦沢直樹さんと傑作『闇の国々』のブノワ・ペータースさん、フランソワ・スクイテンさんがゲストになる。さらに第1部は未発表だが、同様の海外の大物作家が出演するとのことだ。かなり貴重なものになるのは間違いない。会場には日本と海外の企業・団体による出展、ワークショップのコーナー、原画展、などが設けられる。米国最大のコミック出版社マーベルが出張出展をし、作品持ち込みを受け付けるのも面白い。さらにアーティストアレイには国内外の作家が作品を並べる。こちらはすでに商業的な活躍をしている人が中心だ。会見のゲストの谷沢直さんとソニア・ジャジェさんもここに参加する。谷沢さんは国境を超えて制作した合作作品、ソニアさんはフランスで発表している日本マンガスタイルの作品を販売する予定だ。海外マンガフェスタの内容は、今後公式サイトなどでも発表される。海外マンガフェスタFOREIGN COMIC FESTA/http://kaigaimangafesta.com/ 会場: 東京ビッグサイト西棟アトリウム日時: 2012年11月18日(日) 11時〜16時入場料: COMITIA入場料(ティアズマガジン1冊1000円/1名)
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