原口智生が明かした「マイティジャック」MJ号の修復秘話 特撮博物館  | アニメ!アニメ!

原口智生が明かした「マイティジャック」MJ号の修復秘話 特撮博物館 

「館長 庵野秀明 特撮博物館」(10月8日まで)で、9月29日、展覧会の展示コーディネート・修復師をつとめている原口智生さんによる円谷特撮作品セレクション上映会が開催された。

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東京都現代博物館で好評開催中の「館長 庵野秀明 特撮博物館」(10月8日まで)で、9月29日、展覧会の展示コーディネート・修復師をつとめている原口智生さんによる円谷特撮作品セレクション上映会が開催された。「特撮博物館」は24日に来場者20万人を突破したばかりで、当日も幅広い年代の観客が集まった。
原田さんは、庵野秀明館長と同じく1960年生まれでミニチュア特撮の魅力に触れながら育った世代だ。現在は、特殊メイクアップ・アーティスト、造型師という肩書きのほか、『ウルトラマンメビウス』や『デスカッパ』等を監督している。

イベントでは、原田さんが「それぞれにミニチュアの魅力が醸し出されている」という3作品、『ウルトラセブン』第13話「V3 から来た男」、『怪奇大作戦』第3話「白い顔」、『戦え!マイティジャック』第12話「マイティ号を取り返せ!!(前編)」が上映された。

『マイティジャック』について原田さんは、「生きている内にMJ 号を修復したいと庵野さんが熱望していたこと、特撮の技術、ミニチュアを文化として残したいと思ったことが、この博物館を企画した大きなきっかけ」と明かす。全長約3メートルのミニチュア「MJ号」の修復にあたっては「当時の技術と同じ方法で修復したいと思いまして…。やはり修復は最初から最後まで全部が難しかった」と作業を振り返った。
原田さんは、実は今回の企画が決まる前から、独自に修復作業を進めていた。2011年3月11日の東日本大震災で、借りていた千葉の工場が全壊したが、偶然にも、MJ 号は東京へ移動させており、損壊を免れた。「震災後、多くの方もそうだったと思いますが、色々なことから僕自身、精神的に追い込まれていて……。そんな時、庵野秀明さんからこの企画の話をもらったんです。MJ 号が残っていたということが奇跡的ですし、気持ちがそれに向かっていけた」。

庵野館長からは「修復師」という肩書きをもらい、展示コーディネートにも携わった原口さん。展示にあたっては、「できるだけケースに入れない。近くに寄って見られる。それから子ども達にとっても見やすくなるように、展示の高さを低くする」ことが庵野館長の考えだったという。「昭和の特撮を知らない子供でも楽しく見られるようにしたい。本当は、子供達には触れてもらいたいくらいの気持ち。壊されたりは困るんですけど、特撮・ミニチュアなんかに触れたことがない人に、新たに観てもらって楽しんでもらえるといいなと願っている」と原田さんは想いを語った。

他の上映作品についても、『怪奇大作戦』は、「親子の悲しい物語で、ストーリーも面白いですし、演出が本当に洒落ている。自分が特殊メイクを仕事にしているということもあるんですが、ラストの特殊メイクはぜひ観て欲しいですね。それから、何より(映像業界の)先輩方の気概を感じるし、素晴らしい仕事が集約されている作品」と絶賛。『ウルトラセブン』についても、現代でも通じる良質のストーリー展開に触れ、ミニチュアの話にとどまらない特撮作品の素晴らしさを熱く語るイベントとなった。

最後に「展示したものを通して、魅力があるものなんだなと心の中に残せるものなら、本当によかったと思います。僕のこれからの作品にもミニチュア特撮の良さを入れていきたい。展示会を作るために力を貸してくれた人、多くの観に来て下さった方たちに感謝しています」と、原田さんはトークを締めくくった。
[多摩永遠]

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