アニメーション制作での劇場公開用長編と放送番組の違い ヨーロッパのアニメーション動向 PART2  by 伊藤裕美 | アニメ!アニメ!

アニメーション制作での劇場公開用長編と放送番組の違い ヨーロッパのアニメーション動向 PART2  by 伊藤裕美

■ アニメーション制作における、劇場公開用長編と放送番組の違い.長編アニメーション映画への流れはフランスに限ったことではない。ヨーロッパの長編アニメーション映画の国際共同製作フォーラムCartoon Movieは今年3月で14回目を迎えた。

連載・コラム 海外事情
国際アニメーション・フェスティバル「アヌシー2012」で見たヨーロッパのアニメーション動向 
第1部 PART2


取材・文: 伊藤裕美(オフィスH)

■ アニメーション制作における、劇場公開用長編と放送番組の違い

長編アニメーション映画への流れはフランスに限ったことではない。ヨーロッパの長編アニメーション映画の国際共同製作フォーラム「Cartoon Movie(カートゥーン・ムービー)」(http://www.cartoon-media.be/MOVIE/)は今年3月で14回目を迎えた。ヨーロッパを中心に34カ国から700名を超すプロデューサー、ディストリビューター、バイヤー、インヴェスターが集まり、2日間の集中ピッチには18カ国から、完成作品、制作中、企画開発中、コンセプトの4カテゴリーに計55の新プロジェクトが提案された。加えて、資金調達、共同製作のセットアップや国際セールスが議論された。

長編は資金調達のメカニズムが放送番組と異なると、多くのプロデューサーが言う。長編は技術的にも美術表現的にも最先端で高度なものが求められ、制作費が高額化する。テレビシリーズと劇場公開作でフランス国内のみならず国外でも数多くをヒットさせ、ヨーロッパを代表するアニメーション制作会社となったLes Armateurs(http://www.lesarmateurs.com/)の創立者でプロデューサーのディディエ・ブリュナーは、「テレビシリーズと比べて長編は10倍の制作費が必要」とする(écrantotal 12年6月5日号)。

放送番組では最大の出資者は放送局だが、劇場公開の長編では、放送局の比率が大きく減少する。放送局は自社の番組編成方針に沿い、最大の視聴者である子ども向けのストーリーを求め、長編の放送時間そのものが少ない。
年間60万~100万ユーロをアニメーション映画に投じるCANAL+のフランス映画購買マネージャー、サラ・ヴィクラーによると、「セグメンテーションが出資決定に影響を与える」。アニメーションは“若いプロパティ”として、「ファミリー向けエンタテインメントとして購入するか、作家主義映画への制作支援エンジェルか、ブランドイメージ作りにするか」などセグメントし、放送枠に適う映画を購入する。
放送局分を埋めるのが配給のMG(分配金の最低保証金)だ。海外資金は比率が増し、不可欠となる。近年の調達傾向は、完成後の権利販売ではなく、企画開発・制作段階でのプリセールス、さらに国際共同製作が重視される。

ヨーロッパのアニメーション動向 PART1 放送番組から劇場公開長編への流れ
/http://animeanime.jp/article/2012/07/31/10972.html

[伊藤裕美]
オフィスH(あっしゅ)代表。
外資系ソフトウェア会社等の広報宣伝コーディネータや、旧エイリアス・ウェーブフロントのアジアパシフィック・フィールド・オペレーションズ地区マーケティングコミュニケーションズ・マネージャを経て1999年独立。海外スタジオ等のビジネスコーディネーション、メディア事情の紹介をおこなう。EU圏のフィルムスクールや独立系スタジオ等と独自の人脈を持ち、ヨーロッパやカナダのショートフィルム/アニメーションの配給・権利管理をおこなう。
/http://blogs.yahoo.co.jp/hiromi_ito2002jp
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