多くのファンを魅了してきたアニメーター・イラストレーターの荒木伸吾さんが、12月1日、急性循環不全にて逝去した。72歳だった。 荒木さんは1960年代より2000年代まで、長年にわたり日本アニメを支えてきた国内を代表するアニメーターである。華麗なキャラクターデザインや作画が特徴で、『キューティーハニー』や『ベルサイユのばら』、『聖闘士星矢』などの代表作がある。名アニメーターの突然の逝去を、多くのファンとアニメ関係者が悼んでいる。 荒木伸吾さんは1939年名古屋市生まれ。手塚治虫さんの『ジャングル大帝』と出会ったことをきっかけにマンガ家を目指し、マンガ家からキャリアをスタートさせた。その後、虫プロに入社、同社の『ジャングル大帝』で初めてアニメーターの仕事を手掛けた。虫プロ退社後も、数多くのアニメ制作に参加する。 初のキャラクターデザインは1973年の『バビル2世』。その後も、『キューティーハニー』、『魔女っ子メグちゃん』、『UFOロボ グレンダイザー』、『惑星ロボ ダンガードA』、『ベルサイユのばら』などを次々と手掛けた。華のあるキャラクターデザイン、作画に定評があり、国内外で人気を集めた。なかでも1986年にスタートした『聖闘士星矢』では、そうした才能が存分に発揮された。 また、2011年の東京アニメアワードでは功労賞を受賞。今年10月の授賞式では、アニメに対する熱い思いを語っていた。 荒木さんの人気は日本にとどまらない。世界的な大ヒット作となった『聖闘士星矢』や『UFOロボ グレンダイザー』などのキャラクターデザインを通じて、世界各国に大勢のファンを持っている。 とりわけフランスで人気が高く、これらの作品に加え日仏合作の『宇宙伝説 ユリシーズ31』でも同国ではよく知られている。近年もフランスで仕事をする機会が多く、日本と海外のアニメを結びつけるうえでも大きな役割を果たした。
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