アニメーション作家大藤信郎の企画展 近美フィルムセンターで
東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターは、6月29日か9月9日まで、アニメーション作家大藤信郎氏の特集企画展「アニメーションの先駆者 大藤信郎 伝説の動画作家-国産アート・アニメーションの源流に迫る」を開催する。
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大藤信郎の名前は、日本で最も古いアニメーション賞として知られる毎日映画コンクール・アニメーション部門大藤信郎賞にてよく知られている。しかし、その作品や業績を知らない人も多いかも知れない。今回は新たに大藤信郎を知る機会にもなるだろう。
大藤信郎氏は1900年、東京生まれ。日本のアニメーションの開拓者である幸内純一氏に従い、その後独立した。1926年に江戸千代紙を素材にした『馬具田城の盗賊』を発表、その後、影絵アニメーション『鯨』などアニメーション表現の拡大に挑戦する。
1952年『くじら』はカンヌ映画祭に出品、1956年の『幽霊船』はヴェネチア国際映画祭で入賞するなど、特に海外からの評価が高い。国際的に活躍する日本のアニメーション作家の先駆者の一人である。
今回の企画展は、大藤信郎氏の創作活動を支援してきた姉の八重氏が1970年にフィルムセンターに寄贈した資料から構成される。これらの資料が一般公開されるのは、今回が初めてだ。展覧会では作品資料のほかに、機材や道具、切り紙によるグラフィック作品、書簡なども展示する。
さらに、未完に終わった長編作品『竹取物語』の一部を残されたセル画から動画化し、会場で公開する。作品の監修は、アニメーション作家山村浩二氏が行った。歴史の残る作家と現代の作家によるコラボレーションが見所になるだろう。
開催期間のうち8月20日から9月5日までは、週末の金、土、日曜限定で関連企画として「アニメーションの先駆者 大藤信郎」の上映も行う。
さらにギャラリートークも予定する。7月3日がアニメーション研究家おかだえみこ氏による「アニメーション史における大藤信郎―大藤宅訪問の回想を交えて」、7月24日はアニメーション史研究家津堅信之氏の「資料が語る大藤信郎の足跡―展示品解説を中心に」、8月28日は山村浩二氏による「よみがえる『竹取物語』―大藤信郎のセルを動画化して」である。津堅信之氏は企画展の企画協力もしている。
アニメーションの先駆者 大藤信郎
伝説の動画作家-国産アート・アニメーションの源流に迫る
/http://www.momat.go.jp/
会場: 東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室
日時: 2010年6月29日~9月9日 11時-6時半
(月曜日休み)
主催: 東京国立近代美術館フィルムセンター
企画協力: 津堅信之(京都精華大学准教授、アニメーション史研究家)