「構成・音響・編集に配慮を」 第5回吉祥寺アニメーション映画祭 | アニメ!アニメ!

「構成・音響・編集に配慮を」 第5回吉祥寺アニメーション映画祭

10月12日、第5回吉祥寺アニメーション映画祭の受賞作品が決定した。会場の武蔵野商工会館4階の吉祥寺ゼロワンホールでは、ノミネート作品の上映と各賞の発表が行われた。2005年から吉祥寺アニメワンダーランドの一環として開始された吉祥寺アニメーション映画祭は、

イベント・レポート
注目記事
 10月12日、第5回吉祥寺アニメーション映画祭の受賞作品が決定した。会場の武蔵野商工会館4階の吉祥寺ゼロワンホールでは、ノミネート作品の上映と各賞の発表が行われた。
 2005年から吉祥寺アニメワンダーランドの一環として開始された吉祥寺アニメーション映画祭は、吉祥寺界隈の地域で作る映画祭として定着してきた。専門家を審査員に招いており、編集家の竹熊健太郎氏、アニメ評論家の氷川竜介氏、アニメーション史研究家の津堅信之氏らやアニメーション関連の企業が参加している。

        kichi1.jpg

 各受賞作品については既報の通りで、それらについて審査員から各自の総評がなされた。竹熊氏は今年の特徴として、レベルの高さと長尺の作品が多かったことを挙げ、2時間の上映枠で全作品の紹介を行うことが困難になってきたと述べた。
 そして10分を超える作品はストーリーや構成が重要になるという点においても言及し、氷川氏と津堅氏もそれらに応じるかたちでコメントした。

 氷川氏は、アニメーションを制作するという条件は軽々とクリアした上で、光の表現などといった撮影技術の進歩に注目した。その反面、音響の弱さで損をしていると指摘した。
 津堅氏は、当映画祭がエンターテインメントを重視していることを前提とし、話やキャラクターの作り方を練ってほしいと強調した。

 一方、スタジオディーンの野口和紀氏は、実際に商業アニメーションをやってる身としては居心地が悪くなるくらいの出来、と賛辞を送りつつ、テレビシリーズの制作をしている同社の視点で、捨てることの大切さや編集の大切さを知るようにと諭した。
 また、コアミックスの桜井晋氏はマンガの出版を行っている視点から、他社が『鋼の錬金術師』でエンディングだけ別のクリエイターさんに発注していた例を踏まえ、自社でもそういった取り組みをしてみたいと展望を語った。

        kichi2.jpg

 第5回吉祥寺アニメーション映画祭の受賞作品の一部も、他のコンテストで成果を表してきている。最近では、例えばグランプリとなったひだかしんさく氏の『恋するネズミ』は、デジタルクリエイターズコンペティション2009で東映アニメーション賞、ぴえろ賞となった植草航氏の『向ヶ丘千里はただ見つめていたのだった』も、同じくデジタルクリエイターズコンペティション2009で金の翼賞となった。 
【真狩祐志】

当サイトの関連記事
/第5回吉祥寺アニメーション映画祭 受賞作品発表
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

特集