米国の大手通信・メディアグループ バイアコム系のアニメーション専門チャンネルニコロデオン(Nickelodeon)は、アジア13カ国・地域で中国のテレビアニメーションに特化した放映枠「China Toon」をスタートする。 番組はニコロデオンアジアがカバーする地域で7月5日に始まり、毎週土曜日の13時から1時間放映される。ニコロデオンアジアは、最初の放映作品として『魔幻仙踪』と『喜羊羊与灰太狼』の2作品の放映権を購入した。 中国製のアニメーションに特化した放送枠は中国国外では珍しい。欧米系のアニメーションチャンネルが、こうした枠を設けるのははじめてのケースである。自国のアニメーションの輸出に力を入れる中国政府にとっては、力強い後押しになる。 『魔幻仙踪』は、中国の大手アニメーション製作会社による初の3DCGアニメーションのテレビシリーズである。『喜羊羊与灰太狼』は羊を主人公にした2Dアニメーションで、中国本土で子供たちに高い人気を誇っている。中国で最も成功した中国アニメーション作品のひとつとされている。 「China Toon」は、香港、シンガポールなどの中華圏を含むが、中国本土は含まれていない。また、MTV Networks Japanとして、アジア地域のニコロデオンとは別法人となっている日本のニコロデオンでも、当面の放映予定はないようだ。 ニコロデオンの目的は、中国アニメーションの海外普及を手助けすることで、中国国内での自社のビジネスを有利に進める狙いがあるとみられる。 近年中国は、日本アニメをはじめとして海外からのアニメーション番組の輸入、放映を厳しく制限している。そうしたなかでニコロデオンは自局の人気番組『スポンジ・ボブ』を数少ない輸入許可番組とするなどを成功させている。 『スポンジ・ボブ』は中国中央電視台(CCTV)で放映され、既に中国で高い人気を博している。中国で成功を収めた数少ない外国のアニメーション作品である。 こうしたニコロデオンに対する中国政府の特別な配慮は、ニコロデオンと中国の国家広播電影電視総局との強いつながりにより可能になったと考えられている。 今回の中国アニメーション専門放映枠の設置によるニコロデオンの中国アニメーション番組の普及策も、そうした一環である。Win-Winの関係を築くことで、ニコロデオンはより深く中国市場に入り込もうとしている。ニコロデオン(Nickelodeon)(米国) /http://www.nick.com/NICK International /http://www.nick.com/all_nick/everything_nick/intl_home.jhtml#1
生成AIの急激な進歩はアニメにどのような影響を与えるか?『シドニアの騎士』瀬下寛之監督×アニメチェーン設立者が描くクリエイティブの未来【対談】 2024.4.17 Wed 17:00 急速な発展が、様々な議論と話題を呼ぶ生成AI。エンターテイン…
日本のアニメを世界へ!存在感を増す「bilibili」ブースは超満員【AJ2019】 2019.3.25 Mon 15:45 3月23日、24日に東京ビッグサイトで開催された「AnimeJapan 201…