マンガ出版の市場シェアの過半数を握る最大手VIZメディアは、マンガだけでなくアニメライセンスの管理でも大きな存在である。毎年巨大なブースを設け、コンベンションを盛り上げてきただけに、2007年の展示場の不参加と企業パネルの大幅な縮小はやや寂しい感じとなった。
さらにマンガ出版市場シェア2位のTokyopop、3位のデル・レイも展示場の出展を行っておらず、3社合計で北米マンガ出版市場シェア9割以上の企業が出展しない状況となっている。
日本のアニメとマンガのコンベンションとされてきたアニメエキスポだが、今年はアニメ分野の拡大とマンガ分野の縮小という異なったトレンドが同時に起こっている。
大手3社の出展取り止めは、各企業の個別の事情に加えて3週間後に同じ南カリフォルニア地域のサンディエゴ市で開催されるコミックコンベンション(コミコン)の存在も大きな影響を与えているとみられる。
コミコンはアニメエキスポより規模が大きく、日本のエンタテイメントだけでない幅広い米国のポップカルチャーを扱っている。マンガ市場の成長により、マーケティング面でマニア向けから大衆向けへの展開へ関心を強めているマンガ出版社の間で、コミコンでの宣伝効果をより重要視する傾向が強まっていると見られる。
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一方で、大手3社に次ぐ位置にあるダークホースが企業出展し活躍をしていた。ダークホースの目玉は『多重人格探偵サイコ』。
そのほか『攻殻機動隊』や『ああ女神さまっ』など、やや濃い目のマニア路線、アクション路線が持ち味の出版社である。先頃、米国産マンガの日本語翻訳出版が発表された『メガトーキョー』も、この会社から単行本が発行されている。
ダークホース /http://www.darkhorse.com/
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同じく中堅マンガ出版社のセブンシーズエンタテインメント。GoMangaのブランドで作品を展開している。こちらはマンガに加えてライトノベルなどの新しい分野への取り組みも積極的である。
美少女や萌えといったテーストの作品を得意としているが、会場でも大量に販売されているHENTAIやYAOIなどの18禁マンガとは一線を画している。先頃、『こどものじかん』のマンガ単行本の米国での発売中止で大きな話題を読んだが、アダルトマンガ出版の雰囲気はない。
ブースに並べられたポスターと商品としての単行本が壮観。
セブンシーズエンタテインメント /http://www.gomanga.com/
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アメリカでキャラクターグッズを展開する数少ない日系の小売企業がブロッコリー。米国は国土が広く、こうしたマニア向けのショップはなかなか採算を取るのが難しいとされている。
このため商品の販売はインターネット通販やこうしたコンベンションでの出展が重要となっている。裏と表としてバンダイビジュアルとブースを共有しているのは、どうやら『ギャラクシーエジェる~ん』つながりのようだ。
ブロッコリー・インターナショナルUSA /http://www.bro-usa.com/
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日本系企業の出展では、フィィギュアの専門店KOTOBUKIYAもファンからの熱い視線を浴びていた。
その商品は会場内の米国製のそれとは明らかに異なるクオリティーを見せつけていた。非売品も含めて、商品に見入るアメリカ人オタクが多数出現した。
コトブキヤUSA /http://www.kotous.com/
VIZメディア /http://www.viz.com/
Tokyopop /http://www.tokyopop.com/
デル・レイ /http://www.randomhouse.com/delrey/manga/