日本貿易振興機構(ジェトロ)が本年6月に、『中国アニメ市場調査』と題した中国アニメ市場の実態について長文のレポートの編集を行っている。レポートは76ページからなり、中国のアニメ産業の流れや市場規模を中心にまとめたほか、北京、天津、杭州、南京、広州といった地域別にメディアの組織やテレビチャンネルの状況、放映されているアニメ番組などが詳しく説明されている。 また、日本、中国両国の現地ビジネス関係者への数多くのインタビューを掲載するなど、アニメビジネスの現状を知るための情報が豊富に掲載されている。中国アニメに関するまとまった調査は、私の知る限りでは市販されているものも含めてもこれまでには存在せず、今後、中国アニメビジネスに携るひとの重要な資料となって来るだろう。 また、ジェトロによれば、日本のビジネス関係者のためのビジネス戦略のための資料としているが、今後の中国のアニメビジネスに研究に関する基礎資料になって行くに違いない。 ジェトロではこれ以外にも、今年になって中国におけるコンテンツ関係のまとまった調査レポートを相次いで編集している。2005年2月には『上海(中国)コンテンツ市場調査2005年2月』が発表されており、これはアニメだけでなくテレビ市場、映画市場、映像市場、ゲーム市場それぞれについて、上海市場における中国メディアの組織のありかたとコンテンツの流通の仕組みを詳細にレポートしている。とりわけ、行政当局の方針や許認可の仕組みについて触れられているところは貴重である。 今年3月にまとめられた『中国における音楽配信ビジネスの実態は』、84ぺージから構成されている。こちらもモバイルからインターネット、著作権など豊富で詳細な内容になっており、今までにない資料となっている。 ジェトロは、コンテンツ産業を育成するという国の方針を反映して、これまでもアニメを含むコンテンツ産業に関するレベルの高い調査レポートを編纂している。これまでも、米国市場に関しては2003年に編集された『米国アニメ市場の実態と展望』(調査本文:海部正樹氏)や『日本のアニメを中心とするコンテンツ産業のための米国進出手引き』(編集Wowmax Media)といった優れたレポートがある。 近年、米国のアニメ市場が成熟期に入り、アニメ関連企業の関心が成長市場であると同時に判り難いとされる中国市場に移っている。これに合せたジェトロの素早い動きは高く評価されていいだろう。 ただし、今回の『中国アニメ市場』については中国国内の数多くの地域を均等に扱ったため、一地域のレポートの内容が薄くなってしまったところもある。今回の調査を踏まえた第2弾のレポートを期待したところである。また、米国やアジアに較べて影が薄くなりがちな欧州地域についてのレポートも望みたい。/日本貿易振興機構中国関係のレポートは/こちらからダウンロード出来ます。『米国アニメ市場の実態と展望』は/こちら『日本のアニメを中心とするコンテンツ産業のための米国進出手引き』は/こちら
鳥山明「ドラゴンボール」一番人気のシリーズは“悟空とブルマ編”、必殺技は“かめはめ波”に! 男女200人に調査 2024.3.11 Mon 17:15 鳥山明『ドラゴンボール』に関するアンケート調査が、しんげん…
日本のアニメを世界へ!存在感を増す「bilibili」ブースは超満員【AJ2019】 2019.3.25 Mon 15:45 3月23日、24日に東京ビッグサイトで開催された「AnimeJapan 201…