CLAMPの名作『魔法騎士レイアース』が、令和に新たなTVアニメとしてよみがえる! 本作は、東京タワーへの社会科見学中に異世界・セフィーロへ招喚された中学2年生の少女・獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風が、世界を救う「マジックナイト」として運命に立ち向かうファンタジーアドベンチャーだ。1994年の TVアニメ放送から30年の時を経て、2026年10月7日よりテレビ朝日系全国ネット“IMAnimation W”枠にてスタートする。
このたび、そんなマジックナイトの3人を演じる、光役・佐倉綾音、海役・大久保瑠美、風役・高橋李依にインタビュー。長年愛され続ける作品の新たなアニメ化に挑む心境や、原作・平成版アニメへの向き合い方、役作りで大切にしたことを語ってもらった。平成版への敬意を胸に、「意味のない変化は作らない」という共通認識のもと、原作と真摯に向き合った3人。笑いの絶えない掛け合いの中から、新たな『レイアース』を紡ぐチームワークと、作品への深い愛情が見えてきた。

[取材・文=米田果織 撮影=You Ishii]
■佐倉綾音の“真っ赤な衣装”から始まった、マジックナイト3人の関係性
――アフレコは必ずマジックナイト3人が揃った状態で行われたそうですね。現場で印象に残っている出来事があれば教えてください。
高橋:それぞれがキャラクターの“色”をまとってアフレコをしたのが、私にとっては印象的でした。
佐倉:そうなんです。第1話のアフレコは、本当にかつてないほど緊張していて……。少しでも気持ちを上げようと、光のイメージカラーでもある真っ赤な服を着てスタジオへ行ったんです。最初は「ちょっと気合いを入れすぎたかな」と思っていたのですが、その次の収録からお2人もそれぞれキャラクターカラーの服で来てくださって。「着てきてくれたんだ!」とうれしくなりました。

大久保:実は私も、青い服をたくさん用意していたんです(笑)。でも、元々『レイアース』が大好きだと公言していたこともあって「やる気を見せすぎて空回りしたくない」という気持ちもあり、最初は遠慮してしまったんですよね。
そんな中、第1話であやねる(佐倉)が真っ赤な衣装で現場に来ている姿を見て、「この現場は光に引っ張ってもらうんだな」と感じたんです。私はどちらかというと前に立つより支えるタイプなので、李依ちゃんと一緒に、あやねるを支えながら最後まで楽しく作品を作っていける現場にしたいと思いました。
――そんな姿で実際にアフレコしてみていかがでしたか?
佐倉:服装で形から入ってみたものの、緊張で肩に力が入ってしまっていて、光の持つ天真爛漫さや自然体な魅力を思うように出せなかった悔しさがありました。音響監督さんからは、細かな距離感や状況よりも「第1話だからこそ、まずは光らしく明るく楽しく演じてほしい」というディレクションをいただいたので、その言葉を意識しながら演じていました。
大久保:海については、オーディションで「あまり嫌な子にしすぎないで」と言われ、その言葉を意識しすぎた結果、今度は「仲が良すぎる」と言われてしまって……。第1話ではまだ探りながら演じていましたが、2話、3話と進むにつれて少しずつ海らしさを掴めた感覚がありました。

高橋:私がアフレコでとくに印象に残っているのは、第1話のテスト後に「ラステス(※ラストテスト…本番直前に行われる最終的な通しテストのこと)もやります」と言われたことです。もちろん調整のためにラステスを行う現場もありますが、そのときに「まだ皆さんに届けられるレベルに達していないんだ」とハッとしました。
それまで自分なりにたくさん準備をしてきたものを一度壊して、あらためて役と向き合わなければいけないと感じたんです。振り返ると、そのときの私は風ちゃんではなく、風役を演じようとしてしまっていた部分があったのかもしれません。
また、風は光や海に話しかける場面が多いので、距離感の作り方も印象的でした。初対面だからこその絶妙な空気感が大切で、親しげになりすぎないよう細かく調整していただきましたね。風はどんな世界でも風らしくいられる芯のある子ですが、だからこそ3人の関係性の変化は、アフレコを重ねる中で私自身も学んでいったように思います。
――そもそも、マジックナイトの3人をこのメンバーで演じることが決まったと知ったときはどう思われましたか?
佐倉:瑠美さんとは10代の頃に1年間レギュラー番組をご一緒して以来、久しぶりにしっかり共演することになりました。当時から時間が経っているので「今の私を……30代になった佐倉綾音を(笑)、どう見てくださるんだろう」という緊張感がありましたし、瑠美さんが『レイアース』のファンであることも知っていたので「私が光であることをどう受け止めてくださるのかな」とも気になって。気を遣ってくださる方だからこそ、率直に感じたことを受け止めたいという思いもありました。
李依さんとはこれまで何度かご一緒したことはありましたが、レギュラーでご一緒するのはほぼ初めてなんですよ。真面目でまっすぐ、作品に熱心に向き合う方という印象があったので、どんな風を演じられるのか楽しみでした。また、お2人は同じ事務所だけど、私だけ違うので……「うまく仲間に入れるかな」という少し違った緊張もありました(笑)。

大久保:私はキャストを見た瞬間に「解釈一致!」と思いました(笑)。制作側がどんな『レイアース』を描こうとしているのかが見えてくるような、すごく納得感のあるキャスティングだと感じたんです。
あやねるとは10代の頃にご一緒して以来、共演の機会はあっても、ここまでがっつり一緒になることがなかったので。でも、役者としてずっと活躍されている姿を見てきましたし、信頼もあったので、「どんな光を見せてくれるんだろう」と純粋に楽しみでした。光がどう動くかで海の感情も変わっていくので、その掛け合いにもワクワクしましたね。
李依ちゃんとは共演も多く、柔らかく真面目な役柄を演じる姿をたくさん見てきました。ただ、風はそれとはまた少し違うキャラクターなので「新しい李依ちゃんが見られるかも!?」と楽しみになりましたね。
一方で、一番不安だったのは自分です。原作が大好きだからこそ客観的になれず、「本当に私でよかったんだろうか」「アフレコが始まるまでに“やっぱり違いました”と言われるんじゃないか」と本気で思っていましたから……。
高橋:グッズも封印してましたもんね。
大久保:そうなんです。マネージャーさんに「匂わせになっちゃうので、全部しまいましょうね」と言われて、持っていたグッズを泣く泣く箱にしまいました(笑)。
高橋:私が合格の連絡をいただいとき、「うれしい」などの感情よりも一番最初に頭に浮かんだのは「共演者は誰なんだろう」ということでした。もちろん風ちゃんを演じられることは本当にうれしいですし、「風役を受けてみてほしい」と言っていただけたこと自体が自分のキャリアの中でも大きな挑戦で。でも、それ以上に「誰と一緒に風を演じるのか」が私にとっては大切だったんです。
お2人のお名前を聞いたとき、「この方たちとなら一緒に戦える」と思いました。大きなプレッシャーのある作品だからこそ、前を向いて進んでいける先輩方とご一緒できることが本当に心強くて。綾音さんは同い年で話しやすく、瑠美さんは同じ事務所の先輩。尊敬できるお2人と一緒なら、私も隣で前を向いて頑張れると思えました。共演者のお名前を聞いた瞬間「ここが自分の居場所なんだ」と感じられたことを、今でもよく覚えています。









