地上波では「初の原作準拠!?」と騒がれた『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』、とんでもない世界が広がっていた『サンダー3』、配信番組では『スター・ウォーズ:ビジョンズ/九人目のジェダイ』など、追うのが大変なくらいおもしろい作品がありました。
その中から3本に注目して振り返る本企画では、『グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~』『乙女怪獣キャラメリゼ』『Re:ゼロから始める異世界生活 4th season』(以下『リゼロ』)をピックアップ!「ここが良かった!!」という推しポイントを紹介したいと思います!
◆みんな幸せになれて本当に良かった!『グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~』

「グロウアップ」のタイトルから「サーカス一座のサクセスストーリーなんだろうな」と、“よくある物語”を想像していましたが、ふたを開けたら主人公・鶴巻瑞佳(つるまき みずか)がそのイメージをブチ壊す役回りをしていてとても新鮮に感じました。
もちろんサクセスストーリーであり、団員たちの成長物語としてはオーソドックスな構造をしていたのですが、瑞佳にやる気がまったくなく、サーカスの知識と審美眼は人一倍なのに素直に協力してくれないという状況が良い調味料になっていました。
そのキャラクターの魅力と、各キャラが繰り出す、食いぎみのツッコミもおもしろく、「いつまでもこの仲間たちを見ていたい」とひたすら思える心地よい空間でした。
そんな彼女たちがサーカスの祭典「キルクスコレクション」に挑むことになるのですが、瑞佳自身の問題、さらにはライバル的な立ち位置で妨害してくる皇 七海(すめらぎ ななみ)、団長・皇 麻利亜(すめらぎ まりあ)の大病など、「ひまわりサーカス団」に多くの困難が押し寄せます。
しかし「七海をやっつけて終わりかな?」という予想に反し、最後は誰も不幸にならない、みんなが幸せになる結末を迎え、途中から七海も応援し始めていた視聴者目線としては、これ以上ないハッピーエンドとなりました。
それはまさに「みんなが幸せになれて良かった!」という、目頭が熱くなるような感動です。あの衝撃的な結末も含め、すべてのキャラクターに対し「みんな大好き!」と思える作品でした。

◆応援したい2人だからこそ、すれ違った時は心が痛みました。『乙女怪獣キャラメリゼ』

本作の主人公「赤石黒絵(あかいし くろえ)」は、怪獣に変身してしまう“病気”のため、他者との接触を一切断ち、孤独に生きてきた女の子です。そんな彼女だからこそ、南 新汰(みなみ あらた)のリードで交際が始まると「がんばれ!」と応援しましたし、黒絵に一途な新汰にも「がんばれ!」という想いでした。
しかし順調に育った恋心は、ちょっとしたすれ違いが原因で2人を引き裂きます。第10話で唐突にやってきた別れのシーンには息がつまる思いでした。
「別れたほうがいいのかも……」
知らず知らずのうちに貯め込んでいた負の感情。本当はそう思いたくないのに、ネガティブな想いが黒絵の中であふれ出してしまいます。そんな経験、誰にでもあるはず。劇中でもそれはとても悲しいシーンとして描かれており、観ている側も言葉にならない感情で溺れそうになりました。
「いつかはこうなってたんだ……」
うなだれてそう告げる黒絵の失意も理解できます。そんな不安を抱えながら自分を騙し、負の感情をため込んでいた結果がこの惨状でした。
しかし「雨降って地固まる」というように、結果として黒絵と新汰は障害を乗り越え、結びつきを強めることに繋がります。当初は怪獣アニメのひとつだと思って興味を持った本作でしたが、黒絵も新汰もとてもピュアで、最後まで応援し通しました。

◆シャウラを救ってほしい!!『Re:ゼロから始める異世界生活 4th season』

『リゼロ』の4th seasonはずっと波乱万丈で、ひと時も目が離せないシーズンとなりました。
とくに第2クールにあたる《奪還編》は毎話が神回と呼べるような面白さで、記憶を奪われたナツキ・スバル、それを心の底から心配しているエミリアとベアトリス、ようやく“本当の仲間”になれたメィリィ、ユリウスとアナスタシアのコンビも全員がドラマを持っていて、全員がなにかしらの困難を克服するという、見どころと感動しかないクールでした。
そんな中でひとつだけ語るとしたら、やはり新キャラであるシャウラです。
当初はただのお色気担当で、物語のガイド役かな?としか思っていなかったシャウラですが、第81話「一途な星」にてその扱いが一変しました。塔の最後のルールを頑なに教えなかった理由について、彼女は嗚咽まじりにこう告げたのです。
「だって、これを話したらお師さま(スバル)、試験のクリア方法に気付くっす! だから、これを話したら……話しちゃったら、あーしとお師さまの時間が終わっちゃ……!!」
最後の言葉が聞き取れないほど泣きじゃくるシャウラ。400年という途方もない時間、ずっとスバルだけを待ち続けてきた彼女にとって、スバルと過ごせた実質2日間は「幸せ」以上の「奇跡の時間」となったことでしょう。
はじけるような笑顔が特徴的なシャウラが初めて号泣したこと、絞り出すように打ち明けた胸の内は、「彼女も救ってあげたい」と思わせるものでした。それだけに、その後のスバルの飛び降りシーンを含め、4th seasonの象徴となるエピソードの1本になりました。

ここ最近は「この先どうなる!?」と30分が短く感じるようなアニメ作品が目立ってきて、興奮したままXのポストを覗くことが多くなっていますが、『リゼロ』4th seasonはまさにその典型ともいえる作品で、毎週ワクワクさせてくれました。もちろん『キャラメリゼ』と『グロウアップショウ』もドラマチックな内容になっていて、「この作品好き!」となることが何度もありました。
はたして秋のクールではどのような番組が毎週の楽しみになるのか? 期待しかありません。
(C)キルクスコレクション協会/「グロウアップショウ」製作委員会
(C)蒼木スピカ/KADOKAWA/乙女怪獣キャラメリゼ製作委員会
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活4製作委員会









