現在、アニメ第3期が放送中の『転生したらスライムだった件』(以下『転スラ』)。初の家庭用ゲームとなる本作『転生したらスライムだった件 テンペストストーリーズ』は、鬼人族(キジン)との出会いからファルムス王国との戦いまでの物語を、フルボイスで追体験しつつオリジナルストーリーも楽しめる内容となっています。
ジャンルはアクションRPG。横スクロールのエリアを探索していくのが基本ですが、拠点を小さな村から立派な大国へと発展させる要素もあり、『転スラ』らしさをゲームならではの没入感で楽しめます。
第1章をプレイした感触ではバトルもシナリオもサクサクと進み、しかも拠点の発展もわかりやすく視覚的に変化していくので約2時間のプレイもあっという間。筆者はいわゆる「ぬるゲーマー」なのですが、「建築たーのしー」「潜在能力獲得たーのしー」ととくに攻略を考えず気楽に進めていたらタイムアップした……といった感じでした。
アニメで心をギュッと掴まれたようなシーンも、ダイジェストではあるものの挿入されていましたし、それまで特に感情移入していなかったようなキャラクターも自分が操作することで愛着がわきました。建築もまだまだやり足りないのでぜひまた続きをプレイしたいところ。とくに一番のお気に入りキャラである魔王ミリムがダウンロードコンテンツなので、その日を心待ちにしたいと思います。
『転生したらスライムだった件』ポータルサイト
[文=気賀沢 昌志]
◆地味に楽しい「いつでもスライム化」機能
本作『テンスト』は、名場面の数々を追体験するとともに、メインクエストとサブクエストの双方でオリジナルシナリオも楽しめる内容となっています。
今回はベニマルたちが仲間に加わった第1章までしかプレイできませんでしたが、ゲームではアニメ第2期のファルムス王国との戦いまでが収録されているとのことなので、オークディザスターとの戦いや、リムルが魔王として覚醒するシーンなど数々の名場面も楽しめることでしょう。

さてそんな本作は、主人公リムルが転生するところからスタートします。
その後は暴風竜ヴェルドラとの出逢い、牙狼族(ガロウゾク)・子鬼族(ゴブリン)・ドワーフを仲間に加えての村づくり、シズさんをめぐるエピソードと人間への擬態化能力の獲得。それら序盤の展開をダイジェストで紹介しつつ、エイトビット制作のオープニングアニメーションを挟んで本格的なチュートリアルへと進みます。


第1章はチュートリアルがメインとなっているため、オープニング後はメインミッションを通じてバトルの方法や建築方法などを学びます。
難易度はいつでも変更可能ですし、通常攻撃はボタンひとつでできるので、たとえ他のゲームを2つ3つ同時進行しながらでも操作で戸惑うことはありません。しかも単調なバトルにならないよう、レバー操作を加えることで打ち上げ・打ち下ろし・横攻撃も直感的に出せますし、コンボも簡単につながるのでアクション初心者でも爽快感あるコンボを味わえるでしょう。
1回のバトルが短いのも「サクサク進むな」と感じたポイント。バトルの報酬はランダムとなっており、その報酬をもとに建築などを行っていくため、ひとつのバトルが長すぎるとイライラしてしまいますが、バトルと建築要素のバランスがちょうどよく、楽しくバトルをすることができました。やはり好きなキャラクターを自分の手で操作するのはうれしいですね。


最初の戦闘ではリムルひとりで出撃することになりますが、2回目以降はパーティを組むことが可能に。最終的には交代可能なプレイアブルキャラクター3名+サポートキャラ2名で編成することになります。
プレイアブルキャラクターとサポートキャラクターはそれぞれ役割が固定となっているため、プレイアブルキャラクターをサポートキャラクターに設定することはできません。サポートキャラクターは奥義を放ち仲間をサポートするお助けキャラとして活躍します。
そのためサポートキャラクターもプレイアブルキャラクター同様に育成可能となっており、お気に入りのキャラクターを強化して、バトルを楽しむことができます。






ちなみに拠点では自由に歩き回ることができるのですが、ボタンひとつでリムルを人間形態からスライム形態に変身させられるのが地味に楽しかったです。スライム形態のリムルが村をポヨポヨ走り回る姿はとてもかわいいので必見です。


◆建築するだけでパワーアップ!
本作はバトル報酬やクエスト報酬で得られるGPを消費し、「潜在能力」と呼ばれるスキルを開放することでキャラクターを育成します。
GPは各キャラクターそれぞれが所持する非共有タイプ。バトルに連れていくキャラクターそれぞれにGPが入る仕組みとなっており、しかも「スキルを使わなければならない」「そのキャラを使用しなくてはならない」等の縛りもないため、育成がしやすいシステムとなっています。登場キャラクターが多いゲームではありがたいですね。



そのほかキャラクターを強化する手段には「建築」があります。武具や防具に代わるシステムと思って良いでしょう。
拠点となる村の空き地に好きな建築物を建てることができるのですが、何を建てるかによって恩恵が変わってきます。
例えば「草の家」ならSDEFが+10%。SDEFとは精神攻撃の防御力で、簡単に言ってしまえば魔法防御力が10%アップする効果が得られます。「よろず屋」ならDEFが+10%。物理防御力が10%アップするといった感じです。
建物の中に入ったり買い物をしたりといったことまではできないものの、目に見える形で自分の領土がどんどんと発展していく様は達成感もあり、アニメや小説では味わうことができないゲームならではの楽しみだと言えるでしょう。



ちなみに建築で得た補正値はパーティメンバー全員に与えられるものとなっているので、拠点を発展させるほど攻略が楽になります。ただし建築するには決まった素材が必要となり、素材を集めるためにバトルで報酬を集めることになります。バトルと建築のサイクルで物語を進めていくシステムになっています。
そうしてチュートリアルを兼ねたメインミッションをこなしていくと、ついに「強い敵」が登場するエピソードが! なんと原作ファンならおなじみの、後の「ベニマル」たち大鬼族(オーガ)がリムルたちの前に立ちはだかります。彼らこそ第1章のラスボス。倒せば仲間としてパーティに入ってくれる心強いキャラクターたちです。

原作でも彼らはリムルに敗北し、その配下として仲間に加わることになるのですが、決断を下した際のベニマルの断腸の想いは今見返しても苦しいものがありました。
リムルもそんな彼の複雑な心境を察して「こいつの気持ちにもっと配慮すべきだった」「俺にできることは、その決断を悔いなきものにしてやるだけだ」と決意しますが、その優しさ、リムルを中心とした「お互いを気遣う者同士の国」が描かれているからこそ『転スラ』は面白いのです。



◆今後の展開にはオリジナルキャラクターの登場も!
「2時間のプレイではもの足りないな……」と思った本作ですが、そう思わせたのにはもうひとつの理由があります。それが本作ならではのオリジナル要素です。
『テンスト』は鬼人族(キジン)との出会いからファルムス王国との戦いまでの物語を追体験する内容ですが、オリジナルキャラクターが登場する原作者監修の新作オリジナルストーリーも見どころです。
たとえば「復讐のゴブリン編」は、オリジナルキャラクターで邪人鬼族(イビルゴブリン)の「カタキ」が登場するエピソード。「宗教国家編」は謎の宗教国家「アンゲルス」がヴェルドラの力を狙ってテンペストに攻め入ってくるというエピソードです。
そのどちらにも、それぞれオリジナルキャラクターのプレイアブルキャラ「リト」と「スミレ」が登場することになっておりアニメとは異なる体験が楽しめます。



DLCは全3弾を予定しており、1本目ではプレイアブルキャラクター「ヒナタ」と新シナリオ1本、サブクエスト10種と建築物7種が追加される予定。
2本目ではヴェルドラ、3本目ではミリムもプレイアブルキャラクターとして追加される予定なので、そちらも楽しみです。

今回プレイした感触として大きかったのは、やはりサクサクと遊べるゲーム性と、建築で発展するテンペストの様子でした。
キャラクターゲームなので元々の『転スラ』ファン向けではあるものの、ひとつの異世界転生作品としてここから入っても楽しめる敷居の低さ、アクションが苦手でもどうにかなるゲーム性は、「作品についてよく知らないけど……」「アクション苦手なんだよな……」とためらう人々の心配を吹き飛ばす楽しさがあったと思います。
この夏休みのお供に、ぜひいかがですか?
『転生したらスライムだった件 テンペストストーリーズ』公式サイト
『転生したらスライムだった件』ポータルサイト
【商品データ】
タイトル 転生したらスライムだった件 テンペストストーリーズ
発売日 2024年8月8日(木)
ジャンル アクションRPG
プラットフォーム Nintendo Switch、PlayStation5、PlayStation4、Xbox Series X|S、Xbox One、STEAM
※PlayStation4、Xbox Series X|S、Xbox One、STEAMはダウンロード販売のみ
価格 通常版:7,200円+税
異世界回想BOX:11,200円+税
アソビストア超特装版:29,800円+税
デジタルデラックスエディション:9,500円+税
デジタルアルティメットエディション:13,000円+税
【DLC】
・DLC1 数奇な運命(8月29日配信)
プレイアブルキャラクター:ヒナタ
新シナリオ:数奇な運命
サブクエスト:10種
建築物:7種
・DLC2 妖精の迷宮(9月12日配信)
プレイアブルキャラクター:ヴェルドラ
新モード:妖精の迷宮(ラビリンス)
サブクエスト:5種
建築物:7種
・DLC3 武闘大会(9月19日配信)
プレイアブルキャラクター:ミリム
新モード:武闘大会
サブクエスト:4種
建築物:5種
上記各1,000円
※DLC3種をセットにしたシーズンパスあり。
シーズンパス購入者にはサブクエ「シズの思い出」を追加。

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