村上春樹原作「めくらやなぎと眠る女」磯村勇斗、玄理、塚本晋也、古舘寛治ら参加!日本語版映像がお披露目 | アニメ!アニメ!

村上春樹原作「めくらやなぎと眠る女」磯村勇斗、玄理、塚本晋也、古舘寛治ら参加!日本語版映像がお披露目

村上春樹原作の初の長編アニメ映画『めくらやなぎと眠る女』より、磯村勇斗、玄理、塚本晋也、古舘寛治らが参加した日本語版の特別映像がお披露目。オリジナル版とも感触の違う、ピエール・フォルデス監督も“悲願“の日本語版だ。

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アニメ映画『めくらやなぎと眠る女』特別映像カット
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村上春樹原作の初の長編アニメ映画『めくらやなぎと眠る女』が、7月26日より東京のユーロスペース他にて全国公開される。このたび本作より、磯村勇斗、玄理、塚本晋也、古舘寛治らが参加した日本語版の特別映像がお披露目。オリジナル版とも感触の違う、ピエール・フォルデス監督も“悲願“の日本語版だ。

アニメ映画『めくらやなぎと眠る女』日本版ビジュアル

『めくらやなぎと眠る女』は、村上春樹による『かえるくん、東京を救う』、『バースデイ・ガール』、『かいつぶり』、『ねじまき鳥と火曜日の女たち』、『UFO が釧路に降りる』、『めくらやなぎと、眠る女』の6つの短編を、音楽家でアニメーション作家のピエール・フォルデスが翻案した長編アニメ映画だ。ピエール・フォルデス監督にとって初の長編アニメーションで、村上春樹作品としても初のアニメ化となる。

とある大震災から数日後。ある夫婦……小村(磯村)とキョウコ(玄理)の間には決定的な亀裂が生まれていた。キョウコは一言も発さずニュース報道を見つめ続け、小村はそんな妻に戸惑う。そしてキョウコは「あなたとの生活は空気の塊と暮らすみたい」と手紙を残し、小村の元を去る。時を同じくして、小村の勤める信託銀行の同僚・片桐(塚本)は、融資を焦げ付かせそうになり上司から突き上げを食らっている。暗い気持ちで家の扉を開けると、そこにいたのは巨大な「かえるくん」だった。

アニメ映画『めくらやなぎと眠る女』特別映像カット

かえるくん(古舘)は、さらに大きな地震が来ることを片桐に告げ、その原因である「みみずくん」と共に戦ってほしいと片桐に頼む。「私は平凡な人間なんだ。私を愛してくれる人は誰もいない。なんで生きているのか自分でもわからない。そんな私のような人間が、東京を救える訳がない」と改めて自分を見つめ直し、片桐は涙する。

アニメ映画『めくらやなぎと眠る女』特別映像カット

一方、キョウコは20歳の誕生日のことを思い出していた。体調が急変したバイト先の店長から、店と同じビルに住むオーナーにディナーを届けてほしいと頼まれる。初めて出会ったオーナーはキョウコを部屋に招き入れ、「20歳になるこの特別な日に君は偶然温かい食事を運んだ。だから君にプレゼントをあげたい。特別な日だからこその特別な贈り物だ」という。
キョウコが去った後、小村は同僚の佐々木から、旅行がてら小箱を北海道の妹の元に届けてほしいと頼まれる。佐々木の妹に小箱を届けた小村は、妹の友人・シマオとラブホテルで過ごすことになる。

過去に囚われていた人々、自身が行き詰まっていたことすら気づいていなかった人々が、遠い記憶や夢をさまよいながら次第に自分と向き合い、緩やかに解放されていく。オーナーを演じた柄本明の「願いはあるかい?お嬢ちゃん」という声が夢とも現ともつかない、しかし不思議な説得力を持って響く。

今回の日本語版制作においては、深田晃司監督が演出を務め、来日したピエール・フォルデス監督も全収録に立ち会い監修した。元々は音楽家としてキャリアをスタートしたフォルデス監督は、日本語はわからないものの音程や強弱に敏感で、セリフを音楽のように捉え監修を行ったそうだ。
キャストも映像のキャラクターの動きに合わせて演技し、それをマイクで追いかけるというスタイルで収録されたため、ウィスパーボイスも印象的に使用されている。英語と日本語では抑揚や響きも違うことから、絵の口とセリフを合わせる作業や全体の音のトーンの調整など非常に繊細な作業が行われたうえでこの日本語版が完成した。

村上春樹原作の初の長編アニメ映画『めくらやなぎと眠る女』は、7月26日より東京のユーロスペース他にて全国公開される。
“マジック・リアリズム“とも評される村上の世界観を、アニメーションならではの自由な感性で描いた本作。英語(日本語字幕付き)のオリジナル版と日本語版の2バージョンでの公開となるため、それぞれの音の響きの違いにもぜひ注目してみたい。


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『めくらやなぎと眠る女』
7月26日(金)ユーロスペースほか全国ロードショー
監督・脚本:ピエール・フォルデス、原作:村上春樹((「かえるくん、東京を救う」、「バースデイ・ガール」、「かいつぶり」、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、「UFO が釧路に降りる」、「めくらやなぎと、眠る女」)
【オリジナル版】
声の出演:ライアン・ボンマリート、ショシャーナ・ビルダー、マルセロ・アロヨ、スコット・ハンフリー、アーサー・ホールデン、ピエール・フォルデス
【日本語版】
声の出演:磯村勇斗、玄理、塚本晋也、古舘寛治
木竜麻生、川島鈴遥、梅谷祐成、岩瀬亮、内田慈、戸井勝海、平田満、柄本明
演出:深田晃司 翻訳協力:柴田元幸 音響監督:臼井勝 監修:ピエール・フォルデス
2022/109分/フランス、ルクセンブルク、カナダ、オランダ合作
原題:「Saules Aveugles, Femme Endormie」/英語題:「Blind Willow, Sleeping Woman」
配給:ユーロスペース、インターフィルム、ニューディアー、レプロエンタテインメント

《仲瀬 コウタロウ》
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