『政宗くんのリベンジ』は、かつて自分を振った美少女・安達垣愛姫にリベンジする主人公・真壁政宗を描くラブコメディ。TVアニメ第1期は2017年1月から3月にかけて放送され、今回約6年の時を経ての第2期『政宗くんのリベンジR』が放送となる。
アニメ!アニメ!では本作の放送開始を記念し、安達垣愛姫役の大橋彩香さんと、小岩井吉乃役の水瀬いのりさんにインタビューを実施。期間が空いたことで改めて感じたそれぞれのキャラクターに対する印象や、第1期放送当時の思い出などお話をうかがった。
[取材・文・撮影:吉野庫之介]

「口が懐かしい」という感覚に
――第1期から約6年の時を経ての第2期放送となりますが、制作決定を知った際のお気持ちを教えてください。
大橋:いつか第2期ができたらいいなとは思っていたのですが、第1期からだいぶ時間も空いていたこともあり諦めかけていたんです。そんな時にマネージャーさんと共有しているカレンダーに「政宗くんのリベンジ アフレコ」という予定がポンと入って、驚きと同時に嬉しさが込み上げてきました。
この約6年の間も第1期OP主題歌の「ワガママMIRROR HEART」をフェスなどでたくさん歌わせていただいてきたのですが、すごく人気の楽曲で、この作品のファンのみなさんの熱量が伝わってくるんです。

――私も先日とある音楽イベントで「ワガママMIRROR HEART」を生で聴かせていただいたのですが、本当に盛り上がる楽曲ですよね。水瀬さんはいかがでしょうか?
水瀬:第1期から時を経て2022年のエイプリルフールに「第3期制作決定(嘘)」が発表され、その次の日に「ほんとうに!第2期制作決定!!」と告知されて(笑)、そんな疑心暗鬼感のあるお披露目もこの作品らしいなと思いました。
私は第1期の頃は目の前のアフレコに向き合うことで必死だったので、当時続編のことまで考える余裕がなかったのですが、この6年間での自分自身の心境の変化や、原作で吉乃が今後政宗くんとどうなっていくのかを知っていたこともあって、今回少し心構えが必要な第2期になりそうだなと感じていました。

――これだけ期間が空くとファン目線でも懐かしさを覚えるのですが、実際にキャラクターを演じるキャストのみなさんからするとなおさらですよね。
大橋:最初は「どうしよう……」と思いました。第2期1話の収録でも「老けてる」と言われてしまって(笑)。でもキャストのみんなの声を聴いて回を重ねていくうちにどんどん第1期の頃の感覚を取り戻していきましたね。
水瀬:私も「こんな感じ、だったかな……?」と探り探りだったのですが、吉乃がよく言う「愛姫様」や「豚足」といった口馴染みのあるワードを喋ったときに彼女が降りてくるような感覚があって。このぶっきらぼうでドライな感じが吉乃だったなと、セリフでチューニングをしていきました。
大橋:たしかに! 私も「吉乃」や「真壁」といった名前を呼んだときにこういう発声をしていたなってハッとなりました。
水瀬:「口が懐かしい」という感覚になりますよね。


――また、時間を置いて改めてキャラクターと向き合ったことによる印象の変化などはありましたか?
大橋:愛姫は「残虐姫」という異名で呼ばれていたように、最初の頃は高貴で近寄りがたい印象があったのですが、物語の中で政宗や吉乃や寧子と一緒に過ごすうちにどんどん柔らかい印象へと変わっていき、愛姫も普通の女の子なんだなと徐々に気づいていって。また、彼女自身の中にも「普通の女の子として接してもらいたい」という思いがあるのだと感じます。
とくに恋の部分ではツンデレになりがちな子ではあったのですが、第2期ではデレを見せてくれるシーンが多くなりました。あとは大人っぽくなったなと思いますね。以前はすぐカッとなって怒ったりすることも多かったのですが、物事を飲みこめるようになったり、噛み砕いて考えたりもできるようになって、そんな部分に愛姫の成長を感じました。

水瀬:吉乃に関しては第1期の頃から愛姫様にお仕えする彼女と、豚足から「師匠!」と呼ばれる彼女という二面性があって、そんなところも含めて“頭が良い子”という印象でした。ですが第2期で吉乃を演じるにあたり原作を読んでいくと、頭が良すぎるがゆえに苦しむ彼女の姿があって。人の考えや視線に敏感だからこそ、先回りしてしまう彼女がとても切なく、演じる上でも難しかったです。
第1期の頃はどちらかというと翻弄する側だったのですが、第2期では自分の感情に翻弄されるようになり、そんな前作とは違うポジションにいる吉乃の姿を見て、彼女もこの作品におけるヒロインの一人なのだと改めて思いました。

――真壁政宗役の花江夏樹さんとも久しぶりの掛け合いだったかと思いますが、収録はいかがでしたか?
水瀬:私が他作品で共演するときの花江さんは結構カリスマ的な存在なことが多くて、イジられることはあってもツッコミを入れたりするキャラクターの印象があまりないのですが、政宗くんを演じる花江さんは決まっているようなシーンも全力すぎてギャグに見えたりと、良い意味で三枚目感が出ているなと思います。
大橋:ご本人もラブコメ作品は珍しいって仰っていましたよね。私はこの作品以外では花江さんとあまり共演したことがないので、逆に「ライジングサン!」している活発な政宗のイメージが強いです(笑)。今回久しぶりに花江さんと収録でご一緒できて「これこれ!」と帰ってきた気持ちになれて嬉しかったです。
水瀬:政宗くんのほかにも、愛姫の親衛隊3人娘も久しぶりに見られて「懐かしい~!」と思いました。
大橋:彼女たちは相変わらず愛姫様に一途で(笑)。
水瀬:この作品はみんな個性が強いからメインキャラとサブキャラの区別ができないんですよね(笑)。登場人物ごとにそうした物語がちゃんとあるというのも『政宗くん』の見どころだなと改めて感じました。
――第2期ではミュリエル・ベッソン(CV:伊藤美来)やフランク・ベッソン(CV:加瀬康之)といったさらに個性の強い新キャラクターも登場しますね。
大橋:ミュリエルはずっとキラキラした目で政宗と愛姫のことを見ているようなキャラクターで、アニメになったら絶対に可愛く動くんだろうなあと思うので、個人的にもすごく楽しみです。伊藤美来ちゃんとも一緒に収録したんですけど、可愛すぎてニコニコしちゃいました(笑)。また、彼女が政宗と愛姫の関係を後押ししてくれるような展開も待っているので、そんな新キャラクターの活躍にも注目していただきたいですね。
水瀬:今作の序盤の舞台は修学旅行先のフランスということで、学校で過ごしているときには体験できなかったようなシチュエーションの中で気が大きくなって、普段できないことができてしまったりと、ドキドキするようなサプライズ展開も待っています。あとはとにかくミュリエルが可愛くて、かつちゃんと“変な子”なので(笑)、各ヒロインにも負けない印象的なキャラクターになっていると思います。

第1期の頃の思い出の“カップ焼きそば”
――第2期の現場で第1期の頃にはできなかった「リベンジ」を果たせたことはありますか?
水瀬:私は第1期のときはみなさんとあまり喋ることができなくて距離をなかなか縮められなかったんですけど、今回の収録で同じチームになったキャストやスタッフの方々とは交流することができたので、そのリベンジができて嬉しかったです。
大橋:たしかに。第1期の頃のいのりちゃんは少し人見知り感があるイメージだったけど、今回のアフレコではよくお喋りしていたよね。その姿を見て「すごい! 私も人見知り直さないと!」って思いました(笑)。
水瀬:いやいや! へごちゃん(大橋さん)はいつも笑顔でいてくれるからそれだけで周りが明るくなるんですけど、私の場合は喋らないとみなさんから暗い感じに思われてしまうので、「怒ってないですよ」とか「元気ですよ」とか自分から発信するようにしていて。
大橋:そんなことないですよ!(笑)
水瀬:そうした以前の私のイメージを少しでもプラスにできればと思って臨んだアフレコだったので、目標を達成できて嬉しかったです(笑)。


――(笑)。また、第1期の際はお二人がパーソナリティーを務めたラジオ番組(「政宗くんのリベンジ」~あやか・いのりのラジオは豚足の始まり~)も放送されていましたが、とくに印象に残っている思い出のエピソードがあれば教えてください。
大橋:懐かしい! 私はラジオでカップ焼きそばを食べたことが印象深いです。あの頃いのりちゃんは食べたことなかったんだよね。
水瀬:それまで食べたことがなくて、カップ麺に詳しいへごちゃんに勧められて。
大橋:あの頃の私はよくカップ焼きそばを食べていたので、ぜひ!と(笑)。
水瀬:私の“初めてのカップ焼きそば”を見届けてもらいました(笑)。
大橋:あれから食べた?
水瀬:食べてる!
大橋:よかったー!(笑)
水瀬:私にとってカップ焼きそばは『政宗くん』の思い出の味になりました(笑)。
――面白いエピソードをありがとうございます(笑)。最後に、第2期の放送を楽しみにされているファンのみなさまへメッセージをお願いいたします。
大橋:6年ぶりの新作ということで、みなさんにとっても待ちに待った第2期だと思います。原作にないシーンも盛り込みながら、スタッフさんたちが大切に大切に制作してくださっており、私たちキャスト陣も楽しみながら収録をさせていただきました。ぜひ放送を楽しみにしていただければと思います。よろしくお願いします!
水瀬:6年越しの第2期ということで、私たちがびっくりしたのと同様に、みなさんもなんの前触れもなく突然発表された際には「いま!?」と思われたことでしょう(笑)。でもこんなに嬉しいサプライズはいくつあっても困らない幸せな出来事だと思いますし、時間をかけたぶんだけスタッフさんたちが愛情を込め、クオリティーも最大限に高められた先にある第2期となっています。私たちも原作をリスペクトした上で全力で演じさせていただきましたので、ぜひ私たちの声や音楽、アニメーションの色彩などを余すことなくお楽しみいただけたら嬉しいです!

TVアニメ『政宗くんのリベンジR』
■放送情報
TOKYO MX:2023年7月3日(月)より毎週月曜日23:00~
BSフジ:2023年7月5日(水)より毎週水曜日24:30~
AT-X:2023年7月3日(月)より毎週月曜日21:00~
サンテレビ:2023年7月3日(月)より毎週月曜日23:30~
KBS京都:2023年7月3日(月)より毎週月曜日24:30~
■配信情報
DMM TV、ABEMA:2023年7月3日(月)より毎週月曜日23:30~(Web先行配信)
■スタッフ
原作:竹岡葉月・Tiv(月刊ComicREX/一迅社刊)
監督:湊未來
シリーズ構成:横手美智子
脚本:横手美智子、下山健人、森江美咲
キャラクターデザイン・総作画監督:澤入祐樹
サブキャラクターデザイン:井上なつみ、秋山由樹子
色彩設計:水本志保
美術監督:中原英統
撮影監督:佐藤敦(スタジオシャムロック)
編集:坪根健太郎(REAL-T)
音響監督:亀山俊樹
音響効果:庄司雅弘
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:加藤達也
音楽制作:ランティス
アニメーション制作:SILVER LINK.
製作:「政宗くんのリベンジ」製作委員会R
■キャスト
真壁政宗:花江夏樹
安達垣愛姫:大橋彩香
小岩井吉乃:水瀬いのり
藤ノ宮寧子:三森すずこ
双葉妙:田所あずさ
朱里小十郎:早見沙織
早瀬絹江:小倉唯
早瀬千夏:大亀あすか
雅宗兼次:斎賀みつき
ミュリエル・ベッソン:伊藤美来
フランク・ベッソン:加瀬康之
■放送情報
TOKYO MX:2023年7月3日(月)より毎週月曜日23:00~
BSフジ:2023年7月5日(水)より毎週水曜日24:30~
AT-X:2023年7月3日(月)より毎週月曜日21:00~
サンテレビ:2023年7月3日(月)より毎週月曜日23:30~
KBS京都:2023年7月3日(月)より毎週月曜日24:30~
■配信情報
DMM TV、ABEMA:2023年7月3日(月)より毎週月曜日23:30~(Web先行配信)
■スタッフ
原作:竹岡葉月・Tiv(月刊ComicREX/一迅社刊)
監督:湊未來
シリーズ構成:横手美智子
脚本:横手美智子、下山健人、森江美咲
キャラクターデザイン・総作画監督:澤入祐樹
サブキャラクターデザイン:井上なつみ、秋山由樹子
色彩設計:水本志保
美術監督:中原英統
撮影監督:佐藤敦(スタジオシャムロック)
編集:坪根健太郎(REAL-T)
音響監督:亀山俊樹
音響効果:庄司雅弘
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:加藤達也
音楽制作:ランティス
アニメーション制作:SILVER LINK.
製作:「政宗くんのリベンジ」製作委員会R
■キャスト
真壁政宗:花江夏樹
安達垣愛姫:大橋彩香
小岩井吉乃:水瀬いのり
藤ノ宮寧子:三森すずこ
双葉妙:田所あずさ
朱里小十郎:早見沙織
早瀬絹江:小倉唯
早瀬千夏:大亀あすか
雅宗兼次:斎賀みつき
ミュリエル・ベッソン:伊藤美来
フランク・ベッソン:加瀬康之
(C)竹岡葉月・Tiv・一迅社/「政宗くんのリベンジ」製作委員会R