毎年多くのアニメ作品が制作されているほか、最近では周年を記念した再放送や、または昔の作品が“新作”として生まれ変わり、再び私たちを楽しませてくれています。2021年には『TIGER & BUNNY』や『輪るピングドラム』が10周年を記念したプロジェクトを始動させ大きな話題となりました。
そして2022年も、10周年を迎えるアニメ作品が多数。今回、その中から厳選した5作品を紹介していきます。これを読んで、懐かしい気持ちになったり、また見たいと思ってもらえたら幸いです。
■『PSYCHO-PASS』
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フジテレビ系「ノイタミナ」枠にて放送された『PSYCHO-PASS』。TVアニメは第3期まで制作され、劇場版も公開されました。記念すべきアニメ第1期が放送されたのが、今から10年前の2012年。『踊る大捜査線』で知られる本広克行さんが監督を務め、『Fate/Zero』や『魔法少女まどか☆マギカ』などでの残酷なシナリオが特徴の虚淵玄さんが原案を担当することでも話題となりました。
本作の舞台は、西暦2112年の日本。人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測を可能とし、それを数値化する機能を持つ「シビュラシステム」が導入されていました。人々はこの値を通称「PSYCHO-PASS(サイコパス)」と呼び、その数値を指標として生活しています。中でも犯罪に関しての数値は「犯罪係数」として計測され、将来的に犯罪する可能性の高い人物を取り締ることが可能に。しかし、たとえ罪を犯していない者でも規定値を超えれば「潜在犯」として逮捕されてしまいます。
主人公の常守朱は、警察組織「公安局」に属する刑事。そのような監視社会においても発生する犯罪を抑圧するため、シビュラシステムと有機的に接続されている特殊拳銃「ドミネーター」を用いて、潜在犯を裁いて治安維持活動を行っていました。そんな中、シビュラシステムに認知されない犯罪者が現れたことで、物語が大きく展開していきます。
■『黒子のバスケ』
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『スラムダンク』に引き続きバスケットブームを巻き起こした『黒子のバスケ』も今から10年前の作品。累計発行部数3000万部を超える人気同名漫画を原作としたTVアニメは、2012年4月クールから第3期にわたって放送されました。
春、誠凛高校バスケ部に新入部員がやって来ます。本場アメリカ帰りの巨漢・火神大我が存在感と天賦の才の片鱗を見せつける中、影の薄さを利用した見えないパス回しを得意とする黒子テツヤのプレイに皆圧倒されます。実は黒子は名門「帝光中学校バスケ部」で“キセキの世代”と呼ばれた5人が一目置いた6人目、幻のシックスマンだったのです。圧倒的な実力を持つ火神の”光”に対し、黒子は”影”としてそのプレイを支えると宣言。この誠凛バスケ部でかつてのチームメイトであるキセキの世代を倒し、日本一になることを誓います。
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この度、アニメ『黒子のバスケ』の放送から10周年となる2022年4月から2023年3月の1年間をアニバーサリーイヤーとして、10周年プロジェクトを展開することが決定。アニメ初の原画展や公式ストアの展開、アニバーサリーソングと新規アニメ映像によるMVの制作など、7つの企画が発表されています。
■『氷菓』
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米澤穂信さんの推理小説のシリーズ『氷菓』は、2012年にアニメ化、さらに2017年には実写映画化もされました。アニメは『けいおん!』や『日常』などで知られる京都アニメーションが制作。ヒロイン・千反田えるの「私、気になります!」というお決まりのセリフは、一部視聴者の間でブームとなりました。
省エネを信条とする高校一年生の折木奉太郎は、ひょんなことから廃部寸前のクラブ「古典部」に入部することに。古典部で出会った千反田える、そして中学からの腐れ縁・伊原摩耶花と福部里志と共に、神山高校を舞台に数々の事件を推理していく青春学園ミステリーです。
■『Another(アナザー)』
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推理作家・綾辻行人さんの同名小説を原作としたテレビアニメ『Another』。ホラー作品かつグロテスクなシーンも多くサスペンス要素もあり、その中に謎解きも含まれミステリーとしても楽しめる作品となっていました。
夜見山北中学に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚えます。そんな中、不思議な存在感を放つ美少女・見崎鳴に惹かれ始めるのですが、クラスメイトの反応から、他の人には見えていないのでは無いかと感じる恒一。奇妙なことだらけのこの学校で、ある日、クラスメイトが凄惨な死を遂げる事件が勃発。それをきっかけに、恒一は三年三組が直面している現実を知ることとなります。
■『イクシオン サーガ DT』
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最後に紹介するのは、このコロナ禍に見て筆者がめちゃめちゃ元気付けられた『イクシオン サーガ DT』。放送当時も毎晩大笑いしていたのですが、大人になってから見ても童心に戻って下ネタにお腹を抱えて笑える、良い意味で何も考えずに楽しめる作品だと感じました。
本作の主人公は、とある理由により現代から「ミラ」と呼ばれる異世界へと飛ばされた火風紺。降り立った先には、敵に襲われて絶体絶命のピンチの渦中だったお姫様とその騎士たち。この「アルマ」という神秘のエネルギーが万物に宿る世界で、紺は姫を助けるために共に行動することとなります。
……というカッコイイストーリーとなっていますが、内容はパロディ・メタ・お色気・下ネタが満載。清楚な侍女が実は男だったり(しかもCV:福山潤さん)、姫を狙う敵組織の隊長が序盤で大事な“玉”を失ってしまったり(しかもCV:神谷浩史さん)。とにかくハチャメチャで思いっきり笑える作品ですので、外出が憚られるこの2022年に改めて見てみてはいかがでしょうか。