【エヴァ入門】完結編にまだ間に合う!「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を楽しむためどの過去作から見るべきか徹底解説! | アニメ!アニメ!

【エヴァ入門】完結編にまだ間に合う!「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を楽しむためどの過去作から見るべきか徹底解説!

最近アニメを見るようになった人のために、「今からでも間に合うエヴァ入門」をお届け。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を楽しむために見るべき過去作とは?

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2021年3月8日、いよいよ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの最後の作品『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開されます。



1995年に放送された『新世紀エヴァンゲリオン』から25年、本来なら2020年6月27日に公開されているはずだった本作、二度も上映延期となり、心待ちにしているファンも多いでしょう。

しかし、『新世紀エヴァンゲリオン』と『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』は何が違うのか、シリーズが多くてどれを見れば完結編を楽しむことができるのかと悩んでいる人も多いはず。1995年のTV放送時には生まれていなかった人もたくさんいるでしょうし、最近アニメを見るようになった人のために、今回は「今からでも間に合うエヴァ入門」をお届けします。

『新世紀エヴァンゲリオン』と『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の違い


「エヴァンゲリオン」シリーズは、大きく分類して2つのシリーズがあります。旧シリーズと言われる『新世紀エヴァンゲリオン』と今回完結となる『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』です。

『新世紀エヴァンゲリオン』は、1995年放送のTVアニメから始まりました。14歳の内向的な少年、碇シンジが巨大な人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットに選ばれ、人類を脅かす謎の敵「使徒」と戦う物語です。繊細な心理描写と多くの謎を散りばめた物語、ユダヤ教・キリスト教関連のキーワードを用いた深遠な世界観などが評判を呼び、大ブームを巻き起こしました。1997年には2本の劇場版『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』と『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』が公開され、完結となりました。

そして、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズは、そんな物語を再構築してリブートさせた作品です。基本的な世界観やキャラクターは同じ設定ながら、新たな謎や新キャラクターも登場し、独立した物語として楽しむことができるのです。


最後の作品を楽しむためにはどれを見たらいいの


『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を楽しむためには、「新劇場版」シリーズの3本を見ておけばOK。それぞれどんな内容だったのか振り返ってみましょう。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序



地球の総人口の半分を奪った未曾有の危機「セカンドインパクト」から15年、14歳の少年、碇シンジは疎遠になっていた父に呼び出され、エヴァンゲリオンに乗って使徒と呼ばれる謎の巨大生物と戦えと告げられます。自分を捨てた父への反発とそれでも愛情を欲する気持ちの間で揺れ動き、上司の葛城ミサトや謎の美少女、綾波レイとの関係を築きながら、シンジがエヴァのパイロットとしての自覚を得ていく過程を描いています。

臆病で内向的な等身大の14歳であるシンジは、世界を背負う運命におびえながらも少しずつ周囲の影響で心を開いていき、パイロットとして成長していきます。同時にシンジが所属することになる組織・ネルフやその上部組織・ゼーレが推し進める謎の計画「人類補完計画」も動き出し、少年の戦いと裏で進められる巨大な謎が同時進行で描かれていきます。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破



『新劇場版』2作目となる『:破』は、3人目のエヴァ・パイロット、式波・アスカ・ラングレーが登場。さらに旧TVシリーズでは登場しなかったもう一人のパイロット、真希波・マリ・イラストリアスが登場し、物語が大きく広がっていきます。

シンジは、使徒との戦いにも慣れ、パイロットとして着実に力をつけていきますが、ネルフやゼーレの陰謀が加速し、犠牲になる子供たちの姿も描かれます。目的遂行のためには何でも犠牲にしようとする父、ゲンドウに対して反発するシンジは一度はエヴァのパイロットを辞めますが、レイを救うために今度は自らの意思でエヴァに乗り込みます。しかし、それが人類を滅ぼすと言われる「サードインパクト」の引き金になるという急展開で幕を閉じます。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q



3作目となる『:Q』で物語は一気に14年後の世界となります。シンジは年を取らず長い眠りから覚めると、「サードインパクト」の影響で世界はほぼ壊滅状態となっており、ミサトたちはネルフに対抗する組織「ヴィレ」を結成、シンジの幽閉を試みます。レイのクローンに助けられたシンジは、ネルフ本部で父と対面。ゼーレから来た少年、渚カヲルとともにエヴァ13号機に乗れと告げられます。シンジはカヲルに心を許し、ひと時の安らぎを得ますが、サードインパクトの原因が自分だと知り絶望。世界を修復するためだと言われ、エヴァ13号機に乗り込みますが、ミサト率いるヴィレと交戦になります。父の策略でカヲルをも失い、失意の底に沈んだシンジはアスカに助けられます。

ミサトたちがネルフに反旗を翻した経緯や、14年経ってもアスカたちエヴァパイロットの外見が変化していない理由など、数多くの謎を残して幕を閉じた本作。その全てが『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で明かされるのでしょうか。

旧シリーズを見て比較するのも面白い


『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』は、旧シリーズを見ていなくても独立したシリーズとして楽しめますが、どんな点に違いがあるのかなど比較してみると、より深く味わうこともできるようになります。

ここでは、更に深く「エヴァ」シリーズを味わいたい人のためにTVシリーズと旧劇場版についても紹介しておきます。

『新世紀エヴァンゲリオン』(TVシリーズ)は、未曾有の危機「セカンドインパクト」が起こり、世界の人口半分が失われた世界と14歳の碇シンジが主人公が使徒との戦いに巻き込まれるという点など、大まかな世界観と設定は「新劇場版」シリーズと同じです。ストーリーも途中までは重なる部分が多く、第壱話から第六話が『:序』、第八話から第弐拾話までが『:破』に相当する内容になっています。

しかし、第弐拾壱話以降は「新劇場版」シリーズにない展開となり、アスカの過去や絶望、レイの秘密などが明かされ、人類補完計画の真相にも迫っていきます。TVシリーズで最も物議を醸したのは、第弐拾伍話と最終話で、それまで展開していた物語が唐突に途切れ、主人公シンジの内面世界だけを描く内容となります。そして、その最終2話を新たに物語として描き直したのが、1997年に公開された2本の劇場版です。

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』は、TVシリーズの総集編に新規カットを加えたものと『Air/まごころを、君に』の前半のみを先行して上映したもの。そして、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』が、最終2話の物語を描く旧シリーズの完結編という位置づけになります。

旧作の物語を全て押さえたいと考えている方は、TVシリーズ全26話と『Air/まごころを、君に』を見るとよいでしょう。


専門用語を知るとより深読みできる


「エヴァンゲリオン」シリーズは、死海文書やアダム、リリスなど、ユダヤ教とキリスト教関連の用語が頻出します。それらの用語の意味を知っておくとさらに物語を深く楽しめるようになるはずです。以下に主な用語を挙げておきます。

死海文書:紀元前に書かれたと言われておりヘブライ語聖書の写本。1947年、死海の北西に位置するクムラン洞窟で発見されたもので、旧約聖書の最古の写本と言われており、様々な研究が行われていますが、今だ定まった解釈がされていない人類史の謎の一つ。

アダム:ユダヤ教やキリスト教、イスラム教の伝承に登場する最初の人間とされる存在。

リリス:アダムと共に土で作り出され、アダムの妻となったという女性。アダムとの間に多くの悪魔を生んだと言われる。

リリン:リリスが生んだ悪魔の一種。
ロンギヌスの槍:磔にされたキリストの生死を確認するために脇腹を刺した槍

ネブカドネザル:紀元前6世紀バビロニアの王「ネブカドネザル2世」が有名。バビロン捕囚の実行やバビロンの空中庭園を作ったと言われる人物。

また「エヴァ」シリーズはドイツ語が組織名などによく使用されます。その意味を知っておくのも作品の奥行きを感じられるようになるでしょう。

ネルフ:神経。シンジたちが所属する組織名として登場

ゼーレ:魂。ネルフの上部機関

ヴィレ:意思。ミサトたちがネルフに対抗するために作った組織。

ヴンダー:奇跡。ヴィレの所有する空中戦艦。

さしあたり、「新劇場版」シリーズの3本を見ておけば、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を楽しむことができるはず。そして、さらに深堀りしたい方は、その後に旧シリーズも鑑賞するのがオススメです。
《杉本穂高》
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