地上派ギリギリ!? 「回復術士」「School Days」ほかお色気からギャグまで、“アニメ史に残る攻めた作品”5選 | アニメ!アニメ!

地上派ギリギリ!? 「回復術士」「School Days」ほかお色気からギャグまで、“アニメ史に残る攻めた作品”5選

『回復術士のやり直し』が話題を呼んでいます。本作は暴行や陵辱、殺戮シーンなどが盛り込まれた残虐な復讐劇となっています。
そこでアニメ!アニメ!では、こうした「地上波でここまでやる?」な“攻めた”アニメを5作品、こちらでご紹介します。

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『回復術士のやり直し』キービジュアル(C)2021 月夜 涙・しおこんぶ/KADOKAWA/回復術士のやり直し製作委員会
  • 『回復術士のやり直し』キービジュアル(C)2021 月夜 涙・しおこんぶ/KADOKAWA/回復術士のやり直し製作委員会
  • 『異種族レビュアーズ』キービジュアル(C)天原・masha/株式会社KADOKAWA/異種族レビュアーズ製作委員会
  • 『School Days』場面カット(C)STACK・School Days 製作委員会 2007
  • 『惡の華』キービジュアル(C)押見修造・講談社/「惡の華」製作委員会
  • 「lain 2020 eXhibition」ビジュアル(C)NBCUniversal Entertainment Japan
  • 『ポプテピピック』メインビジュアル(C)大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード
  • 「School Days」(C)STACK・School Days製作委員会 2007
現在放送中のTVアニメ『回復術士のやり直し』が話題を呼んでいます。
本作は、監督の朝岡卓矢が「エロスと暴力が大きな原動力となっている作品です。それをどこまでやれるか? 」とコメントしているように、暴行や陵辱、殺戮シーンなどが盛り込まれた残虐な復讐劇となっています。

こうした「地上波でここまでやる?」と驚いてしまうような作品は、これまでにもTVアニメのなかにありました。そこでアニメ!アニメ!では、そんな“攻めた”アニメを5作品、こちらでご紹介します。

『異種族レビュアーズ』地上波で次々と放送中止に!異種族“風俗”がテーマのお色気アニメ


『異種族レビュアーズ』キービジュアル(C)天原・masha/株式会社KADOKAWA/異種族レビュアーズ製作委員会
『異種族レビュアーズ』キービジュアル(C)天原・masha/株式会社KADOKAWA/異種族レビュアーズ製作委員会【画像クリックでフォトギャラリーへ】
『異種族レビュアーズ』の原作は、ニコニコ漫画「ドラドラしゃーぷ#」にて連載中の、原作・天原、作画・mashaによる異種族お色気マンガです。
エルフや獣人、悪魔や天使たちが暮らす世界を舞台に、異種族の娘たちが経営しているムフフなお店に通うレビュアー(採点する人)たちの姿が描かれます。毎話、違う種族の生態に即したコンセプトのサービスが繰り広げられるのが特徴です。

2020年1月より放送された本作は、主人公たちがお店で受けたサービスを採点していく、言わば“風俗レポ”が内容の作品だったため、アニメ化が発表された当時から話題となっていました。
そして、満を持して放送されたTVアニメは、開始からほどなくしてTOKYO MXが放送休止を発表。続いて、サンテレビでも「編成上の都合により」放送が休止され、次に放送休止となるのはどの放送局だろう?と視聴者からの関心を集めました。
地上波で放送可能な“エロさ”の限界にまで挑んだ作品として知られています。

『School Days』愛憎うずまく昼ドラアニメの金字塔!バッドエンドは伝説に


「School Days」(C)STACK・School Days製作委員会 2007
『School Days』(C)STACK・School Days 製作委員会 2007【画像クリックでフォトギャラリーへ】
『School Days』の原作は、「Overflow(オーバーフロー)」から販売された、メイザーズぬまきち企画・シナリオによるパソコンゲームです。
主人公の伊藤誠は、登校中にいつも見かける少女・桂言葉に片思いをしていました。しかしある日、その事が同じクラスの西園寺世界にバレてしまいます。すると西園寺は、伊藤の恋を応援すると言いだして……。

2007年に放送されたTVアニメでは、ただのラブコメかと思いきや、三角関係のこじれや女同士の陰湿なイジメなど、昼ドラも真っ青のドロドロの愛憎劇が描かれました。
また、地上波なのにも関わらずセックス描写や暴力表現が控えられず、原作よりもさらに主人公の伊藤誠に感情移入できない仕上がりになっていました。
そして、視聴者が見守るなか迎えた最終回は、あまりに凄惨な内容のため、現実の事件の影響を受けてまさかの放送休止。急遽、差し替えで放送された紀行番組のフェリーの画像に外国人がつけたコメント「Nice Boat.」と共に、アニメ版は伝説となりました。

そして、この作品のヒロインのひとりである桂言葉は、その後「ヤンデレ」の代名詞となりました。

『惡の華』実写=アニメに!新手法・ロトスコープで描いた暗黒の青春群像劇


「惡の華」
『惡の華』 (c)押見修造・講談社/「惡の華」製作委員会【画像クリックでフォトギャラリーへ】
『惡の華』の原作は、「別冊少年マガジン」にて連載された、押見修造による少年少女の絶望を描いた青春マンガです。
主人公の中学生・春日高男は、出来心から密かに思いを寄せる同じクラスの美少女・佐伯奈々子の体操着を盗んでしまいます。しかし、その様子はクラス一の問題児である仲村佐和に目撃されていました。そして、弱みを握られた春日は仲村の命令を聞く羽目に……。

2013年より放送された本作の特徴は、実写モデルの演技をカメラで撮影し、それをトレースしてアニメにする手法・ロトスコープを採用したことです。全編ロトスコープのTVアニメ作品はこれが史上初となりました。
監督の長濱博史が採用したこの手法により、実写の説得力と作画の心理描写が混ざりあった世界観は、一種異様な緊張状態を生み出しました。
そして、地方都市に押し込められた思春期特有の鬱屈と行き場のなさがリアルに描かれ、反社会的な行為へと流れ込む少年少女たちの絶望を丁寧に映し出した、唯一無二のアニメーションとなっています。

また、本作のエンディング曲である「花 -a last flower-」は、子どもが呟くようなデジタルボイスと独特の歌詞により「怖い」「不気味」と呼ばれて話題となりました。

『serial experiments lain』現実が電脳に侵食されていく“逆”仮想現実アニメ


「lain 2020 eXhibition」ビジュアル(C)NBCUniversal Entertainment Japan
「lain 2020 eXhibition」ビジュアル(C)NBCUniversal Entertainment Japan【画像クリックでフォトギャラリーへ】
『serial experiments lain(シリアル・エクスペリメンツ・レイン)』は、雑誌、アニメ、ゲームによるメディアミックス作品です。
ある日、主人公の女子中学生・岩倉玲音のもとに、自殺したはずの同級生からメールが届きます。そして、その内容に興味を引かれた彼女は、この世界のパソコン「NAVI」を使って、ネットワーク世界「WEIRD(ワイヤード)」に耽溺するようになります。すると時を同じくして、現実世界でも異常な出来事が増え始めます。さらに街では、玲音とそっくりの少女「レイン」の存在が噂されるようになってきて……。

1998年の深夜に放送された本作は、第1話の冒頭がいきなり少女の飛び降り自殺のシーンから始まり、そのショッキングな出だしは当時のアニメファンの間で話題となりました。
そしてその作風は、コンピュータ関連の専門知識を駆使し、精神分析学をベースにした世界観で、サイバーパンク風の描写のなか、サイコホラーテイスト溢れるストーリーが展開するといった極めてハードコアなもので、世界中でカルト的な支持を得ました。

なお、同名タイトルであるPS用ゲーム『serial experiments lain』は、『ムーンライトシンドローム』(1997年)などと共に、狂気や妄想を扱った「電波ゲー」としても知られています。

『ポプテピピック』アナーキーでデストロイなギャグアニメの極北


『ポプテピピック』メインビジュアル(C)大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード
『ポプテピピック』(C)大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード【画像クリックでフォトギャラリーへ】
『ポプテピピック(POP TEAM EPIC)』の原作は、竹書房の「まんがライフWIN」にて連載中の大川ぶくぶによる4コママンガです。
メインキャラクターは14歳の少女・ポプ子とピピ美で、本作は彼女たちが繰り広げるギャグをオムニバス形式で描いています。

作風は、ナンセンスギャグをベースに、パロディや時事ネタ、風刺、ドタバタギャグなど、ありとあらゆる要素をごった煮にしたものです。また、ブラックジョークや自虐ネタも多く、その過激さがSNSなどで度々話題となりました。
しかし下ネタが控え目なことと、デフォルメされた可愛いキャラクターデザインのため、ポップで見やすいのが特徴です。

また、本作はAパートとBパートで声優だけを変えて同じ話を繰り返したり、絵コンテ撮の映像が突然スタジオの収録風景へ流れ込んだりといった、アニメのお約束や構造自体に対するギャグにも挑戦しています。
その他にも音声がフランス語のパート、極端なまでに作画と内容を破壊したパート「ボブネミミッミ」などもあり、シュールの一言では片付けられないレベルにまで到達した本作品は、他の追随を許さないギャグアニメの極北となっています。

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以上、お色気からギャグまで、5作品こちらでご紹介させて頂きました。
こうしてみると、一口に“攻めている”といっても、いろんな方法があることに気づかされるのではないでしょうか?
みなさまも、このなかに気になる作品がありましたら、ぜひ当時の空気とあわせて追体験していただけたらと思います。
きっとスリリングなアニメ体験になると思いますよ。
《曙ミネ》
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