宮崎駿監督の頭の中を覗ける! ジブリ美術館の新企画「手描き、ひらめき、思いつき」展【レポート】 | アニメ!アニメ!

宮崎駿監督の頭の中を覗ける! ジブリ美術館の新企画「手描き、ひらめき、思いつき」展【レポート】

11月15日、東京都・三鷹の森ジブリ美術館にて企画展「手描き、ひらめき、思いつき」展の内覧会が開催されました。本稿では企画展の注目ポイントを写真とともにご紹介します。

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ジブリ美術館「手描き、ひらめき、思いつき」展内覧会の様子
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11月15日、東京都・三鷹の森ジブリ美術館にて企画展「手描き、ひらめき、思いつき」展の内覧会が開催されました。

企画展ができるまでの過程を展示する斬新な試み。約20年にわたるジブリ美術館の歩みを振り返ることができます。

本稿では企画展の注目ポイントを、写真を交えながらご紹介! 足を運ぶ前に、ぜひ参考にしてみてください。

美術館完成当時のマル秘エピソード



内覧会に先駆け、ジブリ美術館館長・安西香月さんと、『耳をすませば』に美術として携わった画家の井上直久さんのスペシャルトークが。
企画展の見どころや、宮崎駿監督との思い出を語りました。

井上さんはジブリ美術館に初めて訪れたとき「住むのに気持ちよさそうな場所」だと思ったとか。
すると宮崎監督は「井上さん用の小屋を建てて、住めるようにしましょうか」と具体的なプランを提示。
つい「おもしろいですね」と了承しかけたことを明かし、会場を笑わせました。

さらに安西館長は「今回の隠れテーマは、“一生懸命はおかしくない”。ダメ出しされた資料などを見て、子どもたちには“大人だって悩みながら作っているのだから、完全じゃなくてもいい”と明日への希望を抱いてほしい」と語りました。

まるで総集編!空想を実現させる舞台裏



企画展では第1展示室と第2展示室を使用。立体物を含め、約640点を展示しています。


第1展示室では宮崎監督がかかわった過去の企画展資料を展示。
すでに美術館に足を運んだことのある人にとっては、なつかしさを感じる資料もあります。
当時のキャプションをまた読むことができるなんて、まるでジブリ美術館の総集編!


おもしろいと感じたことは本当に形にしてしまう宮崎監督。手描きの資料からは、「どうしても実現したい!」と熱い想いが伝わってきます。


企画展のきっかけとなった宮崎監督のメモも随所に。とくに「やりたい!」と思った企画に関しては、企画書の段階で具体的な展示物や実現したいイメージが盛り込まれています。


第2展示室には、ジブリ美術館が完成するまでの資料を展示。
まるで設定資料かと思うほど美麗な宮崎監督のアイデアスケッチをたっぷり見ることができます。
「お金を払わない方が楽しかったりして」など、空想中の本音も。


残念ながら没になったアイデアも包み隠さず展示。楽しい美術館を作るために何度も案を練り直していたことがうかがえます。


美術館の構造を把握しやすいよう、今回の企画展のためにジオラマも制作。遊び心にあふれた建物を俯瞰することができます。


中をのぞき込むと、ジブリの仲間たちが。フィギュアもかわいらしく作られているので、ぜひすみずみまで観察してみてください!

企画展を見た後に館内を散策してみると、形になったアイデアの数々が目に入るはず。何気なく見ていた展示物からも、ユーモアや人間味が伝わってきます。
時間に余裕があれば企画展、常設展、企画展2周目 、と回ってみてはいかがでしょうか。


ちなみに2階のギャラリーも、展示内容に変更が。
2010年に開催された「ジブリの森のえいが展」で展示した資料から、「土星座」上映作品にまつわるものをピックアップしました。


さらに、こねこバスの顔だしパネルを追加。向かい側には鏡があり、まるでこねこバスに乗っているかのような気分が味わえます。

おすすめポイント3選!


ここからは、筆者が独断で選んだおすすめポイントを3つご紹介。ぜひ企画展を見に行くときに注目してみてください!

おすすめ1:若き日のドーラ



『天空の城ラピュタ』でおなじみの女海賊・ドーラ。作中で一瞬だけ若いころの写真が登場し、あまりの美しさに驚いた人も多いでしょう。

今回の企画展では、そんなドーラにまつわる資料も展示。凛とした若きドーラとともに、アマゾネス号と名付けられた船の断面図を見ることができます。
船の中には、美容室やエステサロンまで。生活の潤いも大切にしていたドーラの人柄が伝わってきます。


『空想の空飛ぶ機械達』/(C)2002スタジオジブリ
企画展中に「土星座」で特別上映される短編『空想の空飛ぶ機械達』と併せて見ると、より楽しめるはず! ちなみにこの作品、ナレーションが宮崎監督です。

おすすめ2:お手製の紙製ジオラマ



第二展示室に飾られている資料の中には、宮崎監督お手製のジオラマも。平面だけでなく、立体的にアイデアを吟味していたことが伝わってきます。


アイデアに煮詰まると登場する“怪人ジブリブリ”にまつわるジオラマも愛嬌たっぷり。ぜひ近くでご覧になってください。

おすすめ3:うまく動くか挑戦!“トトロぴょんぴょん”試作品



企画展終盤に登場するのが、常設展示にもある“トトロぴょんぴょん”の試作品。フィギュア制作前に作られた紙製の人形が、ぐるぐると回っています。

ストロボライトを当てるとアニメーションのように見える仕組み。
ただライトを当てるだけではきれいに動きませんが、点滅数を調節すると、縄跳びで遊ぶサツキとメイなどが現れます。 1秒間で18回点滅する設定にすると、きれいに動くとか。

1度では見終わらないかも?



資料を読み始めるとあっという間に時間が経っている「手描き、ひらめき、思いつき」展。

枠にとらわれない自由なひらめき、実現に向けて奔走した一生懸命さなど、これまで見えなかったジブリ美術館の新たな魅力に気づくはずです。
ジブリファンはもちろん、企画を作る仕事をしている人にもおすすめ!

ただ、情報量がかなり多いので1周で攻略するのは難しいかも。筆者は2周したところ、1度目には気づかなかった発見もありました。

企画展は2020年5月まで開催予定なので、ぜひ何度も足を運んでみてください!
「手描き、ひらめき、思いつき」展概要

会期:2019年11月16日~2020年5月(予定)
会場:三鷹の森ジブリ美術館
チケット(日時指定の予約制)
※全国のローソンにて毎月10日午前10時より、翌月入場分のチケットを販売。
大人:1,000円
高校・中学生:700円
小学生:400円
幼児(4歳以上):100円
4歳未満:無料


(C)Museo d’Arte Ghibli、(C)Studio Ghibli
《ハシビロコ》
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