■今後きてほしいのは「強さを自覚した主人公」
――――コミックシーモアが主催する「We Love コミック 総研」では、マンガを読むことで自分のメンタルをセルフマネジメントする“マンガーマネジメント”を提唱しています(記事末参照)。伊東さんはそういう経験、ありますか?
伊東:僕、ポジティブな性格なので、残酷なストーリーを読むと今は幸せなんだなって思うし、明るい話を読んだら僕もこうなりたいって思うんです。なので、基本的にどんな作品であれメンタルが回復するんですけど、そのなかでも『ちはやふる』(末次由紀)は、読むと基礎練習したくなりますね。
初心を思い出させてくれるようで、いても立ってもいられず発声練習してみたり、走ったりします。
――成長していくさまが鮮やかに描かれている作品ですもんね。
伊東:あとは、『東京タラレバ娘』(東村アキコ)『きのう何食べた?』(よしながふみ)『西洋骨董洋菓子店』(よしながふみ)も。人との関わりが細かく描かれていて、人間関係を考えさせられます。
とくに『東京タラレバ娘』は、男でもグサグサきますよ!
――「~していたら」「~していれば」と過去に囚われ前を向けない30代女性の物語ですよね。
伊東:これを「女子向けでしょ」って言っているうちは、まだまだワンランク下の男ですよ。
あともう一つ挙げたいのは『シマシマ』(山崎紗也夏)。添い寝屋で働く男の子たちの話なんですけど、彼らを見ていると「優しくなろう」「ちゃんといい男になろう」と思えます。
――いろんなジャンルのマンガを読む伊東さん。ここで「令和になっても長く読み継がれてほしい、大好きな作品」を、3つ教えてください。たくさん読んでいるからこそ難しい質問ですが……。
伊東:好きな作品はたくさんあるので3つに絞るのはなかなか難しいですね……!
(悩みつつ)……まず1つ目は『ブラック・ジャック』(手塚治虫)にします! 読むと、人間として生きる上で大切なことを教えられたような気になるんです。これからも図書室や図書館に置かれるべき存在ですよね。
――では2つ目は?
伊東:じゃあ……ここで『ヲタクに恋は難しい』(ふじた)を出す!
――(笑)。出演作だから覚悟が必要だったんですね。
伊東:お世話になっていますという気持ちもありつつ、やっぱりネット発でブレイクしたマンガの先駆け的存在だと思うんですよ。マンガが好きで読んでいる方たちにはきっと令和にも受け継いでくれる。そうして代名詞になってくれると思っています。
――ラスト、3つ目にいきましょう。
伊東:『ろくでなしBLUES』(森田まさのり)!
――ここまで聞いてきた作品とはちょっと毛色が違うような?
伊東:これは“今だから”ですね。前田太尊たちが生きている不良だらけの世界って、平成の文化だと思うんですよ。この先、令和の後期には、今の人が『るろうに剣心』を読んでいるような感覚になるかもしれない。そういうのを期待して選びました。
――平成後期には、マンガをスマホで読むが当たり前の世の中になりました。伊東さんはどんなふうに読んでいますか?
伊東:アプリが多いですけど、家にスペースがあるなら紙がいいかな。本棚にバーッと並んでいるの見ると、満足感あると思うので。
それと、昔の作品は紙で読みたいなと思います。紙で読む人しかターゲットがいない時代だから、紙ならではの工夫があるじゃないですか。見開き一面にドーンと描かれていたりして。
――確かに、スマホでは味わえないですね。
伊東:あれを見るなら紙がいいですよね。一方で、連載中の作品だと、先にアプリで読んでおいて最終巻まで出たら本を買う、というやり方をしています。紙と電子書籍、それぞれ違った良さを活かしている感じです。
――うまく使い分けているんですね。最後に、そんな伊東さんに聞きたいです。令和には、どんなマンガが増えて欲しいですか?
伊東:僕が生まれてすぐくらいのとき、『魔法騎士レイアース』( CLAMP )『ふしぎ遊戯』(渡瀬悠宇)『犬夜叉』(高橋留美子)といった異世界ものが多かったんですけど、1周回って今また異世界ものがきていますよね。
なので次は絶対的に強くて、かつ強いと自覚している主人公がまた出てきてほしいです。『DRAGON BALL』(鳥山明)の孫悟空みたいな。僕、そういうのも好きなので。今一度来い!
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マンガーマネジメントとは?
さまざまなことに気を配り、立ち向かわなければならない日常はストレスとなり、ココロとカラダにのしかかっています。毎日を懸命に生きる皆さんの支えになれないだろうか?そんな思いから生まれたのが、「We Love コミック 総研」です。
コミックシーモアでは、今を生きる皆さんの毎日を豊かにするマンガのあり方をさまざまな分野の専門家とともに研究し、発信しています。
いつでもどこでも、すぐに、無数にあるラインナップから選んで読むことができる電子コミックの良さを活かし、ストレスフルな現代を生きる皆さんに必要なセルフマネジメントを実現するのが「マンガーマネジメント」という新発想です。
ひと息つけるちょっとした時間に自分の世界に没頭し、ココロを刺激し開放できる、活力を与えてくれる“マンガーマネジメント”の効果、是非体験してみてください。
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